PART5「おじいちゃんおばあちゃんがいる」はこちら。
山形県の教育についても、よそ様に言われなければわからない指摘もあった。
「勉学に力を入れ始めるのが、中学後半から高校時代にかけて。山形県民特有の見栄っ張り気質が出てくるのはここからで、田舎だから出来のいいヤツは公立進学高行きが既定路線となる。
東北一のインテリ高とのうわさまである山形東高を頂点として、山形南高、山形西高、米沢興譲館といった公立進学校に入学し、そこから地元の山形大はじめ、東北トップの東北大、あるいは首都圏の名門大学へと進む流れがいわゆるエリート路線となる。
とはいえ、エリートの多くは山大進学よりも首都圏行き、仙台行きを選ぶ。通常、田舎じゃ地元の国立大学入学はエリートコースの最たるものだが、そこは出稼ぎが文化の山形らしく、卒業しても県内に魅力的な就職先がないので、外に出て行ってしまうのである。」
……み、みもふたもない書かれよう。しかしそうなのか、山形の常識って他では通用しないのか。他の府県って、地元の国立大に行くのがエリートコースなの?いや山形だって地元志向の強い学生、あるいは保護者の意向が影響して山大に進む成績優秀者も多いはずだが、その度合いが違うということなのだろうか。
わたしは酒田の人間なのでよく知らないでいたのだが、内陸における山形東ブランドはかなり強力らしい。北は最上から南は置賜まで、通学範囲はとてつもなく広い。出身者と居酒屋のカウンターで隣り合ったとき
「で、もしも山東を落ちたら、どこにいくつもりだったの?」
と素直に質問すると
「浪人するつもりでした」
つまりエリートである彼にとっては、山東しか目に入っていなかったのだ。ひえー。しかしそうなると、山南や米沢興譲館あたりとの関係性は微妙なんだろうなあ。定員割れ寸前にまで落ち込んだ酒田の某高出身者であるわたしには、およそ理解できないお話でした。
これってしかし、進学を目的とした中高一貫校や私学が登場すると、状況は一変するのでしょう。庄内だって他人事ではないのである。第一、山東に県が金をぶちこんでいるのは、優秀な官僚を育ててこっちに金を持ってこさせようという深謀遠慮もあるらしい(笑)。以下次号。
本日の1本は「逃亡者」もちろんキンブル医師(ハリソン・フォード)の逃亡劇である以上に、追跡するジェラード保安官(トミー・リー・ジョーンズ)の物語。最高のキャラでした。
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