視聴率オタクとしては、近年の、特に地上波の視聴率低下には驚かされっぱなし。もちろんそれはBS、CS、ネットなどの影響や、HDDなどに番組を大量に録りだめすることが容易になったことが背景にあるだろう。
でもリアルタイムで見ることが必須事項のようになっていた「ドラえもん」や「サザエさん」の現在の視聴率は……いずれあらためて特集するとして、まずはキムタクのことを。
そんな時代に、ひとりだけ別格の存在が木村拓哉。視聴率を稼いでくれることはもちろん、その実績ゆえに“木村拓哉でドラマを制作する”のはテレビ局にとって巨大なイベントになっている。
で、その切り札をゲットしたTBSが用意したのは、警察庁管轄の組織ではたらく脳科学者が事件を解決するという……どう考えても「ガリレオ」を意識したのが見え見えの設定な「MR.BRAIN」。
キャストがすごいですよ。レギュラー陣に綾瀬はるか、水嶋ヒロ、香川照之、大地真央、トータス松本、平泉成。お笑い系からも田中裕二と設楽統という渋いところをピックアップしている。
それに輪をかけて豪華なのがゲストたち。市川海老蔵、広末涼子、ユースケ・サンタマリア、近ごろ大変らしいGACKT、小雪、亀梨和也、相武紗希、佐藤健、木村多江、東儀秀樹(びっくり)、仲間由紀恵、上川隆也……ピンで主演がはれるメンツをこれだけそろえている。TBSの気合いがわかろうというものだ。逆にいうと、絶対に失敗できないのでこれだけの保険を掛けた、ともいえる。
しかし結果は残念なものになった。視聴率は想定以下、海老蔵とからめて続編の構想もあったろうにその予定もない。
はて、どうしてうけなかったんだろう。DVDで全話消費して(半日かかりました)、いくつか気づいた点があるのでそれを次号で。