第十九話「慶喜の誤算」はこちら。
前回の視聴率はそれでも健闘して15.0%。「イッテQ!」の、あの大島のパフォーマンスがありながらこの数字は立派だと思う。
いよいよ運命の1868年。いくら歴史に暗いわたしとて、この年が近代において重要な位置を占めているぐらいのことは承知しています。というか、子どものころ(1968年)に、明治百年の記念式典が行われたことを妙におぼえていて、そうか百年前が区切りだったのかーと思ったのでした。
さて、慶喜は大政奉還、西郷と大久保と岩倉が王政復古という札を切り、次の一手は慶喜が大阪に引っ込むというもの。どうだ、うまい手だろとどや顔の最後の将軍は、しかし江戸で争乱を仕掛ける西郷の王手飛車取りに苦しむ。
えーと、この流れだと薩摩の挑発にのってしまったのが庄内藩ということなので、わたしらは先が読めない連中だったということですか(笑)。もっと深読みすると、おかげで明治維新がなったとして西郷は庄内藩を後年に救ったとか。あ、地元にいられなくなる。
しかしここで重要なのは、徳川慶喜を、味方の(特に会津の)暴発をおそれ、ここでいくさをしかけなければ自分が殺されるとおびえる人物としたことだ。ここまで彼をチキンに描いた大河はなかったのではないだろうか。なんか、いかにもありそうですけどね。一橋家の方々から文句は出ませんか。
MEGUMI登場。旦那とはからまないにしろ同じドラマで共稼ぎ。それにしても彼女の役にはびっくり。このドラマの女性は死ぬか離婚するか後妻になるかなんですか。
で、そのMEGUMIの私生活での旦那である人斬り降矢建志はのちに学校事務職員になり(!)、MEGUMIの夫の前妻である市川実日子は……あ。このあたりはまたいずれ。
八重は今回、武骨な歌を詠んだだけ。しかしまもなく……
今回の視聴率は伸びると思います。怒濤の展開が暗示され、女性たちがその陰で忍従するという黄金パターンだから。関西の方の市長が喜びそうだな。15%台後半と読みました。今日観てきた「探偵はBARにいる2」でいい味を出していた松重豊、篠井英介、筒井真理子がおすまししていてそれだけでも笑えました。
第二十一話「敗戦の責任」につづく。