PART1はこちら。
尾崎将也が書いた「結婚しない男」は初回から視聴率20%超え。阿部寛人気もあったとはいえ、この数字はすごい。火曜10時の関西テレビ枠の信用度だけでは片づけられない何かがあったんでしょう。
と他人事なのは、もちろんその頃もテレビドラマをワンクールきっちり見る習慣がなかったからです。でもその評判は伝わっていたし、DVDをレンタルして一気に見るのも一興かと……面白かったー!今さら何を言ってんだとお思いでしょうが、6年前のテレビドラマを今さらながらに特集しております。
設定がまず泣かせる。主人公の桑野(もちろん阿部寛)は建築家。サラリーマンではないので、上司との衝突、取引先との軋轢をドラマのメインにしなくてもいい形。そっちはプロデューサーの沢崎さんにある程度まかせられるし、演じているのが美女の高島礼子なので恋愛系の柱が一本立つ。
彼は高級マンションにひとり暮らし。妹(三浦理恵子)は友人の院長(尾美としのり)と結婚し、母親は二年前に夫を亡くしてからやはりひとり暮らしをしている。
母親を演じる草笛光子がとにかくすばらしくて、偏屈な息子に悪態をつきながらも(息子からはそれ以上の悪態が返ってくる)彼の行く末を案じている微妙さがいい。桑野のまわりには(なにしろドラマだから)たくさんの美女が登場するけれど、その美女たちに敗けてはいけない役なので大御所が必要だったわけだ。
桑野の日常は完全にルーティン化している。オフィスを出ると、ツンツン頭の店員がいるレンタルビデオ屋に寄り(アダルトコーナーにどうしても寄れないあたりは桑野がゲイではないことの強調)、コンビニでちょっとかわいい店員に
「スプーンいりますか?ポイントカードありますか?」
と訊かれ(ツンツン頭とこの店員は、のちに結婚することが暗示され、桑野を心理的に追いつめる)、マンションでは隣家の迷惑もかえりみず大音量でクラシックを流し……その隣家に住んでいるのは、おじさんが海外にいる間だけ住まわせてもらっている普通のOLみちる(国仲涼子)と愛犬ケン。
しまった。PART2までやったのに肝心のヒロインがまだ出てこない!以下次号。
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