8日目。道の駅ピア21しほろの朝。晴れ。6時に起床した。
トイレのすぐ前で泊まったが、朝になって道の駅のはずれに移動してバイクをおろした。すると地元ナンバーのキャンピングカーの老人に話しかけられる。車からバイクをおろしていると私は人気者になるのだ。老人は最近キャンピングカーを買って楽しみだしたそうだ。バイクを積んでいるなんてすごいとおっしゃる。私は車中泊をしながら林道ツーリングや野湯めぐりをしていることを話した。すると老人は、地元の人間よりも、本州からきている皆さんのほうが無料の温泉や泊まる場所、観光スポットにくわしいと言う。たしかにそうかもしれない。今日は芽登温泉にゆくつもりだと話したら、老人は芽登温泉を知らなかった。
カップめんの朝食をとり7時半に出発した。走るとすずしい。ジャケットの下はTシャツだが、長袖シャツをきればよかったと思うのは毎日のことだ。昨日も利用した国道で上士幌をぬけて北上する。DRの排気音は破裂音のようなので獣は嫌うようだ。路上にいるカラスを追い散らし、電線にとまっている奴らも追い飛ばしてゆく。路肩にいるキタキツネも横をとおるときに耳をふせていた。
国道273号線から道道468号線におれて4キロで芽登川林道の入口についた。
林道の入口には看板がたっている。
林道にはいってゆくとすぐに鹿ゲートがある。通った後でゲートはしめておく。
今年の芽登川林道はツブの大きなジャリがはいっていて、ハンドルをとられて走りづらかった。
林道は芽登川の横をゆく。4、5キロで右にゆく丁字路があるはずだがない。やがて以前はなかったY字路があらわれて、左は工事現場とのことで右にゆく。
8キロすすんでこれはおかしいと思ってとまった。芽登糠南林道の分岐までにこんなに距離があるはずがないのだ。ここで引き返すことにする。あとから気づいたが芽登川林道をすすんでしまっていた。
Y字までもどってきた。左は工事現場に通じるとある。
更にもどると丁字路があった。
丁字路のすぐ先にあるこの看板に気をとられて見落としたのだ。
芽登糠南林道の看板もたっている。
丁字路をまがって芽登糠南林道をゆく。ここは2017年に逆方向から走ったのだが、ものずごい急坂の深ジャリの上りがあった。こんなところをゆくには嫌だと感じたほどなのだが、途中で止まったらUターンもできないような激坂なので、びびりながら走った。それが嫌なので、今回は逆から入ったのだ。林道はまず上ってゆく。前回下ったときにはなんとも感じなかったが、かなりの斜度でヅブの大きなジャリも入っている。しかし一昨日、失速してエンストしてしまった虹別林道ほど長くはなかった。
峠をこえていよいよ急坂である。しかし下りだと大した坂におもえない。どうやら上りはけわしくかんじられがちのようだ。
下ってきた坂を見上げている。画像だと斜度を感じないが急坂だ。そして以前はあった深ジャリはなくなっていた。
3キロで丁字路にでた。上の画像の奥からきた。左にゆくと芽登温泉である。芽登温泉へのルートは深ジャリだった。ザクザクの深いジャリで走りづらい。
深いジャリの道をすすんで9時に芽登温泉に到着した。
ここには大きな露天風呂がある。混浴だが、温泉着をきて入るシステムになっているのだ。野趣あふれる秘湯なので楽しみにしていたのだが、営業開始まで1時間半もある。気のみじかい私はそんなに待てないから、鹿追にある神田日勝(かんだにっしょう)記念美術館にゆくことにした。
ジャリを大量に入れたばかりの林道をゆく。今回のツーリングではここがいちばん手ごわく、2番はさっき走った芽登川林道のツブの大きなジャリの道で、3番は虹別林道でエンストした坂だった。
林道をぬけて道道88号線にでた。
道道から国道274号線とつないで鹿追にむかう。瓜幕でオソウシ温泉からオソウシサラウンナイ林道をとおって鹿の湯にゆこうかとも思ったが、NHKの日曜美術館で知った、神田日勝の絵が印象的だったので、美術館にゆくことにした。
鹿追の道の駅に併設されている神田日勝記念美術館に到着した。入場料は520円だがJAFの割引で460円になった。
絶筆となった、描きかけの馬の絵が印象的だ。絵はベニヤ版にかかれている。
神田日勝は東京から戦災をのがれるために鹿追に入植した家族の子供だ。
中学をでると芸大にすすんだ兄のかわりに就農し、絵をかいた。上の絵は死馬と飯場の風景。
農耕馬の絵で世に認められたからか、馬の絵をよくかいた。上は室内風景。新聞紙を貼った室内に座る男。足下にはガラクタ。物質文明、消費社会を批判しているようだ。
ベニヤ版にかかれている絵がおおい。それが日勝のスタイルだったのか、それとも貧しさ故か。NHKの朝ドラの登場人物のモチーフになっていたらしいことは、この文章を書いている10月になって知った。
絶筆となった描きかけの馬。日勝は32才の若さで病没している。興味のある方は『神田日勝記念美術館』もどうぞ。
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