え、もう直木賞発表されてたの?予想もへったくれもないかあ。今回のには思い入れがあった。候補作品は以下の通り。
『スモールワールズ』/一穂ミチ
『おれたちの歌をうたえ』/呉勝浩
『テスカトリポカ』/佐藤究
『星落ちて、なお』/澤田瞳子
『高瀬庄左衛門御留書』/砂原浩太朗
わたしは珍しくこのうちの2作品を読んでいて、それは「テスカトリポカ」と「高瀬庄左衛門御留書」。で、どう予想したかといえば、「テスカトリポカ」穫れよと。これほど高揚させてくれる本はめったにない。
選考委員はこの人たちだ。
浅田次郎
伊集院静
角田光代
北方謙三
桐野夏生
高村薫
林真理子
三浦しをん
宮部みゆき
そしてこんな話になったそうだ。
「こんな描写を文学として許してよいのか」
「文学とは人に希望と喜びを与えるものではないのか」
委員を代表して林真理子はこう語った。
皆さんご想像の通り、佐藤さんの「テスカトリポカ」を受賞作とするかどうかで大激論となり、時間がかかりました。あまりにも暴力シーンが多く、子どもの臓器売買という読む人にとっては嫌悪感をもたらすような内容で、直木賞という賞を与えて世に送り出してもよいものか。その是非についてさまざまな意見があがりました。
それに続いて
「描かれたことは現実世界のこと。目を背けてよいのか」との意見もありました。とても根本的で深い論争ができました。女性委員に支持する声が大きかったことも興味深いですね。希望の物語であるという見方も少なくありませんでした。
面白い(笑)
わたしは勝手に想像する。反対意見は浅田次郎ではないか。小説の王道を求める人だからね。でもきっと桐野夏生と高村薫と宮部みゆきが押し切ったのではないかと。それほどに、テスカトリポカは特別な存在だったもの。
受賞は「テスカトリポカ」と澤田瞳子。「高瀬庄左衛門御留書」はシリーズ第一作であることがアナウンスされていたし、この人はまだ二作しか出していないのでこれからでしょう。しかも直木賞よりも影響力があるかもしれない「本の雑誌」上半期のベストワンにまで選ばれているしね。
そして、こりゃー絶対に読まなきゃいけないと思わされたのは落選した「スモールワールズ」これ、面白そうだなあ。
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