2020年2月号PART4「お楽しみはこれからも」はこちら。
「盤石な医療体制を構築していきます」
「今回のウイルスについてはいまだ未知の部分がたくさんあります。よく見えない、よくわからない敵との戦いは容易ではありません。政府の力だけでこの戦いに勝利を収めることはできません」
わたしは今回の騒ぎのなかで、絶対に言ってはいけないキーワードは「戦い」だと思っていた。
で、予想どおり情緒的なコメントに終始するこの国の首相は言っちゃってる。一種の責任回避の方法だと透けて見えるのにやっぱり言っちゃう。専門家の知見をもとに、粛々と対応するのがベストであることは誰もが知りながら(きっと当人だって知りながら……いやそうでもないのかな。あの人は知識とか知見とかって大嫌いだろうしな)やっぱり言っちゃう。
戦いである以上、勝たなければいけない。で、国民はどうしたか。
トイレットペーパーやティッシュペーパーを買いに走ったのだ。
きっとこれだって自分が見当違いなことをしているってのはわかってるでしょう。だけど我慢できない。不安で仕方がないから。負けてたまるもんか。
いまいちばんいけてない行動が、スーパーやドラッグストアでトイレットペーパーを買うことだとは多くの人たちが理解しているはず。でも行っちゃう。不安だから。なにかしないではいられないから。だって戦いだから。
国が、荒れているんだと思う。
本日の1冊は森見登美彦の「ぐるぐる問答」(小学館文庫)。創作するということはなんなのか、この人はほんとに意識的なんだなあ。
PART2「3000回」につづく。
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