「映画見に行こう、月」
「それ、どんな映画なの?」
「障害者施設の職員が、入所者を殺しまくるという」
妻は気が進まないみたい。鶴岡まちなかキネマの駐車場で、たまたまいっしょになった知り合い姉弟がやってきて
「じゃ、こっち観ましょう?」と「おーい、どんちゃん」をすすめる。
「あたしこっち」
妻を拉致されてしまいました(笑)。
「伍長、んで月は」
……見終わって駐車場で待ち合わせた妻は「どんちゃんってすばらしい映画だったわー。心が洗われたもの。そっちは?」
深い森の中にある障害者施設。デビュー作が評判になった過去をもつ作家の洋子(宮沢りえ)は、ある理由で書けなくなっていて、その施設に就職する。彼女の通勤する道には蛇などの不吉な生物が蠢いている。
職場は壮絶なものだった。障害者の行動は想像を超えており、職員はそれに虐待で応える。
同僚である陽子(二階堂ふみ)は小説家をめざしているが、自分の才能に絶望している。同じヨーコという名の作家に、「きれいごとを書いてたわけじゃないですか!」と指摘するが、確かに洋子が書けなくなったのはそのせいだったのだ。
この職場がおかしいと指摘した職員がもうひとりいる。絵の上手な、さとくん(磯村勇斗)だ。しかし彼は同僚たちから余計なサービスをするなと批判され……以下次号。
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