事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

光る君へ 第32回「誰がために書く」

2024-08-26 | 大河ドラマ

第31回「月の下で」はこちら

今回のタイトルを「たがために」とみんなが読めるのは、あのヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」のおかげだと思う。で、あの名作をみんなが知っているのは、映画のおかげもあるはず。イングリット・バーグマンとゲイリー・クーパーのやりとりが今でも鮮烈だ。

Where do the noses go? I always wondered where the noses would go

「キスをするときに、鼻は邪魔にならないの?」

スペイン市民戦争の最中におけるやりとり。泣ける。んで、ご存じのように鼻は邪魔にならないです。あなた、なりました?ついでに言えば、あの和田誠さんは英語教師が原題の

For Whom the Bell Tolls

For Whom the Bell Rings

と語ったことでその教師への尊敬を一切失ったらしい。怖い怖い。

さて「光る君へ」だけど、読者として帝を想定して書き始めた「源氏物語」なのに、もう紫式部にとってそんなことはどうでもよくなっている。作家の業とはそんなものだという大石静さんの宣言だろうか。誰のためにでもない。自分のために書く

陰陽師である安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が逝く。藤原道長に、これからの圧倒的な隆盛を予言して。

確かに、これから道長にはいいことばかりが起こる。欠けることもない月に自分をなぞらえるくらいに。

教室の後ろのほうに年表が貼ってあって、平安時代はやけに長い。400年ぐらい続いたのだから。ああ平安な時代だったんだろうなあと子どもたちは思う。わたしもそう思いました。しかしその内実はこのように政争の連続だったわけで……怖い怖い。

第33回「式部誕生」につづく

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今月の訃報2024年8月号PART1 石川好(よしみ) 77歳没

2024-08-26 | ニュース

小原乃梨子篇はこちら

わたしは山形県酒田市の人間だから、彼のことはまず酒田市美術館の館長として認識している。彼がどのような経緯で館長に就いたかは判然としないが(想像はできます。この美術館の収蔵品が誰のものかを考えれば)、彼のような著名人が来てくれたことが素直にうれしかった。

というのも、矛盾するようだけれど、わたしにとって、彼はやはり「朝まで生テレビ」の人だったからだ。極端なサヨクでもウヨクでもなく、大島渚のように怒鳴るでもなく(笑)、一歩ひいて冷静な発言をするのが石川好という人だった。

山形新聞のコラムに彼のことが紹介されていて、1985年にPL学園の野球部を取材しに行って、さぞや猛練習をしているのかと思ったら、グランドには中森明菜の曲が大音量で流れ、桑田真澄は芝生に寝っ転がっていたそうだ。

しかし自主的に淡々とノルマを自らに課す桑田を擁したPLは、その年の夏の甲子園で東海大山形を29-7という記録的な(というか記録だけど)スコアで破ることになる。まあ、清原までマウンドに立たせる展開は、それはそれで面白かったわけだが。

田中敦子篇につづく

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