4日目。
3時にトイレにおきると星がすごかった。おびただしい数の星くずが夜空にちらばり天の川もみえる。こんな星空を目にしたのはひさしぶりだった。
5時に目がさめたが寒くておきたくない。二度寝して6時に起床した。ラジオでは帯広の最低気温は10、7℃。陸別は2、7℃と言っているから、高原のヌプカは10℃以下なのは確実だ。若者たちはまだ寝ている。テントでこの冷え込みは厳しいが、地元の人たちだから装備はしっかりしているのだろう。
最高気温は24℃の予想なので冬用のジャケットではなく春秋用にした。ただ上下にヒートテックを着込み、セーターも着て8時前に出発した。
上士幌のナイタイ高原にむかう。道道337号線は一直線だ。
豊岡見晴し台 駐車公園の角をまがってもまた直線だ。この公園には上士幌の案内板があり、幌加温泉が無料とある。さがしてみようと書いてあるので、ついでに寄っていこうと思った。
8時すぎにナイタイ高原についた。ゲート・オープンは7時だがまだ誰もいない。
ヌプカに泊まっているからナイタイ高原に来る必要はないのだが、林道走行のついでに寄ったのである。
目的地はナイタイ高原のゲートの奥にある不二川迂回林道である。ツーリングマップル(TM)には深ジャリダート、14キロとある。個人の方の走行記録などを調べると熊の糞がたくさんある林道とのこと。しかし入口には工事のため通行止めとある。看板にはどこのだれが表示したのか書いていない。ただご協力くださいとあり、バイクが走行するのは問題なさそうだが、万一もめたりするのは嫌なので、次の林道にむかうことにした。これがこの日の通行止めのはじまりだったのだ。
糠平湖をこえて幌加温泉にやってきた。無料の温泉があるとのことだが鹿の湯という古びた宿しかない。ここで立ち寄り湯ができるようだが有料だ。周辺をさがしてみるが無料の湯はありそうもないので先にすすむことにした。後で調べてみると廃業した宿の湯船があったそうだが今はなくなっているようだ。
幌加温泉の北にある音更川本流林道にゆく。しかしここもゲートが閉まっている。
林道決壊のためとある。この林道の奥にある岩間温泉につかりたいと思っていたので落胆した。車は登山者のもののようだ。ここでTMをひらいて進路の検討をした。すぐ北に三俣・置戸林道があり、三国峠と石北峠をパスして置戸湖方向にのびている。この周辺には林道がたくさんあるのでこのルートをゆくことにした。
朽ちかけた木の看板のある林道入口についた。置戸40キロ、北見65キロと表示されている。
林道名は置戸越林道となっている。
しかしここも林道決壊のため通行止めだった。ここでまた予定を考えた。目的地は置戸湖周辺の林道と南の芽登林道である。そろそろ昼時となるが芽登には食堂はありそうにない。そこで三国峠、石北峠をこえて北から置戸湖にアクセルし、どこかで昼食をとることにした
三国峠の大森林地帯をぬけてゆく。ここを通ると必ず写真をとる高架橋を見下ろすポイントでバイクをとめた。
写真をとっていたらETCアンテナにカミキリ虫がきていた。
三国峠をこえて大雪湖にいたると林道があった。入口には大雪高原の案内があり露天風呂があるようだ。TMによると走りやすいダート10キロとある。
たしかに幅広の走りやすそうな道だ。林道は通行止めばかりなのでここを走ってゆくことにした。
出だしはとても走りやすいダートだった。ダンプが出入りしているが道幅がひろいのですれ違いも楽である。
これは楽勝だなと考えていると残り6、4キロでふつうの林道になった。車1台分の幅の道となるが走りやすい。しかし残り2キロになると深ジャリと急坂がありかなり手こずった。
こんな山奥に温泉宿があるのかと思うほど山は深い。簡単につくと思っていた大雪山荘に深ジャリと急坂になやまされて到着した。
山荘の手前にはヒグマ情報センターがある。バイクの右の建物がそれだ。
まずここを見学することにした。
大雪高原にはハイキング・コースがあるがヒグマ情報センターの中を通ってゆくようになっている。早朝、夕方、濃霧はヒグマの時間とあり、肝に銘じておいた。
大雪高原山荘の入浴料は700円と高い。
どうしようかと思ったが、食堂があるので食事とのセット券があるのではないかと考えたらあった。これにすることにした。
風呂にゆくと誰もいない。ここも私の貸し切りだ。
露天風呂もある。これで700円なら高くないと思う。前言訂正だ。ものすごくよいところじゃないか。
貸し切りの露天風呂でリラックスし、今日は通行止めばかりだが、この風呂だけで満足な1日になったと思う。
食堂には予約席が用意されていた。
ヤマメの塩焼きと煮物にサラダだ。
キノコと野菜の鍋。素朴な料理だが鍋はよい出汁がでていた。風呂とこの料理で1600円はお値打ちだ。