散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

なぜか新潟(16) 食っちまった

2013年09月12日 20時49分01秒 | 食べ歩き
鳥料理、バーで満足してホテル方面へ帰る。途中で信号待ちになり、あたりを見回したところ、いけないものが目についた。



ラーメン屋か…。実は最終日に行くべきラーメン屋さんを決めているのだが、酒を飲んだ今、無性に食べたい。店頭に貼られていた雑誌記事を見ると「あっさり系」のようなので、店に突入してしまった。

先客が何人かビールを飲んでいるようだが、そりゃ無理だ。迷わず一番シンプルな中華そばを注文。すぐに中華そばが到着する。



丼が届いた瞬間から和風だしのいい香りがする。かなり強めの香りだ。麺は細め縮れありで、ちょうど良い歯ごたえである。メンマとナルトは昔風、チャーシューは結構現代的なラーメンで、スープはやっぱり最後まで飲んでしまった。

酒を飲んで締めに食べたくなるようなラーメンである(と、いい訳をかいておく)。

なぜか新潟(15) 新潟名物&バー

2013年09月12日 20時29分57秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
長岡から新潟に戻り、今朝買った飲み屋雑誌も参考にしつつ散策。本日は新潟名物、鳥の半身空揚げをメインとする「T」に入って見ることにした。店構えはなかなか初心者は入りにくそうだ。



空揚げを持ち帰る常連らしい人が、困惑している私を見てか「ここ、旨いよ」と言いながら店を去って行ったのと入れ替えに入店。すでに先客がかなりいるが、カウンター隅に座ることができた。

まずはレモンサワーを注文し、鳥ブツ切揚を注文する。通しにはコールスローが出てきたので、しばしこれでつなぐ。



一旦落ち着くと、恐らく空揚げには相当時間がかかるだろうと思い、鳥刺しを注文。



鳥専門店であるから当然かもしれないが、刺身はあっさりしていつつ鳥の味わいもあり、かなり旨い。ややしばらくして、ブツ切揚が到着した。



本来は半身のまま揚げるのが一般的らしいが、熱いのをさばくのが面倒なので、メニューにも載っているブツ切揚(+100円だったか)にしてもらった。味付けは塩とカレー粉で、カレー粉を使うのが新潟では一般的らしい。

早速食べると、もちろん熱々で皮はパリパリしている。食べ進むと鳥の味がしっかりしているので、カレー風味というよりはやはり鳥空揚げの味だ。骨つきのままなので、見た目そのままのボリュームという訳ではないが、かなり食べごたえがある。部位をいろいろ食べられるのも興味深く、やはり胸よりはもも肉の方が旨いと思う。

さて、しかし、私にはもう一つ気になるものがあるのだ。先日、実にタイミング良く新潟を訪問する旅飲み番組を見たのだが、その中で紹介された鳥半身揚げの店には、蒸した鳥のメニューもあったのだ。それがこの店にも、「蒸焼」というメニューで存在するのである。店の方に教えてもらい、半身のままよりもスープが良くしみ込むという、鳥ブツ蒸焼を注文してみた。



おお、こりゃまたサイズが大きいね。早速食べてみると、鳥皮のねっとりした味わいが感じられ、確かに味が濃厚な感じがする。そして皿に旨そうな汁がでているので、これはキャベツを浸したり、鳥肉をバラして浸したりしながら食べる。なるほど、方向性は空揚げと全く違うが、これはこれで一つの名物になりそうだ。

すっかり鳥を堪能して、続々と客が訪れてくるため、店を出ることにした。ちょいと食べ過ぎて、次はバーに行きたい。

事前に調べておいたバーの店構えを眺めてから決めようと、少し迷ってモルトバー「J」という店にたどり着いた。すると看板の表記に「SINCE 1958」とあるではないか。



創業55年のバーとあれば、行ってみるしかあるまい。スナック等も入るビルの3階とあって、ためらう気持ちもあったが、思い切ってドアを開けると先客が1名。S字型カウンターが堅苦しくない雰囲気を出している。

まずはということで、あまり癖のないウイスキーのソーダ割りを注文すると、グレンリベット12年のソーダ割りが登場。ものすごく簡単に作っているように見えたが、どうしてこのソーダ割りはかなり美味しい。

2杯目は「もう少し癖のあるものを」と注文すると、ボウモア12年エニグマが出てきた。これはストレートで飲んでみると、甘い味わいながらも、ほど良い癖がありちょうど中庸の味わいがする。

3杯目に「最後に何か面白いのありますか」と聞いてみる。この店、ウイスキーショット値段の最高額が2500円(高いと思う人もいるだろうが、とてもそれでは飲めないようなウイスキーもある)なので、マスターに「安心して下さい」と言われつつ、グレンモーレンジ18年を出してもらった。


→マスターが黒電話を「珍しいでしょ、一緒に撮影しなさい」と横に並べてくれた。

グレンモーレンジ10年なんかは確かに失敗はしないものの、一番の入門編というか今さら飲む程の事も…、なんて思うウイスキーなのだが、18年は全く次元が違った。甘味と味の広がり、そして全体的に「いいウイスキーだなあ」と思えるバランス感、非常に素晴らしい味に出合うことができた。

