第34回「理想の結婚」はこちら。
突っこみどころ満載の回。
思い悩む源実朝を、和田義盛(横田栄司さん早く元気になってください)は、とある老婆のもとへ連れていく。
「なんでも占ってくれるんだ。これがよく当たるんだ」
おっとぉ、坂本スミ子が生き返ったのか!まるっきり「楢山節考」における緒形拳のお母さんじゃないか。
「これ、誰だろう」
「ほら、さっきキャストに出てたじゃない。大竹しのぶでしょ」と妻。
ほえー。大竹しのぶもすごいけれども、特殊メイクの江川悦子さんはさすがの腕前。深緑野分の「スタッフロール」のモデルを、わたしは勝手に江川さんに決めて読んでました。
にしても大竹しのぶの登場をまったく予告しなかったNHKも、エッセイでもばらさなかった三谷幸喜もえらい。できることなら、彼女をもう一度登場させて「いだてん」の時のように
と言わせてほしい。
さて、ヤヌスのように裏表がある義時の妻、のえ(菊地凛子)。彼女を初めて三浦義村(山本耕史)に紹介する。縫い物をしていたというのえだが……
「指に飯粒がついていた。握り飯を食べながら裁縫をする奴がいるか」
さすがに女を怜悧な眼で見ています。しかしこのふたりが向かい合うと、坂田銀時とメフィラス星人の対決って感じでうれしい。
さて、のえもたいしたタマで、男子を生んで北条家の家督をゲットすると息巻く。
「そうでもなければあんな辛気臭い男に嫁ぎません」
大河の主役を“辛気臭い”とは前代未聞じゃないか(笑)。
第36回「武士の鑑」につづく。