「真田丸」が終わってしまった。この虚ろな心をどうやって埋めよう。ということで堺雅人主演の作品を見て自らを慰めることにする。まずは「半沢直樹」。最終回の視聴率が42.2%という馬鹿げた数字を叩き出したお化け番組。
もっとも、大河以外のドラマをリアルタイムで見る習慣がないので(ほんと、マジでレコーダーぐらい買おうよ)「へー、すごいなあ」と思いつつも一度も見ていませんでした。今ごろ見た人間に語られたくはないでしょうが、まあ聞いて。
このドラマにおける最大の疑問は、その視聴率がなぜこんなに高かったのか、だろう。もちろん、「家政婦のミタ」(こちらも見たことないです。すみません)と同様に、ブームがブームを呼び、火がついたらもう手がつけられなくなった……のと同じパターンだろうとは思う。
でも、「半沢直樹」はドラマ不況のさなかに、初回から19.4%もの視聴率をゲットしている。お堅い経済ドラマというくくりで視聴者はとらえていなかったことがわかる。なんらかの「面白そう」と感じさせるパッケージングを身につけていたわけだ。主演の半沢直樹に堺雅人、その妻に上戸彩、敵役が香川照之、キャストのトメが北大路欣也という布陣はむしろ地味なくらいなのに。
原作は池井戸潤の「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」。その、半沢の同期を演ずるのは及川光博と滝藤賢一。地味でしょ。「マンハッタンラブストーリー」のベッシーと、「SCOOP!」で泣かせた滝藤をつかまえて地味もないものだが。
その脚本と演出作法は、ともに「真田丸」と真逆なのに気づく。対比して、考えてみよう。まずは“回想”だ。以下次号。
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