いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第23週

2024年08月31日 18時03分28秒 | 筑紫洲 (つくしのしま)

▲ 今週のみけちゃん
▼ 筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第23週

■ 今週の筑豊境

▼ 台風一過

■ 今週のメタセコイア

■ 今週の半額:ヤズ刺身

ヤズ:ブリの若魚 [google]

■ 今週の鰂

マイカ(上)とアカイカ

■ 今週の4点

トースト・たね4点;豚ペースト、オレンジジャム、バター、餡子。九州に来て、「お武家さま」=座食からの卒業した。自腹でお米を食べている。お米消費量の削減のため、パンを食べざるをえない。最近は、お米が高騰しているし。

■ 今週の訃報、あるいは、なつかしい本の話

日本近現代史の史料発掘に努めた歴史学者で、東大名誉教授の伊藤隆(いとう・たかし)さんが19日、合併症で死去した。91歳だった。(google

1983年刊行。伊藤隆、『近衛新体制』。おいらは10代の頃読んだ。おいらの《世界像》形成の初期に読み、ビンゴ!と思った本。1980年代初頭、まだ、いわゆる「講座派」史観、端的にマルクス主義思想に基づく「ファシズム」史観が支配する歴史書でつくられる知的雰囲気があった。


1983年刊行の中公新書2冊:『近衛新体制』、『戦略的思考とは何か』

そういう雰囲気の歴史書を読むと、日本が戦争で壊滅したのは「軍部」のせいですというものいいだった。「軍部」や「ファシスト」という悪者が日本を滅ぼしたのだ、と。その象徴が東条英機。素直に、じゃあ、軍部って誰?と調べると、対米戦争に打開を求めざるを得なくなった日本で、そこに至るには、支那事変の拡大、対支那・国民党政府との交渉拒否、大政翼賛会、日独伊三国同盟、国家総動員法、仏印進駐などの諸策が実施されたとわかる。そして、その責任者は首相の近衛文麿とわかった。でも、当時、いわゆる「講座派」史観に染められた素人向けの本には、悪者=近衛文麿=ファシスト!という風には書いてなかった。

さらに、歴史とは別に、当時、現実政治で、左翼は政敵をしばしばファシストよばわりした。実は、ファシストの条件が明確なわけではなく、ただ左翼の気に入らない政敵にファシストのレッテルを貼れば済むと思っていたのだ。実は、ファシズム・ファシストの詳細、定義はあいまいであった。さらに、戦争協力、もっといえば戦争推進勢力について。昔、冷戦時代には日本共産党は同党は戦争に反対した唯一の政党と自画自賛していた(google)。でも、戦争協力、もっといえば戦争推進勢力の少なからずが日本共産党「出身者」=転向者[1]であった。今では、朝日新聞や読売新聞が戦争煽動勢力であったことは周知ではあるが、1983年頃はある種「タブー」であった。縮刷版のダイジェストが図書館にもあり、こういうことは公知であったが、特に朝日新聞の戦争煽動は糾弾されていなかった。

[1] 戦前の日本共産党は委員長や幹部だった佐野学、鍋山貞親などは、転向 (共同被告同志に告ぐる書 (wikipedia))したばかりではなく、日本の戦争を評価し、肯定する理論を喧伝することとなる。確かに、この転向で日本共産党は佐野、鍋山を除名する。ただし、日本共産党の党員の多くが雪崩を打ったように転向する。さらに、転向後「ただの人」になったのではなく、満州国に行ったり、近衛新体制に参加したり、「天皇制ファシズム体制」を促進する人材となっていく(愚記事)。

そうような時代状況で下記文章は印象深かった;

「近衛新体制」運動ー 大制翼賛会の成立は多く日本ファシズムの確立として評価されてきた。 私は本書においてファシズム という言葉を使っていない。ただ「ファシズム」を、党による国家の支配、 政治による経済の支配を中核とする新しい体制をめざす、別な言葉でいえば全体主義を意味するとするならば、それに最も近いものをめざしたのは 新体制運動を推進した「革新」派であったと言ってよい。近衛をはじめとして、軍内の「革新」派、新官僚の多く、そして風見 章、 有馬頼寧、中野正剛、尾崎秀実、社会大衆党の多く、さらに転校した共産党の多く(この大半が戦後再転向して日本共産党を構成する)がそうだということになるが、多くの 論者が彼らを必ずしも 「ファシスト」とよんでるわけではないのは一体どういうわけであろうか。 (伊藤隆、『近衛新体制』)

支那事変が収拾がつかなくなったことについての物語は、「軍国主義/ファシズムと右翼」がやったのだというものがある。1980年頃までは、全くその物語で戦後日本は充満していた。でも、伊藤隆など「ファシズム」概念の再検討の研究などを例として、「軍国主義/ファシズムと右翼」神話の神通力はなくなってきている。

むしろ、支那事変(日中戦争)を煽ったのは、「左翼」(=公然組織としては社会大衆党、非公然としてはコミンテルン) であるという指摘もなされるようになった。そして、何より、支那事変(日中戦争)を煽ったのは、朝日新聞である。(愚記事再録)

