散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

著作権について

2009年07月21日 21時25分42秒 | Weblog
著作権法違反に関する(と思われる)コメントをいただいたので、自らの姿勢を考えてみた。

私は公共空間にある美術作品を撮影し、ブログに公開することは全く問題ないと考えている。ネット上を調査した結果、一般的な法律の解釈もそうなっているようだ(絵葉書を作って大量販売するなどの行為は別問題だろう)。

今回指摘のあったケースは、美術館の展示室内で「撮影OK」との表示があるのだから、撮影自体は何ら問題ないだろう。しかしその写真をブログに公開するのはどうだろうか。作者本人の著作権という観点だけ考えると、公共空間にある作品と同じに扱ってもよさそうな気がする。

しかし、両ケースとも著作権が作者の死後50年で消滅するという観点から、本当に問題はないだろうか。私もこれまで美術館の作品について、「この人は死後絶対50年過ぎてるよね」と思いながらアップすることはあった(逆に言うと、当てはまらない人の作品はアップしない)。しかし、今回のケースはどうかというと、明らかに著作権は消滅していないのである。

しかし、しかしである。「引用」という範囲において美術作品の写真をブログに掲載することは可能という判断もあるようだ(ただし、私のケースでは美術館名・作者名・作品名を記述した正しい引用にはなっていない)。やはり非常に難しい問題だけに、なかなか一律には割り切れず、個別事例毎の判断にならざるを得ないのかもしれない。

以上のことを踏まえ、私は自分のブログにおいて以下の方針を掲げたい。
・写真撮影禁止が明言されている場合は写真撮影をしないし、当然ブログにも掲載しない
・写真撮影について何も書いていない場合には、撮影が可能かどうか確認を行う
・公共空間にある作品、撮影可能と明示された作品については、撮影およびブログへの掲載を行うことがある
・作品をブログに掲載する場合、可能な限りきちんと「引用」の記述をする
・著作権者から指摘があった場合については、可能な限り誠意をもって対応する
・著作権者以外からでも、具体的な判例などをもって不適切な事例を指摘いただければ、誠意をもって対応したいと思う

私は上記の範囲内であれば、これからも撮影した美術作品をブログに掲載していこうと思う。もちろん著作権者が親切に指摘してくれるとは限らず、いきなり告訴されるというリスクについては承知しているつもりである。

20090721最近読んだ本

2009年07月21日 07時55分48秒 | 読書
■「七度狐」大倉崇裕
落語家の名跡争いが発端で、連続殺人事件が発生。推理小説としては面白いのだが、名跡争いになるほどの名人芸というのが文章からは読み取れない。

■「赤線跡を歩く」木村聡
何となくモダンな建物があると、それは商売の跡だったのかもしれないという感じだ。意識していないと目に留まらないのだろう。

■「ギヤマン壺の謎」はやみねかおる
いつもの探偵が江戸時代にいたら、と言う設定。坂本竜馬や新撰組っぽい人たちが登場して、明るく楽しい話。

■「コーリング闇からの声」柳原慧
死体の痕跡を清掃する仕事をしていて、ある日酷い惨状に出くわした主人公。そこからたどっていったときに見えたものは…。後味が悪いし、基本的にこのアイディアは類似のものがある。

■「はじまりは大阪にあり」井上理津子
大阪発祥であるものを紹介した本。それぞれの文章ボリュームはそれほどなく、あっさりしている。

以下、図書館の2冊。
■「アメリカ日本食ウォーズ」池澤康
話としては面白い。私の経験としては、ハワイに行ったときに「テキサスロックンロールスシバー」という店にうっかり行ってしまったことがある。寿司は「なんとかロール」のようなやつだったが、結構いけた記憶がある。ただし、寿司が載っているのが墓石のような大理石の台だったのが印象的だ。

■「浅田次郎とめぐる中国の旅」浅田次郎
彼の中国シリーズ作品を読んでいないので、全く感情移入できない。

7月20日 17時~20時

2009年07月20日 20時21分14秒 | 食べ歩き
余市から小樽に戻る。小樽では珍しく焼肉の「D」へ。今日は基本的に酒を飲まない予定なので、居酒屋などへは行けない。食事を中心にしようということで焼き肉の店にしてみたのである。



