意外なことにアメリカでは5月3日公開だから日本の方がちょっと早い。発表されたばかりの週末の全米週末興行成績は1億7千万ドル超で、史上2位の成績(1位はもちろんアベンジャーズ)。ヨーロッパや中米でも大ヒットしているのに、日本は“Slow Start”と表現されて(Box Office Mojo)2週目のコナンに負けてます。
これ、まっとうな数字だと思うんですよ。1作目と2作目は確かに面白かったけれど、アメコミ映画が日本では当たらないジンクスをくつがえすまでには至らなかった。それが去年のアベンジャーズの狂騒にどこまでひっぱられるのかと……そうなんです、わたし、あのマーベルまんが祭りの馬鹿ヒットがどうにもわからなくって。笑えたのは最後のダイナーのシーンだけだったのよね。
ただ、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソー、インクレディブル・ハルクといった、いわゆる正義の味方たちが、だからこそまじめで面白みに欠けるやつらだったのに比べ、常に皮肉で自虐的ジョークを忘れないアイアンマンが出ているシーンだけは他と温度が違った。
そんなアイアンマンがですよ。今作では、エイリアンや神まで出てきたあの戦いのせいで不安神経症になってるって……おいおい、シャレがきつすぎるだろ。もちろん、その設定も最後の最後にギャグにされて……あわわわ、ネタバレになってしまう。
「世界平和を民営化した」とまで豪語した能天気な男は、ビン・ラディンそっくりの悪役を挑発するためにカメラに向かって自宅の住所まで公開。で、もんのすごい攻撃をくらって自宅崩壊。「ぼくがバカだった」当たり前だ。
それでもなおこの映画が魅力的なのは、もちろん主役のロバート・ダウニー・Jr.のおかげ。グウィネス・パルトロウでなくても許しちゃうか。で、おれも許すから「アベンジャーズ2」はもっとまともな映画にしてくれよ。まともに、ってのはいっぱいジョークをかませよって意味だからな。