魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

タルボッツデムワーゼル

2021年10月21日 00時35分29秒 | 魚介類飼育(海水)

最近新しいスズメダイを購入した。タルボッツデムワーゼルという種類である。

タルボッツデムワーゼルを飼育するのは初めてのことではない。昨年の3月から1匹を魚混泳水槽で飼育している。しかしこの個体は従来からいた個体とはだいぶ色彩が異なっている。体側の色が前からいたものよりも黒いのである。

じつは今回購入したタルボッツデムワーゼルはフィジーなどに生息しているタイプで、体の色が黒っぽく地味になった代わりに、頭部が鮮やかな黄色に染まる。一方以前から飼育していたのはインドネシアのほうで体全体が黄色っぽい。このほかローランズデムワーゼルや、アオスジスズメダイなどでも海域による変異が知られているが、シリキルリスズメダイなどは海域の変異がそれぞれ別種とされるようになった。そのためタルボッツデムワーゼルも複数種に分かれるかもしれない。

スズメダイの仲間なので価格は安いほう...であるのだが、この個体は大体一般的なタルボッツデムワーゼルの3~4倍くらいはする。もっともそれでもスズメダイ類だからあまり高価ではないのだが。これがヤッコの仲間とかだと、お値段は一気に跳ね上がってしまう。飼育はしやすく、餌もよく食べるし、サンゴはつつかないし、重要な点としてはスズメダイとしては(現状)性格がおとなしめということがあげられる。それでも混泳を考えるなら90cm以上の水槽での飼育が望ましいだろう。

なお名前は「トールボッツデムワーゼル」「トールボッツダムゼル」「トールボッツダムセル」などという表記ゆれがある。学名の種小名は人名由来であろう。

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タマギンポ

2021年10月20日 00時44分50秒 | 魚介類飼育(海水)

いつもの潮だまりで変わったイソギンポ科の魚を発見。タネギンポ属のタマギンポ。タマギンポは頭部や体側に小さい白い斑点があるので、同じ属のタネギンポなどと見分けることができる。なお、名前がよく似ているタマカエルウオとは別種なので注意が必要である。

タネギンポは以前にも喜界島や沖縄島、石垣島で発見したり採集しているので「はじめまして」ではないが、採集して飼育しようとするのは今回が初めてである。いつもの潮だまりではカエルウオの仲間はカエルウオとタネギンポが優勢で、本種は見たことがなかったのだが、今回初めて発見。和歌山県以南で見られるというが基本的には屋久島以南に多い魚のようである。

採集したときからえらい細長かったので心配していたが、我が家の水槽につれて帰ると最初から配合飼料をよく食べてくれ、一安心。しかしカエルウオの仲間、とくにカエルウオ属やタネギンポ属の魚は、水槽から飛び出してしまいやすいので注意が必要。フタをしっかりするのはもちろんのこと、フタの隙間も忘れずに埋めてあげたいところである。

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ワニエソ

2021年10月17日 01時05分24秒 | 魚紹介

久しぶりにぶろぐ更新です。

この間小旅行に出かけておりまして、そこで購入したのがワニエソ。ワニエソは全長60cmをこえ、日本に分布するエソ科の魚の中ではかなり大きくなる種類。

ワニエソもマエソ属の魚で、マエソにも似ているが、マエソと異なり尾鰭の下のほうが黒くなっているのが特徴。マエソは尾鰭の下方が白い。鱗の数(側線鱗数)もワニエソのほうが多く、普通54以上なのに対し、マエソでは50以下。脊椎骨数も異なっている。

本種はマエソと異なる点はほかにもあり、雄では背鰭の軟条が長くのびる。この種を八幡浜では「ヒレナガ」と呼んでいた。たしかマエソは「エソ」、トカゲエソは硬めの体であり「石エソ」と呼んでいたと思う。いずれも練製品の原料として重要なものであり、四国西部の練り物文化を支えてきた魚たちだ。ただし漁業ではありがたがられるものの、釣り人にとってはあまりありがたがられないのがエソの仲間たちだ。淡水釣りではちやほやされる脂鰭もちも、海釣りでは見向きされない。今回はひとつのパックに2匹入っていた。大きさも50cm近い。これでも小さいのをチョイスしたのである。ほかに70cmくらいの巨大な個体も販売されていたが、それは手を出さなかった。安価(300円前後)で販売されるのはさすがは「みなみくん」といったところか。

塩焼きにしてみたがこれが美味しい。醤油をかけたりして、ほぐしたりして食べる。しかしエソの仲間は先述したように、練製品原料としての価値が非常に高い。

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