事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「八つ墓村」がわからないPART11

2012-06-03 | 映画

PART10はこちら

Yatsuhakamuraimg11 ああまどろっこしい。もちろんこの連続殺人事件の犯人は美也子(小川真由美)である。

実は金田一もそのことに気がついている。それなのに、彼が探偵としてやっていることは寺巡り。これが、松竹版の弱みであり、同時に“そうでなければならないこと”だったのだ。

村人は辰弥を追って鍾乳洞を取り囲む。出れば私刑になることは自明なので、金田一のアドバイスはまるっきり無効だというわけではない。しかし鍾乳洞には美也子がいる!

金田一はのんきに警察や村人に解説する。この犯人が意図したものはなんだったか。要するに金の問題だったのだと。美也子の生活は華やかに見えるが、実は事業が行き詰まっていて、多治見家の財産を手中におさめようと……

すごくないですか。遺産を手中におさめるためには、久弥、小竹、小梅、久野、そして春代と辰弥がいて、自分の亡くなった夫の家にまわってくるのは彼らがすべて亡くなってからなのだ。全部殺すってのは……あ、そうか。だから辰弥さえ自分のものにすればよくなったから金田一は油断していたわけだ。美也子が辰弥を殺すはずがないと。いま気づきました(笑)。

でもそれなら、おじいちゃんである丑松や久弥を殺す理由は……つまり美也子は最初はやっぱり八つ墓伝説を利用して多治見家全員の殺害を意図していたけれど、途中で辰弥をものにすればいいのだからと(すいませんまた下品な表現で)、じゃなかった、辰弥を愛してしまったものだから路線を変更したということでいいのかな?そのあたりがよくわかんないんだよなぁ(当初は本気で辰弥がじゃまだった?)。

いずれにしろ、鍾乳洞のなかで辰弥と美也子は愛し合う。フェロモンぶちまけまくりの小川真由美が美しい。しかし観客みんながいっせいに「気づけよ!」と思った瞬間に辰弥は指の怪我を見てすべてを悟る。美也子も、自分の犯罪が辰弥に知られてしまったことをそこで感づき、恐怖の追跡劇が始まる。以下次号

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうですね。本作の小川さんとても美しいです。女... (雨止み)
2013-11-27 22:38:18
そうですね。本作の小川さんとても美しいです。女優冥利に尽きる撮られ方だったのでは…。この方映画「復讐するは我にあり」では人間の内臓をむき出しにしてる様な演技をしてましたね(映画館で男の素性を知って狂乱する場面とか)。
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そうなんですよね。とにかく美しく撮られている。 (hori109)
2013-11-28 22:56:34
そうなんですよね。とにかく美しく撮られている。
当時、彼女は女優として売れてはいたけれど、
格として微妙。
そこをこの大作出演と大ヒットでのりきったわけ。
小川の娘は不満だったようだけれども(笑)
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先日劇場で「陽だまりの彼女」を観ました。恋愛ファ... (雨止み)
2013-12-04 19:18:03
先日劇場で「陽だまりの彼女」を観ました。恋愛ファンタジー物ですが何か「復讐するは~」に似た興奮を与えてくれる作品だと思いました。「八つ墓~」も毒入りお祝い御膳を乗せた黒いお盆や耳に残る音楽が同じ効果を出していると思います。
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松竹と言うと「神様がくれた赤ん坊」「看護婦のオヤジ... (雨止み)
2013-12-20 18:04:19
松竹と言うと「神様がくれた赤ん坊」「看護婦のオヤジがんばる」等ヒューマンドラマ物の映画が思い浮かびますがたまに他社の様に「八つ墓~」とか娯楽大作も出せれる所だと思いました。劇場で観た鍾乳洞の映像は今でも私の目の奥で適度に浮かんでおります。
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うっわー「神様がくれた赤ん坊」とは渋いとこ突く... (hori109)
2013-12-22 17:11:35
うっわー「神様がくれた赤ん坊」とは渋いとこ突くなー。
“とんがってた”女優である桃井かおりが、松竹人情喜劇に
出るのは当時としても違和感あったんだけど、あれだけの
作品に仕上がっていたので納得。
彼女には脚本を読むチカラがあったんでしょうね。
あ、なんと荒井晴彦の名前がっ!

にしても、わたしも「陽だまりの彼女」は気になっている
んですが、やっぱ五十男が一人で見るのは……ねえ?
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horiさんコメント返しありがとうございました。映... (雨止み)
2013-12-22 22:48:51
horiさんコメント返しありがとうございました。映画「陽だまり~」はどの年代の人でも観れる作品だと思います。「八つ墓~」とは違う松竹版の横溝物を観てみたいのですが現在の松竹にそれが出来る人がいるのでしょうか(笑)。
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今は亡き三國連太郎さんが映画「釣りバカ日誌」の本... (雨止み)
2013-12-26 17:54:07
今は亡き三國連太郎さんが映画「釣りバカ日誌」の本なんとかて監督さんを「才気がある」て漫画雑誌(スーさんが大型バイクを運転するシーンの写真が載ってました)でコメントしてました。この人なら今風の松竹版横溝物が作れる(?)かも知れないですね。題材は「仮面舞踏会」か「不死蝶」でどうでしょうか(笑)。
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わたしは本気で「本陣殺人事件」を映画化してほしいと (hori109)
2013-12-28 20:49:55
わたしは本気で「本陣殺人事件」を映画化してほしいと
願っています。ATGのときの金田一は中尾彬でしたが(笑)
もっと草食系でいいので。
だってあのトリックは、映像にしてくれないと
よくわからない!
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「本陣~」はJETさんが漫画化したののが読み応えある... (雨止み)
2013-12-29 03:59:42
「本陣~」はJETさんが漫画化したののが読み応えあると思います。この方(女性です)「八つ墓~」ももちろん手掛けてて要蔵が山崎努風でした。
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あ、もうコミックになってるんだ。 (hori109)
2013-12-29 20:27:12
あ、もうコミックになってるんだ。
あの“花嫁”は確かにコミック向けかもしんないですね。
納得。
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