店内に入り、早速ビール(いや、1杯は飲むだろ)、上カルビ・上サガリ・上牛タン・豚ホルモンのセット、焼き野菜を注文。わりとあっさりしたものから食べよう。牛タンは塩ダレ、レモンダレの2種で食べる。豚ホルモンは臭みのないあっさり味。上サガリは肉っぽさ、上カルビは脂の美味しさで、これはなかなか良い肉だと思う。しかしこの店は少し高級なのかなあ。最近帯広でいく「H」に比べると勘定が高いのだが、しかし「H」のコストパフォーマンスと比較してはいけないかもしれない。







追加の肉やキムチ、ライスを行こうかと思ったが、ためらって勘定をしてもらった。ご飯代りには河岸を変えて、蕎麦の「Y」へ行く。北の勝(←飲んでるやないか~い)、鳥わさ、セイロを食べる。この店は客あしらいがいいので、ついつい足を運んでしまうのである。







明日が仕事の日なので、いまいち完全燃焼しきれなかったが、これにて終了。琴似に戻り、本日の歩数は23401歩。疲れた。

他にいくつか掲載したい写真があるので、それは後日とする。

7月20日 15時~17時

2009年07月20日 17時16分17秒 | ART
余市に到着したが、今回はニッカウィスキー工場をパス。結構距離があるので、余市水産博物館「縄文の祈り~栄町7遺跡と土偶~」へまっしぐらに進む。多分30分位はかかったと思うが、さらにこの博物館はちょっとした小高い山の上にあるので、大変なのである。



展示会場はさほど広くなかったが、造形的には興味深い(ただしそれほど洗練はされていない)土偶が並べられていた。素朴に女性の体を表現した土偶が多かったように思う。

真中で目立っていたのは先年国宝になった「中空土偶」のレプリカ。かなり大きいものだし、レプリカということで心にブレーキはかかるものの、素晴らしいものだと思う。ところが入口の所に「広報よいち」の訂正が掲げられていた。「複製品です」と書くのがもれていたようなのだ。私はもちろん複製展示だと知っていたが、本物を見られると思って来た人はショックだろうなあ。



展示見学はそこそこに、余市駅に戻り、甘エビ燻製等(余市名産)を購入。この燻製を作っている店では蟹の燻製が非常に美味しいそうなのだが、それは店まで行かねば買えないのだ。いつか時間のある時に行ってみよう。

電車で小樽へ戻る。

7月20日 12時~15時

2009年07月20日 15時11分28秒 | ART
小樽市に到着。駅前には新しいホテルが建設されていた。とりあえずこの一等地が空き家にならないで良かったと思う。



さて昼食にしよう。クラシックな食堂風のところがいいかと、しばし歩いてみたものの、結論が出ずに結構な有名店「T」に行くことにした。きれいな店内で悪くない。ここでは醤油ラーメンを注文。麺が細麺と中太麺があるというので「お店ではどちらがお勧めですか」と聞いたところ、「好みです」とあっさり言われてしまった。まあ、確かにその通りなのだが、「本来は細麺に合わせて作りました。しかし、札幌ラーメンになじんでいる方は中太麺です」とか言ってくれればよいのになと思う(結局、中太麺を選択)。



カウンターに新聞の記事があったので驚きはしないが、到着した醤油ラーメンは白醤油を使っているということでかなり透明である。麺も非常に白い感じだ。早速食べると、塩ラーメン風の味ながら、後から醤油の香りと風味が追いかけてくる感じだ。ゴマ・高菜が味にわずかなアクセントをつけ、さらにしっかり炙ったチャーシューがパンチをだしている。しかもその具材がいずれもラーメン本体の味を壊すことはないのだ。さっぱりしつつも変化に富み、最後までおいしく食べられるラーメンだった。





ここで、市立小樽美術館に移動し「画家たちのパリ」展を見る。かなりの作品が近美の収蔵品であるため、わざわざ見に行くかなあと思ったが、結局来てしまった。結論から言うと、確かにいつも見る作品も沢山あったのだが、初めて見る作品ももちろんあり、損したという気はしなかった。

