09年12月号「ホーム・スイートホーム」はこちら。人事異動で職場が変わったので使い回しが多くてすみません
給料が全額振込になっている人(好き)でも、今月の給料袋はわりとふくらんでいます。たくさんの書類がつめこまれているから。人によって中身は違うのですが、多い人だと
1.給与明細書
2.源泉徴収票
3.学生協発行の控除金明細書
4.旅費口座振込案内
5.そしてこの「明細書を見ろ!」
……の5種類。言うまでもなく最も重要なのは源泉徴収票です。この紙っきれは、給与所得者としてのあなたのほぼすべてを数値化しています。そのため、金融機関に借金を申し込むときや、確定申告(退職すればいやでも毎年することになります)の際に必ず提出を求められるぐらい。だから少なくとも来年新しい源泉徴収票をもらうまでは確実に保管しておけ、と毎年厳命しているのに、毎年絶対にひとりは紛失してくれます。学校版マーフィの法則。
さて、景気の悪い話ばかりで恐縮ですが、今月もみなさんの給料は変動しています。解説しましょう。
・義務教育教員特別手当
70年代初め、田中角栄が「孫(つまり真紀子の息子)の学校を見てると、近ごろの公立小中学校のセンセイの質は悪いんじゃないか?」と言い放ったおかげで、後藤田正晴などが奔走して(実は組合対策の意味合いもあって)できあがったのがこの手当。号給によって支給額は違いますが、おととしまではほぼ3.8%に見合う額が支給されていました。それが去年から3.0%に落ち、さらに今月から2.2%程度に引き下げられています。
問題は、です。この引き下げは今回で終わるはずだったのに、どうやらもうワンランクさげようとする動きが見えています。ご注意を。
・給料の調整額
特別支援学校の教職員および特別支援学級の教員を対象に支給されているのがいわゆる『調整額』。支給額は“調整基本額”“調整数”など、わかりにくい形になっていますが、まあ給料額の6%程度でした。それが、調整数を「2」から「1.5」に変える(→×0.75)ことになったので、4.5%の支給にとどまっています。こちらも、どうやらもっと下げたいとするベクトルがはたらいているようで、来年は調整数を「1.25」まで落とすのではないかと噂されています。ほんとに、いい話がないなあ。
画像は「火村英生に捧げる犯罪」有栖川有栖著。
短くなればなるほど有栖川の作品は本格推理のパロディ化がすすむ。常に本格とは何かを意識している彼にとって、短篇とは方法論を試す場なのだろう。その意味で楽しい。
10年2月児童手当号~「児童手当と子ども手当PART2」につづく。