山形県の学校の場合、天引きは長いことこんな形でやってきた。
1.給料日ごろに山形県学校生活協同組合から【重要書類】として電算で引き去りされる所属控除の明細が送付される。生協のお買い物や団体扱いの保険料、そして組合費等がコンピュータで打ち出されている。よけいな話だけど新採のとき、私はこれの存在の意味がわからず、ほっぽり投げていて給料日にあせりまくった。
2.この書類は2部複写になっていて、事務職員はその学校における給食費だの職員クラブだの旅行積立だのを手書きで記入。電算打ち込み部分との合計も記入。
3.その合計を給与報告の際に所属控除金報告書として教育事務所に提出。各職員の引き去り合計と電算引き去り+現金引き去りの合計が合わないのは事務職員としてまことにはずかしいこととされていた(わたしは何度もありましたー)。
4.翌月の給料日、電算引き去りの部分がすでにさっ引かれた給与が各校の給与口座に送金され、学校においては手書きの部分を事務職員が処理する。
5.職員には給与の明細書とは別に例の2部複写の控除明細のうち1部が給料袋に入れられて「あんたの今月の引き去りはこんだけ」と“周知”したことになる。鹿児島の人事課長が「給与明細を受け取る際の受領印で了解を得ており、周知されている」と言い訳したのはこのことを指しているのだろう。あるいは給与明細に直接『私用電話料』として印字されているか。どっちにしてもムチャだけど(笑)。
現在は新給与システムになって、共通項目だの所属控除だのでもっとスマートに引かれるようになっていて、“なんでも共通項目派”である私は、控除の金を現金でおがむことはすくなくなっている(このへんは事務職員じゃなきゃわかんないよな)。でもまあ、基本的には前とおんなじ。
給与振込が導入される当時に話題になったのだが、たしか北海道の教職員組合が所属控除の反対運動をかつてくりひろげたらしい。
何でだ?わたしはほんとうに分からなかった。わかい頃はこれもサービスの一環、と学年費まで明細書に書き込んで引いてやったりしていたのである。
でも今ならわかる。“天引き”は明らかに他人の給料袋に手をつっこむ行為だし、50円事件のようにその引き去りにキチンと同意を得たのか、という前提がうやむやなままに事務職員が引き去るとすれば、これは事務職員が給与にたいして傲慢になっているか、単に不感症になっているということじゃないだろうか。
あ、そうか。『こんなものいらない-転出書類篇』で、いつもわたしが破り捨てているともらした、職員から事務職員へ提出させる所属控除金控除依頼書って、こんなことのためにあったんだなあ……今さらよけいな事務を復活させようとは思わないんだけどさ。傲慢。
それからもう一つ。このテの徴収金って、学校事務職員が不正を行う際にもっともねらいやすい性格の金らしい。職員クラブとか旅行積立とかね。むかぁし、女房にわたす給料の額をごまかすために、事務職員にたのみこんで変な控除をやってもらった教員の話をきいたことがあるけれど、そんな小細工、一歩踏みだせばそこは横領の世界。くわばらくわばら。
画像は「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」The Mummy Returns (米 ’01)
思い切りテキトーな脚本、ノー天気な役者たち。主人公のバカな義兄は「ザ・ハリケーン」で、妻は「スターリングラード」でそれぞれシリアスないい演技を見せていたのだが。でもそんなことを責めても仕方がない。これはとにかくSFXのためにドラマが奉仕する映画なんだから。前作よりもずっと面白かったし、私は許す。
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