まずは1階から。第1部「青春の巴里-小樽の外遊画家たち」では工藤三郎、小寺健吉、長谷川昇が紹介されている。

工藤三郎の作品
「神威之岬」:これは以前見たことがあるかな。黒々とした岩がなかなかいい。
「巴里の下宿」:室内風景である。飾られている画中画や東洋風のついたてが何となく楽しそうだ。

長谷川昇の作品
「鏡前裸婦」:今回の作品の中ではこれが中心作になるだろう。
「幼児像」:しかしかなり若いころのこの作品が素朴でいい。赤い着物を着た幼児の印象か。

小寺健吉の作品
「渓流裸婦」:素朴な感じで、何となく欧風・童話風という言葉が思い浮かんでくる。
また、彼は藤田嗣治との交流があったようで、一緒に写った写真が展示されていた。

第2部は「エコール・ド・パリの群像」
こちらは近美の作品が多かったのだが、近美所蔵であっても初見の作品があったような気がする。キスリングの濃厚カラフル作品が良かったり、全く平板で好みではないマリー・ローランサンに良い作品を発見したりした(「コロンビーヌ」という女性肖像画)。それからアンドレ・ノート「水浴」も初めて見る気がするなあ。

今回は文学館はパスし、3階の市民ギャラリーで「第5回フォト虹彩写真展」を見る。高橋孝二「小樽58町58景」は小樽のすべての「町」で撮影したものだろうか。札幌ではこれは難しいのだろうなあ(広さも、町の面白さでも)と思う。

ここで小樽駅に戻り、余市に向けて移動。

7月20日 8時~12時

2009年07月20日 12時00分00秒 | ART
8:29分、琴似発の電車で野幌へと向かう。野幌では駅の高架工事をやっているようで、雰囲気が以前と変わっている。バスの待ち時間が多少あるので、野幌の街中を散策。その後バスでセラミックアートセンターへ。



今回は「小森忍 日本陶芸の幕開け」という展覧会で、展覧会名からするとイマイチそそられない感じであったため、結果的に最終日の今日訪れることになったのである。結論から言うと、想像した以上に面白く、展示内容も立派な展覧会であった。これならもっと上手く宣伝してほしいよ。「北海道美術ネット」のヤナイさんのこの記事がなければ、飛ばしてしまうところだった。

主な展示はもちろん小森忍の作品である。
「野鶏翅茶碗」:鶉の羽のような見事なグラデーションの作品。
「孔雀釉両耳花瓶」:青の上に黄色・オレンジの釉薬が面白い。
「青磁芥子文花瓶」:これは花瓶全体の形が非常に良い。
「銀彩草花文碟」:海草のような2色の文様が目立つ。
「辰砂長頸瓶」:胴体の赤から口の部分の緑色まで美しい。

彼の作品以外では河井寛次郎、濱田庄司、板谷波山などの作品がある。
板谷波山「彩磁八つ手葉文鉢」:ダイナミックな八つ手の葉が波山らしい(苫小牧市博物館で以前、彼の展覧会を見たのだ)。
同「葆光彩磁葡萄紋様花瓶」:半透明の淡い絵付け。これはなかなかいい。
栗木伎茶夫「赤絵金銀彩シダ文壺」:隣の別の作品から64年後、百歳を超えての作品とは見事なものである。

またこれ以外に、町田市立博物館、東京国立博物館、出光美術館、大倉集古館から中国の陶芸作品が20点強出品されていた。国宝・重文というものではないが、なかなか見どころがあり、このことを事前に知っていれば喜んで早く来たのになと思う。

「青磁三足香炉」:落ち着いた色で雰囲気がある。
「釉裏紅芭蕉文水注」:面白い形で、抑えた赤色が良い。
「五彩牡丹文盤」:牡丹が明るく華やかでいいね。
「青磁釉裏彩花鳥文尊形瓶」:梅に鳥を配置し、大ぶりでおおらかな作品。
「火炎紅瓜形瓶」:赤と青の溶けあった素晴らしい色彩。

