「例えばおまえ、わかんないものでも受け入れるだろ。ビッグコミック・スペリオールの、スペリオールの、スペリオールの部分をわからないなりに受け入れるだろ、おまえ。そこが芸術だっていうの。俺、読めないもの、あれ。スペリオール?意味わかるまで気になって読めないもの。この事実が証明するようにいつも損する側だよ。当たり前の人間というものは」
松尾スズキ「マシーン日記」
古今東西の名戯曲から鴻上がセレクトした名セリフ集。シェイクスピアからチェーホフから何でもあり。
うーん、演劇と向き合うと鴻上はどうしてこんなに教条的、常識的にならざるをえないのだろう。鴻上が松尾の戯曲に距離を置いていることでもそれは感じられる。
それどころか、彼は正直に唐十郎、野田秀樹、渡辺えり子(現えり)などの作品はわからないとしている。
演劇観の相違、というだけでは片づかないなにかがここにあるような気が。
わかったふりをするわたしなんかよりもずっとマシだとは思うが、一冊読み終えてしかし最も印象に残ったセリフが松尾のだと告白するのも勇気いります。
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