クミアイ情宣シリーズ。
「人魚伝説」ネタをいただいて原発反対をぶちあげてみました。
発行は2002年9月9日。
人勧の検証をちょっとお休みして緊急に原発のお話。表版にもあるように、六ヶ所村の署名の件もあるので。
資源をもたない日本のエネルギー政策に関して、原子力発電を推進することを、積極的にではないにしろ、まあ仕方のないことと考える人も多いのかもしれない。しかし原子力について、そのリスクが充分に認識されていると言えるだろうか。いったいいつ私たちは、電力会社に命まで預けることを承認したのだろう。東電のトラブル隠しの件をみるまでもなく、私たちが知らないでいることって、もっとたくさんあるんじゃないだろうか。以下は初秋の怪談話『地元住民の語る原発』……
※【被爆国】日本が、原子力発電を推進することになる経緯は、佐野眞一が正力松太郎を活写した「巨怪伝」に詳しい。原発とジャイアンツがこの男を通じてつながってるなんて。
数年前、北海道と東北の事務職員部長たちが集まる会で、定年の近かった福島の部長に、“住民でなければ知ることもない”ディープな原発話をたっぷり聞くことができた。この人は太平洋側の相馬地区に勤務していたが、ここはいわゆる原発銀座である。
「だいたいね、東電は絶対安全なんて言ってるけど、そんなこと全然ないんだ。」
福島弁のアクセントは内陸弁に良く似ている。
「あ、やっぱり。」
「従業員の放射能対策だってちゃんとやってるっていうけど、それは正社員だけのことでね、炉心の近くには臨時とか外国人が特攻してんのよ。」
「へー」
「地元じゃみんな知ってるんだぁ。原発出るとき汚いジャンパー着てるのは危なくないとか。」
「は?」
「汚いのを着てるってことは、帰りに着替えてないってことだろ?そーゆーのは塗装とか危なくない方をやってるわけ。」
「あ、そうか。じゃあ特攻組は……」
「そう、ちゃんと着替えて出てくるわけよ。」
「なるほどねぇ。」
「それにね、私は釣りが好きなんだけど、あの辺りの漁業権はみんな東電が買ってるんだ。それでも漁は禁止されてるわけでもないからみんな獲ってるの。漁師も私も。」
「はあ。」
「でまたこれが何でか知らないけどでっかいのが揚がるのよ。」
「魚が、でっかいんですか。」
「うん。まあ温水が出てるってこともあるんだろうし、他の理由もあんのかもしんないねぇ。」
「他の理由って……ヤじゃないですか。」
「そうだねえ。でもそのでっかい魚、地元じゃ食べなくて、陸送で築地に持ってくと高く売れるんだって。なんたって大ぶりだから。そいで高級料亭に出てるんだってよ、原発近くの魚が。」
「しっかし何でその……」
「地元は分っててなんで文句言わないのかってことでしょ?東電に。いやそれはさあ、私の前任校に行けばわかるよ。そりゃもう凄い設備だから。町のグランドだって観客席可動式だよ。交付金あるうちは町民は何にも言えないの。」
「うーん」
「そのくせ事故対策に公民館にヨウ素用意しろっていう要望は却下されるんだよ。」
「何でですか?」
「だってほら、事故は絶対に起こんないって建前だから。」
「…………。」
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