PART6はこちら。
多治見家の屋敷で待ち受けていたのは不気味な双子の老婆たち、姉の春代、そしてもうひとり、病床に臥す兄の久弥。山崎努が要蔵と二役を演じている。弱っちい久弥と狂気の要蔵の両方を演じることができて山崎にとってはおいしい。
彼は辰弥を見るなり、多治見家にはめずらしくいい男だと満足げ(伏線)。咳き込んだので叔母に薬を強要し、久野医師が調合した粉薬を飲んだ途端、久弥は吐血し絶命する。第二の殺人である。またしても毒、またしてもいつ死んでもかまわない殺人。
奥の離れで休むことになった辰弥だが、なかなか寝つけない。外を見ると、小竹と小梅がろうそくを持って土蔵に入っていく。
このあたりも怖いです。腰の曲がったおばあさんが二人、縦列でヨタヨタと歩いていく姿はかなり不気味。原作を読んでいたときもかなり怖かった。でも辰弥までびびりまくりでは話がすすまないので、彼はばあさんたちの後をつける。すると、土蔵には鍾乳洞につづく通路があり、辰弥が進んでいくとなかにはなんと鎧武者がっ!
ネタバレになるけれど、この武者は行方不明になっていた要蔵が死蝋化したもの。つまりミイラなのだ。
横溝正史がつくづくうまいと思うのってこういうところ。じめついた鍾乳洞、不気味な双子の老婆、まるで生きているかのような鎧武者……怖い要素をてんこ盛りにつめこんであるし、映像化しやすい。
「本陣殺人事件」における密室トリック、「獄門島」での鐘の消失、「犬神家の一族」の佐清のゴムマスクなど、一度見たら観客は忘れられないはず。
金田一耕助シリーズが絶え間なく映画化、テレビドラマ化された理由がこんなところにも。まあ、よく考えると要蔵が鎧を着けなければならない理由はないのだが。
さて、なぜか都合よく辰弥のあとから鍾乳洞に入ってきた春代の解説が始まる。要蔵は三十二人を殺したあと、叔母たちを頼って家に戻り、鍾乳洞にかくまわれたのだろうと。しばらく生きていたのは、双子が食べ物を運んでいたからであり、死んだのは双子によって毒殺されたのではないか……
辰弥、いいかげんに気づけよ。この家はまともじゃないぞっ!以下次号。
人は怒りますよ(笑)
だってあれは外見が悪いわりにおいしいってのが売り
なんですから。
にしても山本陽子の起用は驚きました。
もっと驚いたのは彼女の実生活での恋愛遍歴の方だった
んだけど、そのころはわかりゃしませんもの(^o^)
もうちょっと大御所感があってもいいと思うんだけどなー。
ひょっとしたらまだ恋愛現役バリバリなのかしら。