▼ 1986年、『重光葵 手記』、伊藤隆ら 編集

『近衛新体制』の3年後に刊行されたのが、『重光葵 手記』。この重光葵の手記を遺族から受けて刊行したのが、伊藤隆。おいらの《世界像》形成に影響を与えた。この年、中曽根自民党は衆議院で300議席を獲得。戦後政治の総決算を謳った。保守回帰の時代。戦後政治の総決算とは端的に「吉田路線/吉田ドクトリン」の修正。社共(社会党、共産党)の時代ではないと世間は知っただろうが、世間の風潮は軽武装経済大国を謳う吉田ドクトリン体制にまどろんでいた、湾岸戦争の現実にぶちあたるまでは。

もっとも、重光が党首だった改進党の代議士として活動を始めた中曽根康弘は自主防衛路線を棄て、陸上自衛隊初めての日米共同訓練(1981年)を是認し、改憲を引っ込めるなど「9条ー安保ー自衛隊(米衛隊、あるいは「永遠にアメリカの傭兵」)」路線を採った。

 

▼ 重光葵ー佐野学

40年前から知っていた重光葵と佐野学 [wiki]だが、同じ城下(大分県杵築)の出だと、今年知った。二人とも東大。⇒ google

重光葵が5歳年上。

▼ 『岸信介の回想』1981年。『歴史と私』2015年

伊藤隆が、矢次一夫と共に岸信介にインタビューした結果できた本が、『岸信介の回想』。おいらは、1986年頃すぎに読んだ。非吉田路線(対米従属路線)の系譜への関心で読んだ。


重光葵と岸信介

▼ 元アカ、坂野潤治

そして、伊藤隆の回想が『歴史と私』2015年。これは刊行時に読んだ。伊藤隆が「元アカ」(アカ=共産主義者。元アカ=かつて共産主義者であり、転向した人)であったことは2001年の『日本の近代16 日本の内と外』をみるまで知らなかった。びっくりした。そして2015年の本で、坂野潤治と若いころは盟友であったこと(ふたりとも「アカ抜け」した後)、そして疎遠になったことも知った。坂野潤治は共産党だけでなくその後ブントまで行った。西部邁の共産党入党を勧めたのが坂野潤治であると西部が云っている。


東京地方裁判所 昭和35年(刑わ)4091号 判決 1965年8月09日

錚々たる「お歴々」。西部邁、加藤尚武、坂野潤治...

▼ なつかしい本の話@1983年

伊藤隆、『近衛新体制』と同じ年に刊行された本。手元にあるもの。41年前だ。『構造と力』と『大衆への反逆』は現在でも文庫として新刊が出ている。

きちんと書かないといけないことは、1983年は米ソ冷戦が厳しかった頃だ。ソ連軍、北海道上陸!とかマジで想定されていた。北海道では「北部方面隊火力戦闘演習」(参考web)が前年に実施されている。そして、大韓航空機撃墜事件(ソ連空軍機が民間旅客気を撃墜、死者269人)はこの年だ。ソ連の「野蛮性」が明らかになってきた。従って、マルクス主義の影響も低下し、さらに共産主義、ソ連を公然と批判してもよい風潮が強くなった。ちなみに、それ以前は、ファシズムとは反共主義であるという「金縛り」があって、知識人・文化人には共産主義、ソ連を公然と批判するには躊躇があった。

そういう背景で、曽野明、『ソビエトウォッチング40年  あたまを狙われる日本人』や『戦略的思考とは何か』が広く世間に受け入れられた。ここで広く世間とは、未だ左翼の風潮が金縛りを与えている大学知識人ではなく、現実的なビジネスマン、官僚など経済成長して形成された中産階級の中の知識的集団に受け入れられたに違いない。

繰り返すと、当時は米ソ連戦が厳しく、ソ連の脅威への対処に緊迫感があったので、岡崎久彦の考えを「対米従属親米保守」と批難するものはいなかった。当時の岡崎久彦への最大の批判者は「吉田ドクトリンは永遠なり」の永井陽之助だ。

曽野明の当時の惹句は「三国同盟に反対した外交官」みたいなもの。実際は『ソビエトウォッチング40年』に書かれているように、外交官採用試験の面接で日独防共協定について意見を聞かれ、「これで日本は潰れます」と答えた。ところで、曽野明は東大生の時、重光葵に講演を依頼した。よい返事がないので自宅に押し掛け、居留守を使っていることを見抜き、結局講演の約束を取り付けたと書いている。そして、重光から「きみたちのようなしぶとい奴は外務省にこいよ」と言われたと。

 


筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第22週

2024年08月24日 20時01分39秒 | 筑紫洲 (つくしのしま)