時間があったので初めてセラミックアートセンターの中庭に出てみたところ、原田ミドーの「風の門」という彫刻があった。



この時間から天気が良くなってきて、気持ちが良い。11時過ぎにバスで野幌駅に戻り、そこから小樽市に向けて移動。

途中から天気が良くなった日

2009年07月20日 09時27分59秒 | Weblog
20日は朝はいま一つだったが、徐々に天気が良くなってきた。本来19日に出かけようと思っていたのだが、今日出かけることにしよう。コースはいろいろと悩んだのだが、野幌→小樽→余市→小樽と回ることにする。

本日は時間がないので、おいおい記事をアップする(もしかすると来週末になるかもしれない)。冒頭写真はいきなり変貌していた野幌駅南口。高架化を進めているらしい。

20090719最近読んだ本

2009年07月19日 21時33分40秒 | 読書
■「東京☆千円で酔える店」さくらいよしえ、せんべろ委員会
札幌には本当にこの手の店が少ないと思う。かなり本格的に酔えるのは「第3Mセンター」くらい?

■「札幌人2009年夏」
今回は定食特集だったので買ってみた。無休の豊水すすきの食堂に今度行ってみよう。

■「為朝伝説殺人ファイル」今野敏
為朝をベースに殺人事件と絡めるのは辛いと思っていたが、その辺は一応の理屈をつけているようだった。しかしやっぱり面白みが足りない。

以下、図書館の6冊。
■「Xデイにそなえる新型インフルエンザ完全対策ブック」岡田晴恵
会社からもらったのと内容的には同じだ。

■「ダーウィンアワード」ウェンディー・ノースカット
愚かな方法で死んだ人に対して与えられる賞らしい。悪趣味な本だ。

■「楽婚」ほしのゆみ
夫婦でハッピーの仕組みを描いたマンガ。

■「上手な怒り方」佐藤綾子
とりあえずは10秒待って自分をコントロールしてから、ということ。

■「「暮らす!」技術」辰巳渚
人から教えてもらうようなことではないと思う。

■「ずっと彼女がいないあなたへ」諸富祥彦
何か読んでいる本の傾向が変だ…

せめてもの

2009年07月19日 13時58分32秒 | 食べ歩き
雨のせいで出かける気分でもなくなり、落胆の日曜日。せめてものということで、昼食は二十四軒の「PE」へ出かけることにした。雨で観光地に行きそびれた人で込んでいるかと思ったが、出足は悪そうですいていた。

前菜は枝豆のキッシュ、夏野菜のテリーヌ、とうもろこしのムース、滝川産合鴨のポーピエット。枝豆は料理に使うと歯ざわりがいい。夏野菜のテリーヌはピクルスとは一味違った感じ。ニンジン、ズッキーニ、インゲン、ナス、エリンギ、キャベツ、パプリカといった内容か。合鴨とトウモロコシムースの甘さも相性が良い。



メインは力強く仔羊と夏野菜のハンバーグスタイル。粗挽きの肉をマスタードソースでがっちり食べ、またジャガイモ、蕪などの野菜も美味しい。蕪からはいい味わいのジュースが出てくるのだ。



デザートは・トライフル仕立てのヌガーグラッセ、キャラメルショコラのマカロン、エピスとはちみつのアイス、ラングドシャのシガレット。ヌガーグラッセにはフルーツ・木の実・ガトーショコラ等が入っている模様。エピスのアイスとともに、複雑な味わい。残りの2品はコーヒーにぴったり。



食べ終わっても雨は上がらず。来週の野外焼き肉の会は大丈夫だろうか? 図書館に寄ってから帰宅。

涼しい

2009年07月18日 17時13分31秒 | 飲み歩き・大通、札幌界隈
今日は多少の小雨があったが、何とか天候は持ったようだ。ギャラリー巡りの途中、創成川東のバー「R」へ。「夏のカクテル!」と言う気分は盛り上がらず、とりあえずの1杯目は角ハイ。

2杯目はジン+シェリー+ベルモット+アンゴスチュラビタース+オレンジビタース。マティーニにジャマイカマティーニが寄って来たようなカクテルで、なぜこれを今まで飲んだことがないのだろうかと思う。

