うちの司書がこの本を事務室に持ってきてくれて
「読みます?」
まったく知らない本だった。
「東京創元社の本だから、お好きかと」
「読みます」
そりゃ、東京創元社と早川書房の本なら何でも読むさ。
冒頭のエピグラフ。
生命と進化のゲームでは、人間、自然、機械という三名のプレイヤーがテーブルを囲んでいる。わたしはあくまで自然の味方だが、どうやら自然は機械の味方であるらしい。
ジョージ・ダイソン「機械に囲まれたダーウィン」
……これが想像以上にストーリーの核となっている。
科学の天才である少年ローレンスと、魔女(!!)のパトリシア。彼らは子ども時代もおとなになってからも、自らが属するグループからはみ出していく……
鳥の声を理解するパトリシアが、魔法使いの学校に行ってというハリーポッター的な展開もありつつ(魔法使いにふたつの派閥があるあたり、明らかに意識している)、エンディングにはサプライズが用意してある。
「どうでした?この本」
「すごく面白かったです。ただねえ」
「?」
「途中にびっくりするぐらいのファックシーンがあるんですよ。中学生に大丈夫かなあ」
「あら……(笑)」
作者のアンダーズはトランスジェンダー。それを考えるとあのシーンは趣深いっす。
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