きっとわたしには合わない作家だろうと勝手に思い込み、「蛇にピアス」をはじめとした諸作を一冊も読んでいない。しかしこの作品はタイトルからもわかるように、コロナと切り結んだ内容になっていて、ぜひとも読んでみなくてはという気に。
五つの短編から成り、ほとんどが女性主人公の独白体で語られる。複数の登場人物がストロングゼロを飲み(サントリーのこのチューハイは依存性が高いことで有名)、貪欲にセックスに淫し、あるいはコロナに過剰に反応する。自身が壊れていくか、相手の男が壊れるか、あるいは双方がぶっ壊れていく。
まるでギャグではないかと思うくらい直截なセックス描写と、救いなく追いつめられていく登場人物たち。確かにわたしに向いていない作風ではあるけれど、抑圧的なコロナの世を描くには、ここまで突き抜けていなければならないのかもしれない。
表紙はデヴィッド・リンチが撮ったヌード写真。はまる。
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