3杯目はバカルディブラック+グレナディン+レモン。バカルディのスパイシーな味わいで、ちょっとキリッとした味わいだ。



外に出るとまだまだ明るい。


20090718ギャラリー巡り

2009年07月18日 16時19分55秒 | ART
7月16日、丸井→三越→NEW STARの3か所。

■三越「藤田嗣治展」。「人形を抱いて眠る」わりとあっさり描かれた油彩。2940万円なり。「海の幸」藤田には珍しい感じの和風水彩画。

7月18日、市民ギャラリー→札幌サンプラザ→富士フィルムフォトサロン→時計台→道新→芸術の森→アダノンキ→アリアンス→さいとう→スカイホールの10か所。

■市民ギャラリー「日本水彩画会北海道支部 50周年記念展」。宮川美樹の「刻」はいつもの波打ち際を描いたものだが、なぜか飽きることがない。1965年作の「ナルシス」と言う珍しい作品が同時に出品されていた。柴垣誠「早春の水門」はそっけない風景画のようだが、そこがいい。

■「りす写友会 第一回写真展「アルバス」」。有名人が出品しているからと言うだけではなく、少なくともそれぞれに個性的であるところが良い。

■時計台ギャラリー「藤井高志展」。”リアル”と言うのともちょっと違う、心象風景のような感じ。描かれた人物が生きてきた場所なのだろうなあと言う感じがするのだ。

「北海道版画協会50周年記念作品集展」。小品が沢山あるのでどれか1点と思いながら見る。鳴海伸一「都市彷徨」がいいなあと思ったら、隣の超シンプル作、西村一夫の「内なる風景-2008」もいい。

■芸術の森美術館「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」。あえてはっきり書くが「クリムトファンがっかり!!」ではないか(私はファンではない)。少なくとも展覧会タイトルは「ウィーン世紀末展(クリムト、シーレ等)」とすべきだろう。何しろクリムト作品が8点。クリムトと言われると頭に思い浮かぶ作風のものは全くない。シーレは18点、こちらは後で述べる。

第1章「装飾美術と風景画」は非常に古典的な様式の作品が多い。
ライムント・フォン・シュティルフリート「ザンクト・シュテファン大聖堂」:もう建物を描いただけで傑作になってしまうという作品だ。
エドゥアルト・レビーツキ「真理、知恵、美」「正義、寛容、信心」:帝国議事堂の装飾下絵だけあって、非常に様式的だ。

第2章「グスタフ・クリムト」なのだが、まずは弟のエルンストの作品から始まり、コケる。
グスタフ・クリムト「寓話」:イソップ童話をモチーフにした作品で、見ただけではクリムトとは分かるまい。
同「愛」:両サイドが金色の仕上げで上の方に小さくバラが描かれ、日本画のようである。またこれを見るとクリムトが後世の装飾に影響を与えたことも良く分かる。
同「牧歌」:非常に上手い、シンボリック。裸体の男の目がセクシーで、これはバタバタ落ちる人が多数と思われる。
エルンスト・クリムト「宝石商」:文様の前に精密な人物像が描かれ、ちょっと合っていない感じもするが上手い。

第3章「エゴン・シーレ」。正直期待していなかったのだが、このコーナーがなければ見どころが一つもなかっただろう。
アントン・ペシュカ「エゴンシーレの肖像」:複雑な色彩を背景に散らし、そのタッチとともに大変面白い作品だ。シーレのメランコリー気質、野心、不安のようなものが感じられる
エゴン・シーレ「アルトゥール・レスラー」:このポーズはまさか荒木飛呂彦? 思わず「ドッギャーン!」と言う効果音や、「ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!」とセリフをつけてしまいそうだ。背景も白と薄ピンクで微妙に塗り分けられており、”スタンド”が現れているかのようだ。

同「ヒマワリ」:枯れた向日葵と足下の赤い花の生命感が対峙する名作。
同「自画像」:ヴァルカンサインをするシーレ。
同「裸の少女」:デザイン文字のような神経質なサインが記されている。

