
Yahoo!ニュースより
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110108-00000101-jij-soci
フグ料理で店主死亡、客重体=調理免許なし―愛媛(時事通信)
どうやら、フグの「肉」「白子」だけでなく「肝臓」も食べたことに加え、「無免許」であったというのです。
(もっとも、ふぐ調理師免許をもっている方は内臓を客に食べさせるようなことはないでしょうが・・・)
フグの種類はわかりませんが、基本的にフグ科魚類はみな肝臓などの内臓に毒を持っているのです。ですからどのような種のフグといえど、内臓を食すべきではないのです(精巣、すなわち「白子」には無毒のものが多く、筋肉と皮とともに食用にされているものもいます。可食部位は、「筋肉」「皮」「精巣」としていたと思います)
しかしどうやら、「肝臓に毒のない個体もいる」ということが研究によってわかっているらしく、肝臓を食べても死なない(あたらない)ケースもあるそうですが、これがこのような危険な習慣を生んでいるのかもしれません。
フグには他にも、危険がたくさんあるのです。
1.個体によって毒の差がまちまち
上でも述べましたが、フグは同じ種類でも個体によって毒の量が違ってくることがあります。今では産地によっても毒の有無や毒性の強さが分かっているそうです。たとえば、東北のある地域ではヒガンフグやコモンフグの毒性が強く食することができません。
一方でナシフグというフグは、かつては食用可のフグとされましたが、90年代までに各地で食中毒が発生、食用禁止となっていました。しかし、有明海や橘湾産のものの活魚は無毒とされ、条件付きで解禁されました(ただし本種の場合、採集場所にかかわらず無毒ともいわれています。死後、皮に含まれる毒が筋肉に移行する可能性もあるのだそうです)。したがって、処理や保存方法が悪くても、毒を持つ可能性が出てくるということです。
2.同定が難しい
日本には筋肉に毒がないサバフグ属魚類として、シロサバフグと、クロサバフグ、カナフグの3種が知られています(他は有毒、もしくは毒性不明)。これらのフグは惣菜や干物、鍋など人気がありますが、これらのフグとよくにたドクサバフグというのがいて、これは内臓はもちろん筋肉にも強い毒があり、食用不可とされます。実際に1959年に4名の死者を出しています。
ドクサバフグは非常にシロサバフグやクロサバフグにそっくりで、体背面の棘の分布や尾鰭の形状などに差がありますが、見分けるのが非常に難しいのです。
3.交雑しやすい
フグの仲間は交雑種も多く報告されています。基本的にフグの卵は沈性粘着卵で、雌に対し多数の雄が追尾して産卵、その「多数の雄」のなかに異種のフグが混じることもあり、交雑も生じるようです。トラフグ、コモンフグ、クサフグ、ナシフグ、シマフグなど、多くの種で見られるようですが、雑種のフグの毒性は、現状ではよくわからないのだそうです。→毒性不明、食用不可。
したがって、フグの仲間は自分で釣って食べるべきではないのでしょう。今では船宿でもふぐ調理師の宿主(?)がつったフグを料理してくれるところがあります。そういう方々にお任せするのがベターでしょう。