タイトルはもちろんナイアガラ・トライアングルVol.2(大瀧詠一、佐野元春、杉真理)の「A面で恋をして」に由来。アナログレコードを見たこともない世代には意味不明だろうけれども、この本で採り上げられた曲を考えると心配無用かな。列挙してみましょうか?
原田真二「キャンディ」
さとう宗幸「青葉城恋唄」
渡辺真知子「かもめが翔んだ日」
五十嵐浩晃「ペガサスの朝」
石川ひとみ「まちぶせ」
大橋純子「シルエット・ロマンス」
稲垣潤一「ドラマティック・レイン」
H₂O「想い出がいっぱい」
村下孝蔵「初恋」
EPO「う、ふ、ふ、ふ、」
小林明子「恋におちて -Fall in live-」
LOOK「シャイニン・オン 君が哀しい」
ZIGGY「GLORIA」
……心配いらないでしょ(笑)。それぞれ、歌い手やスタッフなど、当事者でなければ語れないエピソードが満載です。
たとえば原田真二は当初(フォーライフレコード所属だから)吉田拓郎の曲でデビューしそうだったとか、大瀧詠一の「ロング・バケイション」の「FUN×4」の叫び声は五十嵐浩晃をわざわざ札幌から呼んでレコーディングしたとか、村下孝蔵の「初恋」は渡辺徹に歌わせようという話もあったとか。
驚いたのは石川ひとみで、ユーミンが書いた名曲「まちぶせ」(ストーカーの歌ですけどね)のバックがティン・パン・アレイや後藤次利だったのを全然意識していなかった(笑)。
もっと驚きなのは大橋純子。久しぶりに「シルエット・ロマンス」の2番を歌って「この曲って、こんなに色っぽかったの?」としみじみしたそうだ。声がかすれるとかイヤリングをはずすとか、セックス直前なのが見え見えだったのに!
共通しているのは、持ち歌の大ヒットによって生活が激変。そのためにその曲を封印した人までいた。だけれどもその歌はアーティストの所有物であると同時にファンのものでもあることに気づき、新たな気持ちで曲と向き合う……やはり、誰もが知っているヒット曲がキャリアのなかにあるって、幸福なことなんだなあ。
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