第4章「分離派とウィーン工房」。
ヴィルヘルム・ベルナツィック「池」:鮮やかな花の赤、緑の植物。象徴的だ。
カール・オットー・チェシュカ「学問の寓意」:サソリ、フクロウ、星とシンボルだらけ。
エドゥアルト・シュテラ「踊り子」:日本の茶碗のようなものを掲げ持つ裸体女性。ベルギー象徴派との近さも感じる。

第5章「自然主義と表現主義」。20世紀初頭の作品ばかりなので、展覧会テーマに合っているのか? またクリムト、シーレファンは興味ないだろうなあ。

この時代の作品は宗教や王権などから自由になりつつあったのだろうが、今見ると”象徴”や”シンボル”の虜になっているように見える。完全に自由に絵画を描くということは無理なことではあるのだろう。

工芸館の「森のカークラフト展」は、車に興味のない私だがそこそこ面白かった。石膏にカラーリングしたものや、木製カー(しかも木の固まりから掘り出しつつある瞬間のような作品)、ボルタのような車。伊藤隆介の「Realistic Virtuality」はワーゲンが走る模型を拡大投影したもの。

■アダノンキ「藤井湖弓個展」。油彩の上に写真をコラージュしたり、小さなペン画を描いたりした小品展。ギターの楽譜と地図のようなものが描かれている作品が、面白い。ご本人は地図や数字が好きということで、それが作品に自然に出ているようだ。「どんな数字が好きですか」等と聞くと、素数論の話をしてしまいそうになるので、自粛しておいた。

■アリアンス・フランセーズ「ステファン・エッテ写真展」。最初、黄色と紫の芋虫を見て画なのかと思ったが、写真なのだそうだ。背景がほとんど白に見えるような処理をしているため、作り物のような不思議な仕上がりになっている。

■さいとうギャラリー「第15回夏まつり「星・star」展」。これも小品展なので1点選んでみると、金子直人「なるのだ!」と言う作品にしてみよう。金属で「一徹」と造形されているので、これは当然「星」ということになる。

前の日にカレースパゲッティを食べたのだが

2009年07月18日 11時59分36秒 | 食べ歩き
19日は出かけようと思っていたのだが、今のところの天気では挫折しそうだ。小樽にも行く予定であった。小樽といえば、私の好きなカレーの「G」が閉店してしまったらしいのだ。それでは前日にカレースパゲッティを食べておこうということで、札幌駅近くの「I」へ。いつものごとく、福神漬を多めにとり、途中から粉チーズをかけて食べる。いつもの味だ。

20090718最近読んだ本

2009年07月18日 08時44分41秒 | 読書
■「今夜もイエ~イ」大竹聡
酒飲みマインドは文句のない所だが、文体が少々うーん…
書かれていた内容で自分と共通する話は、血を吐く話と海外で未成年に見られる話かな。

■「日本詣で」嵐山光三郎
日本全県と東京全区の簡単な紹介。旅の話というよりは自分の思い出話の要素も多い。ところで、日本の県の数やアメリカの州の数って知っていて当然だと思うのだが、意外と知らない人がいるかもしれない。と、以前そういう話をしていたら、父親が「ソビエト連邦(当時)を構成する国の数は」と質問してきたので、そうきたかと感心したものである。自慢しておくが、正解したけどね(再読)。

■「悲しき人形つかい」梶尾真治
脳波で人の体をコントロールするサポート器具を作ったのは良いが、死んだヤクザの組長を生きているように見せかけなければならなくなったので、さあ大変。

■「切れない糸」坂木司
しぶしぶ家業のクリーニング店を継いだ主人公。服にまつわる謎が発生するのだが、お人よし主人公+切れ者の友人パターンで謎を解く。年配の仕上げの達人も気になる人物である。

■「僕は秋子に借りがある」「どちらかが魔女」森博嗣
短編集の再録であった。全部読んだことがある。

以下、図書館の2冊。
■「ズレまくり! 正しすぎる法律用語」長嶺超輝
特に新しい知見が得られるわけでもなく、ありきたりの内容であった。

■「偽善エコロジー」武田邦彦
この内容がどこまで信頼できるかは検証が必要だと思う。しかし、リサイクルのいくつかは明らかにエネルギーを投入しすぎで、環境負荷を結局高くしていると思う。