具体的に作品をあげて考えてみよう。あの表の中の作品がまず何故放送禁止なのか。松方弘樹や梅宮辰夫の歌が、当時の彼らの芸風(笑)からして反社会的団体(ま、やくざですわな)を称揚する部分を含み、ために公共の良俗に反する、とされたことはまだわかりやすい。民放連のガイドラインでいえば「違法・犯罪・暴力などの反社会的な言動を扱い、共鳴をおぼえさせ、もしくは好奇心をいだかせるおそれのあるものは使用しない」に該当しよう。なぎらけんいちの「悲惨な戦い」は、知っている人は知っていると思うが、
♪私はかつてあのような 悲惨な光景を見たことがない
それは10年以上も前の 国技館の話です
片や巨漢の雷電と 片や地獄の料理人若秩父が
両者見合って待ったなし ガップリ四つに組んだその額からは
玉のような汗がダラリンコンと流れ出してきて
若秩父のマワシをしめ出すのだった
この湿ったマワシがいずれ あの不幸な事件を巻きおこすとは誰しも
あの 世にも恐ろしい戦いになるとは 誰しも思わなかったのだった
全く引力とはおそろしいもので 地上に浮いている物は下へと
落っこってしまうのだから アレヨアレヨと思うまに
若秩父のマワシは 落ちた (以下略)
……こんな具合で、当時(73年)中学生だった私は身をよじって笑ったものだった。つぼいノリオの「お万子鹿にさわる」「金太マスカット切る」(声に出して読まないでね)のフレーズとともに、「卑猥・不潔・下品・愚劣など、不快な印象を与えるものは使用しない」(同ガイドライン)のど真ん中なわけだが、しかし……
あ、著作権法を無視しまくって引用していたらまたこんなにスペースを。これはシリーズ化します。次回を待て。それにしても、さだまさしや原由子はなんで放送禁止なんだ?
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