天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「SHADOW 影武者」@40作目

2019年09月11日 | 映画感想
「SHADOW 影武者」

チャン・イーモウ監督最新作。
戦国時代(三国志)の荊州争奪戦をアレンジしたアクション大作。流れ的に言うと「HERO」とか「LOVERS」ですね。スタッフも同じらしい。
個人的にはチャン・イーモウ監督の作品はこれらの「武術アクション」系ではなくて「初恋のきた道」や「あの子を探して」方面の方が好きなんだけどな。

あらすじ
沛(ペイ)国が敵の炎国に領土を奪われて20年、敵と休戦同盟を結んだ若き王(チェン・カイ)は、平和な一方で屈辱的な日々を過ごしていた。
奪還を目標とした開戦派を束ねる、頭がよく武芸を得意としている重臣・都督(ダン・チャオ)は、最強の戦士である敵の将軍・楊蒼に手合わせを申し込む。
彼の勝手な行動に激怒する王だったが、目の前にいる都督は影武者(ダン・チャオ/2役)で、本物の都督は自身の影に大軍との戦いを命じていた。(Yahoo!Movieから丸パク)

映像がキレイよね。
映画全編ずぅーっと雨が降ってて、色がほとんど無くて…決してモノクロ撮影では無く、敢えて衣装やセットをほとんどモノトーンで統一させている。
鮮やかなのは血の色だけで、血の赤い色がモノトーンの世界で唯一生き生きと発色しているのがいかにもチャン・イーモウ監督らしいこだわりを感じさせます。
…という訳で映像は全体的に美しいんだけど、話自体は正直大して面白くなかったなぁ(コラコラ
前半ダレるんだよね。敵国の将軍と手合わせに行く辺りから話がようやくスピーディーに動いて面白くなるんだけどそこまでの助走が長いわー^^;

ここ数年ほとんど中国映画や中国ドラマを目にしていなかったので役者さん全員知らなかった(見た事あるのかもしれないけど記憶になかった)けど
都督の妻「小艾(シャオアイ)」を演じたスン・リーさんという女優さんが物凄い美人だった!ちょっと大塚寧々さん風。
この方と都督を演じたダン・チャオさんはリアルでご夫婦だそうで。本当に絵に描いたような美男美女ご夫妻ネ!
で、その主人公を演じたダン・チャオさんなんですが、1人で2役演じられていらっしゃるんだけど、都督の本物は1年前での戦闘で負った怪我が原因で痩せ衰えてしまって、その為に自分の身代わりの影武者を立てた…という設定。
うん、それは分かるんだけど余りにも役作りに熱心になり過ぎたのか?ご自身ムッキムキの影武者を演じた後で本物を演じる為にそこから20kgも減量したそうで。
そこまで減量しちゃうと最早同一人物に見えないんですわな(苦笑)実際スクリーン観てて全然別人に見えてたし^^;

更に「どーしてこーなった?」最大級が「傘バトル」
んー多分チャン・イーモウ監督的に「そーだ!戦闘シーンで傘を武器に使うのって絵的にも面白くなるんじゃないっ!?(ピコーン☆)」という所から本作が組み立てられたんだろうと容易に想像が付くんですが(だから傘→傘が必要なシチュエーション→雨→モノトーンの衣装とセット、みたいな感じなのかな?と)
それにしても、この傘がなんともしょっぱいと言うかさ…都督1人が技を極めて~というのならまだ納得しないでもないんだけど、何故か無法者軍団(約100名)にもこの傘ソードの技術を会得させて「傘軍団」として戦わせるというのが…お笑いでしかなかった、と言うか(滝汗)
あの境州の市中を「傘サンドイッチ移動」するシーンがっ!!マジで「ぅええええコレは笑っていいシーン…な訳ないよな^^;」と苦笑するしかなかったわよ。

別に普通のサムライソードファイトみたいなので全然ええやん。なんでこんなけったいな武器開発しとんねん(ボソ

まあ~色々ツッコミ入れて半笑いしながら観てたんですが、結末が個人的にはちょっと意外でした。
影武者が主人公の物語で、影は所詮影。光る本物があって初めて影が成す…それは本編でも語られていたのでてっきり結末は「あーなるんだろーなー」と勝手に予想していたのですが
最後の最後で個人的にはどんでん返し食らったような気分になりました。
この後話が更に続いていくようで、何か物問いたげな感じで終わる、ちょっと雰囲気を残した終わり方はいかにもチャン・イーモウ監督らしいな、と思いましたね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする