天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画2023】「レジェンド&バタフライ THE LEGEND & BUTTERFLY」@4作目

2023年01月27日 | 映画感想
「レジェンド&バタフライ THE LEGEND & BUTTERFLY」

東映創立70周年記念作品。もうね、記念作品だけあって金の掛け方とか人の使い方とか色々ハンパないよね!
という訳で、ここ最近メディア出ずっぱりでプロモーションしているキムタク×綾瀬はるかさんを「信長×濃姫」のダブル主演に据え、脚本は「コンフィデンスマンJP」等を手掛けた古沢良太氏、監督は「るろうに剣心」でお馴染み大友啓史氏を迎えて正に「大作感」をバンバンに打ち出してキター!

あらすじ
尾張国の織田信長(木村拓哉)は大うつけと呼ばれるほどの変わり者だった。敵対する隣国・美濃国の斎藤道三の娘・濃姫(綾瀬はるか)と政略結婚という形で出会った信長は、彼女と激しくぶつかるが、今川義元との戦で一緒に戦術を練ったことから二人は固い絆で結ばれるようになる。そこから二人は、天下統一に向かって歩みだす。(Yahoo!movieから丸パク)

いやぁ~大作だね!上映時間も170分位あるんだよね!でも意外に上映時間の長さは感じさせなかったな。
先ず、キムタクも綾瀬はるかさんも政略結婚させられた16歳だか17歳辺りの年齢から没する49歳までを1人で演じ切ってるんだけど…最初の方(若い頃)ってアレは確実にCGか特殊メイクかボトックスで顔のたるみ消してるよね。めっちゃ若々しいもん。キムタクは分かり易く若返ってたけど綾瀬はるかさんも相当手を加えてたよね^^;

で、綾瀬はるかさんの身体能力の高さに萌える!!←ココ、今日の推しポイントその1
祝言を上げた夜(初夜)の乱闘シーンの立ち回りの素晴らしさよ!コレはアクション映画フェチ(特にカンフー系萌え)には大変なご馳走でございました✨
その後も組手の修練をしているシーンや馬術シーン等、身体を張るシーンが結構ありますが、どれもこれもとにかく動きが滑らかで澱みない、そして所作が美しい!(大絶賛)
今現在の日本の女優さんの中でもTOPレベルの身体能力なんじゃないかと。自分の中では綾瀬はるかさんと清野菜名さんがアクションGOOD女優ツートップだと思いますね。

そしてキムタクよ。←今日の推しポイントその2
よく「何をやってもキムタク」とか「キムタクも歳を取った」だの「キムタクのどこがいいのか云々」ってDisる人いるじゃないですか。
人気者故のアンチ湧きって言うんですかね、人気者を持ち上げるの恥ずかしいとか「俺(私)は世間に迎合しない、個性派俳優こそ至高」みたいな「通ぶる」っての?そういうのを敢えてSNSで声高に主張する輩って結構いますよね。うん恥ずかしいですそういうの。通ぶってもアナタはキムタクに1㎜も勝てる場所がありませんw
だってキムタクカッコイイじゃん!(←何この色ボケっぷりw)あんなカッコイイ50歳男子、他に何処にいるよ?なんか「キムタクをカッコイイと認めたら死ぬ病気」に罹ってる人一定数いるみたいだけどさ、顔真っ赤にしてキムタクをDisればDisる程自分の矮小さを世間に知らしめているといい加減気付いてほしいわ。

そんな訳で…映画観終わってから思い返したんだけどさ、キムタクってだいぶ前だけどTVの特番ドラマで一度信長演じてたよね?
その時も思ったんだけど、彼の居住まいと言うのかな…姿勢と言うか有り様が凄く世間的認知の高い「信長像」と被るんですよね。…有無を言わせない圧倒的カリスマ、かな。
彼の姿が信長と物凄くシンクロする。「何を演じてもキムタク」なんじゃない、キムタクに演じて欲しいキャラがあるから彼に発注が掛かる、そう、逆張りなんだよ。キムタクに演じて貰えたらこのキャラクターは生き生きとするに違いない、だからオファーが掛かる、そいういう事なんだ…と、本作の信長の姿を見て改めて確信しましたね。

本作は勿論信長の青年時代から晩年までの半生を描いているんだけど、今までの作品とはちょっとアプローチが違っていて「濃姫との関係性」を軸に描いていました。
だから歴史の教科書通りの展開とはちょっと違っていて…例えば桶狭間の戦いに関する戦略の構築シーンなんかは全くのファンタジーですが、それが「史実もこうであって欲しい」と誰もが思えるような…信長と濃姫がお互い信頼性を高めて行くエピソードとして上手く機能していたと思いました。
それはその後の「お忍びデートからの大乱闘→まさかのラブシーン!?」とか、「離縁からの大逆転!(伊藤英明さんナイスアシスト)安土桃山城カッケーな!」とか←ナニコレ
そして本作最大のサプライズは何と言っても…コレはネタバレするべきじゃないですよね。是非劇場で観て欲しい「本能寺の変のパラレルワールド解」を!!

濃姫に関しては余り史料が残っていないんですよね。実際日本史の教科書でも「信長は斎藤道三の娘・濃姫と政略結婚をした」の一文でしか登場しない人物。
その「ほぼ何も史料のない人物」をここまで引き延ばしてキャラ立ちさせたのは、本当に凄い事だよなーと思いました。それは本作のラストシーンにまで影響を与えて…本作のラストシーンの迫力と最後のキムタクのあのセリフには「ああ、史実もこうであってくれたらどんなにドラマティックであっただろうか!」と思わせる名シーンでした。

でもね…自分、本作で一番衝撃を受けたのは…最後のスタッフロールが流れて行くのをぼんやりと眺めていて…
「徳川家康 斎藤工」←今日の推しポイントその3、そしてコレが最大のサプライズ!

はぁ?えぇ?ま、マジで???ぶっちゃけ家康のシーン観てて「この役者さん誰だろ?見た記憶ないなー(本作には大して関わらないからテキトーなエキストラかな?」程度にしか考えてなかったじゃんね!それなのに…えぇぇ~?斎藤工さんなのぉ?どこに斎藤工さん臭があったの!?
ただ…信長の「家康を威嚇するパフォーマンス」の後に家康が明智光秀にソソッと寄っていって耳打ちするシーンがあるんだけど、あのシーンは「ゾクッ」とした。演技上手いよね。
そうそう、明智光秀を演じたのが宮沢氷魚君…カッコイイ!色の薄い感じとか信長に狂信的からの~って様子がサイコパスっぽくて凄く刺激的キャラだった!明智光秀についてもどういうカラクリで謀反を起こしたのかが未だによく分かってない部分だと思うんだけど…本作のサイコパスっぽい解釈、なんとなくしっくり来たなーと。

総じて脚本が面白かったんだな…この辺りの戦国武将モノは既に何度もコスってコスってコスり倒したネタだから、今から新たに作ろうと思うとどういうアプローチにするかとか、歴史のどの部分をクローズアップさせるか、誰をキーマンにさせるか、等がキモになって来ると思うんだけど、本作は「信長×濃姫」の歴史大作ロマンスに軸足乗っけて(しかも史実には全くないので完全ファンタジー)、それを既知の史実と掛け合わせてリアリティ出して「歴史のif」まで盛り込んで来る辺り…脚本の古沢良太氏、そしてそれをこれだけの映像に作り込んで来た監督の大友啓史氏の力量の高さが…本当に素晴らしかったと思います!

上映時間長いから…もう一度劇場に観に行くか?は難しいかもだけど(←お前やっぱヘタレか!^^;)、でもDVDは買っちゃおうかなぁ~だったらもう1回位は劇場に観に行けやw
コメント (6)
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