「新潟には沢山バーがあるんだけど、高い店もあるし、なかなかお勧めできないんだよね」というマスターだったが、今日はこの店に十分満足だ。マスターは父→母→本人と続く3代目だが、店に出るようになってから30年以上(多分)と風格がありつつも、優しく話をしてくれる方であった。この店は新潟が誇る名バーといえるだろう。

すっかり気分が良くなり、夜の繁華街をホテル方面へと向かう。

なぜか新潟(14) グイグイ来る街、長岡

2013年09月12日 15時23分24秒 | ART
昼食をとってから、長岡駅裏の「如是蔵博物館」へ。ここは野本互尊と山本五十六、その他長岡出身の偉人関係の展示がされているのだ。



館内は撮影不可だったが、駅裏とは思えないような前庭(というか森?)には彫刻類が展示されていた。仏像は廃仏毀釈運動の時に「観音像ならば何でも買う」と言って購入したらしい。その当時はこのあたりで石油が出ていたので、資金には事欠かなかったとか。



この館内にいた案内の方だが、最初は静かにしていると思っていたら、「山本五十六元帥お好きですか」「それでしたら先に山本五十六記念館にぜひ行って下さい」「彼の言葉で私が好きなのは…」とグイグイ攻め込んでくる。

一通り解説が終わっても、「信濃川は上流と下流で全然違い…」「長岡の花火はやっぱり凄いですよ」「高くて美味しい酒はどこにでもあるけど、安くて美味しいと言ったら長岡が一番」と何とも強烈な攻め込みが続く。

若干へこたれた所に、年輩の一人客が来たので、ディフェンスを変わってもらって「駒形十吉記念美術館」へ移動する。こちらは受付の方は大変もの静かで、やっと一息ついた。



坂倉新兵衛・香月泰男「萩茶碗 チューリップ」:珍しいものがある。
香月康男「彼岸花」:2色の茶色で描かれた地面と黒い空の間に、赤い花の列がある。死の行列のイメージか。
熊谷守一「かまきり」:赤い花に緑のかまきり。「彼岸花」に対応する作品とも見える。

熊谷守一「秋」:地面に木切れが2本落ちている。何だか考えさせられる作品だ。
熊谷守一「寒山拾得」:庭を掃く子どもと、まるで宿題を見せてくれようとしているかのような子供2人。

長岡の美術鑑賞はここまで。帰りはバスで新潟市の古町へ戻る。


なぜか新潟(13) またカツ丼

2013年09月12日 13時08分44秒 | 食べ歩き
昼過ぎに長岡市の中心部に戻り、昼食を取る。初日の新潟タレカツ丼を受け、新潟・長岡のカツ丼対決が開催された。そう、長岡には洋風カツ丼というのがあるのだ。多くの店で出されているようだが、その中でも恐らく一番の有名店、レストラン「N」へとやってきた。



店内に入ると、ランチ軍団は一段落したようで、落ち着いて席に着くことができた。しかし、メニューが非常に豊富で、さらにランチタイムは少し安くなったお得なメニューが満載である。洋風カツ丼のみならず、カレーあたりも定評があるようだ。しかしここは迷わず一托で洋風カツ丼を注文。ドリンク90円という驚異的な安さなので、オレンジジュースも付ける。

さあ、洋風カツ丼を見るがいい。見ただけでは味の想像が全くつかないであろう。



さらに、もやしたっぷりの味噌汁付きだ。



味はドミグラスソースも選択できるのだそうだが、それじゃあ普通のカツライスになってしまうので、あえて昔からのケチャップソースを選んでみた。食べてみるとトロみがあり、確かにケチャップの味もする。しかし、オムライスにかかっているようなのを思い浮かべるとそうじゃないんだよな。

しいて言うならば、名古屋のあんかけスパのソースから胡椒を引き算したものというか、何とも微妙な味わいだ。しかし、多分いろんなものからの想像力で作り上げたソースで、ずっと食べている人にはたまらない懐かし味なのだと思う。カツは揚げたてで、申し分なかった。

日本全国、楽しいね。

なぜか新潟(12) 新潟vs長岡

2013年09月12日 12時28分59秒 | ART
新潟駅の地下で、新潟の渋い飲み屋を紹介するムックを購入。地下から駅ホームへ通じる改札を発見。何とも懐かしい民衆駅スタイルである。



ここからクラシックな電車に乗り込み、長岡市に向けて出発である。

 

特に途中に見るべき景色もなかったが、1時間強の時間を経て、長岡駅到着。



ここからバスに乗り込んで向かうのは、もちろん新潟県立近代美術館である。



途中で結構な雨になったが、何とかさほど濡れずに到着。まずは2階の「第15回亀倉雄策賞受賞記念 平野敬子展」を見る。東京国立近代美術館の60周年シンボルマークをデザインした作家である。

