第31回「トップ・オブ・ザ・ワールド」はこちら。
ロス五輪で大活躍した水泳選手団を、日本国民は大歓迎で迎えた……だけではなかったのが今回のアバンタイトル。
東京市長は前畑秀子に、なぜあと1/10秒縮めて金メダルをとらなかったと責め、叱咤激励という名の告発のような手紙も山のように届く。
かつて千葉すずが「メダルき×がい」と失言した国民性、前にも紹介した札幌オリンピックの70m級ジャンプで優勝した笠谷幸生が90m級で失敗したときに「バカヤロー」と叫んだ観客の心根……その萌芽はこのころから。
さて、今回のタイトルは「黄金狂時代」につづいてチャップリンの映画から。こうなると次は「殺人狂時代」ですか。どんなお話だ。
ヒトラー、ムッソリーニなど、トップダウンの極致とも言える政治体制を構築した彼らは、オリンピックというスポーツの祭典を政治的に利用しようとする。頭のいいスタッフにとって、独裁者という存在はとても便利なものだったはず。まあ、誰とは言いませんが、今だって言いたい放題のトップに右往左往しながら、ほくそえんでいる人間も多いに違いないぞ。
そんななか、東京招致をめざす途上で岸清一が急逝。演じた岩松了が本人にあまりにそっくりなので妻は驚いている。わたしは岸のお孫さんが演出の大根仁にそっくりだったので笑ってしまいましたが。
そういえば、東京市長を演じたイッセー尾形も現実の永田秀治郎にそっくり。他にもそっくりさんキャストはたくさんしこんであるのかも。
さて熊本。相変わらず走っている金栗四三のもとへ、九州を走って一周しようという青年が訪ねてくる。お遍路さん九州バージョンですか。
おお、あいつじゃん!「ゆとりですがなにか」で最凶最悪の部下を演じたあいつじゃん!四三は「じゃあ」と自分も走ると……こらこら、また奥さんを妊娠させといて軽く出かけるなよ。大竹しのぶが黙ってないぞ(笑)。
田畑政治は“地味な女”菊枝と結婚。あいかわらず田畑の意味不明な言語を彼女だけが理解しているあたりがおかしい。
今回泣かせたのは、岸清一の片方の目だけが二重まぶたになるあたり。そのことに、唯ひとり気づいた人物も倒れてしまう……
第33回「仁義なき戦い」につづく。
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