第三十回「黄昏」はこちら。
前回の視聴率は14.5%と過去最低。そのかわりにいつもの時間帯の都知事選の開票速報は20.0%。やっぱり娯楽なんだね都知事選(笑)。
ちょっと驚くような候補者が何人もいたし、考えてみれば自分の主張を全国にかまそうと思えば、国会議員や地方議員よりも都知事に立候補する方がよほど効果的。おまけに守旧派とみなされるあの人やあの人が、まるで応援団のように当選したあの人に悪口をかますのだ。そりゃー面白いわな。やれやれ。
さて「真田丸」。秀吉の最期。先週、花咲か爺さんを演ずるために木から落ちて一気に老けこむという設定で気づくべきだった。大河ドラマが大好きだった三谷幸喜が「花神」(花咲か爺さんのこと)を無視できるはずもなく、時代に花を咲かせ、本人はあっという間に消えていくという秀吉のモデルに大村益次郎(中村梅之助)を持って来たのかと得心。
あの大河はよかったなあ。おかげで吉田松陰はわたしのなかではいつまでも篠田三郎だし、緒方洪庵は宇野重吉。伊藤博文は尾藤イサオっしょ!
その当時、匂うように美しかった岡江久美子に、初夜で絶対に溺れないと決めた高杉晋作(中村雅俊)に、なんともったいないと思った高校生はわたしです。
今回は三谷のハリウッド志向が露骨に出た回。枕頭のロウソクの灯が秀吉の命の象徴であるあたりがまるでオー・ヘンリーの「最後の一葉」で、それをあっさり吹き消してしまう小早川秀秋という設定はうまい。例によって関ヶ原の帰趨をイメージしたダブルミーニング。落語の「死神」でもあります。
家康暗殺に絶対の自信を見せる出浦昌相(寺島進)の刃を鈍らせたのが、“徳川の人間”である昌幸(大泉洋)である設定も、これ以外にはありえない。
ディープな史劇をお求めの方にはむしろ怒られる回かもしれない。でも、わたしはオープニングの「作 三谷幸喜」の字幕だけで興奮するファンなので、どうかご容赦を。今回の視聴率は視聴習慣が途切れがちなのと、オリンピックがらみで16%台と読みました。
第三十二回「応酬」につづく。
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