次にメイン会場の「近代自然主義絵画の成立 オランダ・ハーグ派展」を見る。バルビゾン派を手本としつつ、ゴッホにも影響を及ぼした絵画運動らしい。

シャルル=フランソワ・ドービニー「オワーズ河、イル・ド・ヴォーの夜明け」:黄色、オレンジで夜明けの雰囲気をよく出している。
アントニオ・フォンタネージ「ブジェイ高原」:空と光のあたる丘、日陰とのコントラストがはっきりしている。
ジュリアン・デュプレ「羊飼い」:黒い犬、羊たち。実にいい写実絵画。

ヨハン・バルトルト・ヨンキント「デルフトの眺め」:青い空が爽快。
ヴィレム・ルーロフス「ノールデンの5月」:河、牧草、そして牛。省略の上手さがある。
ヴィレム・ルーロフス「虹」:暗い空からちょっと日が差してきた瞬間。今回のハーグ派の中では一番好きだ。

ヤン・ヘンドリック・ヴァイセンブルフ「トレックフリート」:妙に建物がミニチュア造形のような感じに見える。生真面目さか。
ヤコプ・マリス「絵を描く画家」:自画像だろうか。とても自意識が発揮されている顔つきだ。
マタイス・マリス「男の肖像(自画像?)」:ずっと風景画を見てきて、人物画を見ると、やはり印象に残るものは多い。この自画像も、すっかり近代人の顔なのである。

マタイス・マリス「糸を紡ぐ女」:背景の真っ黒さに西洋絵画の伝統を感じる。
ヴィレム・マリス「水飲み場の仔牛たち」:確かに牛を題材にして、実は光を描いているというのが良く分かる。真上からの光は、またある種の神の恩寵でもあるのだろう。
アンドレアス・スエルフハウト「スヘフェニンゲンの浜辺と船」:やはり海を描くと明るくていいね。

フィリップ・サデー「貧しい人たちの運命」:魚を拾っている人々。海版「落ち穂拾い」なのだな。
ベルナルデュス・ヨハネス・ブロンメルス「浜辺」:水遊びをする子どもと、くつろぐ母親。こちらの作品にはささやかな幸福感がある。
フィンセント・ファン・ゴッホ「長い棒を持つ農婦」:そんなに絵具も盛り上がっていないが、言われてみればゴッホである。

フィンセント・ファン・ゴッホ「じゃがいもを掘る2人の農婦」:ミレー風の作品。シンクロしたポーズの二人が面白い。
フィンセント・ファン・ゴッホ「じゃがいもを食べる人たち」:有名な絵画作品を、ゴッホ本人が版の上に描き、リトグラフにしたもの。よって、作品が裏返しの構図になっている。登場人物たちはほとんど表情がなく、悲しみに耐えているのか、またはあまりにも当たり前の日常なのか。
ピート・モンドリアン「アムステルダムの東、オーストザイゼの風車」:完全なる印象派風絵画。

ピート・モンドリアン「ドンビュルクの風車」:形は写実を離れつつ、巨人のような風車を描いている。
ピート・モンドリアン「夕暮れの風車」:青い空、紫の雲を背景に、風車を真っ黒に描いた、デザインセンス優れた作品。私の最も気に入ったのがこれだ。
ピート・モンドリアン「ダイフェンドレヒトの農場」:木の枝の複雑な流れと組み合わせ方に、後のモンドリアン作風を感じる。

今回の展覧会はハーグ派からゴッホへの流れが見どころなのだと思うが、それは置いておいて、私はモンドリアンが一層好きになった。もう少し、時系列で作品を見ることができれば、彼の作品への理解が深まると思う。

コレクション展では「尾竹三兄弟展」「境界のイメージ」「近代美術館の名品」が開催されていた。

モーリス・ドニ「夕映えの中のマルト」。今、私はかなりドニに興味を持っている。



岸田劉生「冬枯れの通り(原宿附近写生)」。え、こんな作品あるの?



萬鉄五郎「木の間風景」。いい作品、持ってるじゃない。



里見勝三「赤と緑の静物」。こっちもいいねえ。



人口が遥かに少ない長岡市に近代美術館を持ってきた力学は分からないが、決して新潟市の美術館には負けないぞという意気込みが感じられた。ここで、長岡市中心部へとバスで戻る。

なぜか新潟(11) やっと早朝散歩

2013年09月12日 08時21分35秒 | 食べ歩き
本日は体調も良く6時前に目覚め、ホテルの近所を早朝散歩してみた。信濃川沿いを歩き、水島新司マンガストリートにたどり着く。私より少し大きい岩鬼。しかし、彼のイメージは身長2メートル以上だからなあ。



まさに投げるお爺ちゃん、岩田鉄五郎。この姿を見て、思いっきりピッチャー返しを出来る奴は鬼だ。



しばらく歩いていると、少し汗ばんできたので後悔する。そして、早くもデジカメの充電が1目盛減る。これは嫌な予感がする。ということで、散歩を切り上げて、ホテルに戻って朝食。今日はバイキングスタイルである。何でもそろっているが、地元料理が少ない感じ。栃尾揚げ、かんずり入り塩辛くらいか。





今日は朝食も旨くて勢いよく食べ、8時過ぎに出発だ。