▲ 今週のみけちゃん
▼ 筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第22週

■ 今週の筑豊境

▼ 筑紫洲で見た「仙台帰り」


菓匠三全 萩の月 (google

■ 今週のずれ

⇒ 戸田屋 和菓子詰め合わせ(google

■ 今週の「基地外氷菓」

ココナッツサブレ<島パインココナッツ味>(web site)を食べた。「「ココナッツサブレ」のバースデーを盛り上げる「ブルーシール」との初コラボ!!」とのこと。

ブルーシールをおいらは知らなかった。<荊の簪を挿した御方さま>は知っていた。<南の島>へ行く途中<本島>を乗り継ぎのため行き泊りもしたが、知らなかった。そして、ググると、基地外氷菓であるとわかった。

 引用元

■ 今週の烏賊


アカイカレアステーキ (google)


沖縄県産そでいか (web site


福井県水揚げ 漬けほたるいか

■ 今週の理解できる誤解、あるいは、今週借りて読んだ本

彼の出身地である大阪中津は、」とある。ここで、彼とは福沢諭吉のことである。もちろん、福沢諭吉は現在の大分県(当時豊前国)の中津にあった奥平家の家臣であった。豊前国中津の奥平家(中津藩)の家臣である諭吉の親が、中津藩の大坂の米蔵で働いていた時生まれたのが諭吉。現在の大坂市福島区福島一丁目(ソース)。一方、福沢諭吉とは関係なく、大阪に中津という地名がある。

この本、佐藤明子、『幕末外交事始 文久遣欧使節 竹内保徳』での誤り、「彼の出身地である大阪中津は、」というのは豊前国中津と諭吉の誕生地である大坂が混合してできた誤解に基づく。

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福沢諭吉は3度欧米に行った。いずれも、明治維新前。つまり、徳川幕府が派遣した外交団としての洋行。1度目と3度目は米国。2度目が欧州。その諭吉の2度目の洋行(1862年)は文久遣欧使節であり、その最高責任者が竹内保徳(wiki)。竹内保徳は、勘定奉行兼外国奉行。諭吉は使節団の末端の通訳。門閥制度のあらわれだ!というかと思うと、そうでもない。竹内保徳は旗本だが、200俵だったという。1石は2.5俵らしいので、80石。諭吉の家は14石。雲泥の差でもないだろう。竹内保徳はそれ以前に函館に7年いて、開港の対策として、五稜郭建築の責任者であった(上記wiki)。

この『幕末外交事始 文久遣欧使節 竹内保徳』の著者佐藤明子さんは子孫。内容に自家の未公開資料が紹介されているとかそういうことはない。むしろ、佐藤明子さんの近代日本の欧化に関する随想が多い。武士とは何かとか。第1章は「士という生き方があった」とある。新島襄、内村鑑三、三島由紀夫、高田屋嘉兵衛、大塩平八郎、朱子学などが語られる。生き方が鍵語だ。そこで、佐藤明子さんとはどういう人かというと、本書の著者紹介にある:1965年京都生まれ、出版社勤務を経て情報誌などに執筆。著書『ミックジャガーという生き方』(2006年・青弓社)、『沢田研二という生き方』(2008年・青弓社)。現在横浜市在住。文久遣欧使節団正使竹内保徳の子孫にあたる。

   右端 竹内保徳

出版社勤務、『ミックジャガーという生き方』というから、「ロンドンに行きたい」系(←古い!)の人かとおもった。

この『幕末外交事始 文久遣欧使節 竹内保徳』で初めて知った。現在の英国の警察官は拳銃を携帯していないと。知らなかった。

正使、副使、目付、組頭の使節幹部。 左から、wikipedia:松平康英竹内保徳京極高郎柴田貞太郎

(現代日本人にほぼ知られていない)彼らが今の世を見たら、あの福沢がお札の顔となって日本人で知らぬ者がいないことに驚くだろう。もっとも、お札=全国共通紙幣通貨を理解できないかもしれない。

◆ 諭吉の性格の悪さ

福沢諭吉について知らなかった情報があった。でも、情報源は明記されていない。諭吉の息子は結婚直後、嫁に逃げられた。その逃げた嫁に宛てた諭吉の手紙が残っているという。その手紙では、身分が違うのを承知で嫁にしてやったのに不届きだと批難しているとのこと。

■ 今週の超政治

われらが 愚民党 LDPの歴代総裁絵巻。政治家の群像だが、この配置、顔の大きさを決めることこそ党内大政治問題ではないか(な?)。印象は多々あるが、一番は、角栄でかいな、だ。あと、当時の政治力の割に小さいのが竹下登。さて、占領軍に追放された経歴をもつ自民党総裁に〇を付けた。さて、□を付けた自民党総裁の属性は?

答え:自由民主党結成に参加していない佐藤栄作と池田勇人。

■ 今週の訃報:松岡正剛

「編集工学」の方法論や、書籍紹介サイト「千夜千冊」などで知られる著述家の松岡正剛さんが今月肺炎のため亡くなりました。80歳でした。ソースgoogle

2010年に東京駅の丸善で「松岡正剛の千夜千冊」というブックフェアをやっていて、行った(愚記事:デリー化する東京で、松丸本舗参拝)。回顧 web siteがあった:「松丸本舗」のオープン ~常識をくつがえす実験的書店空間~

 

 


筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第21週

2024年08月17日 19時20分35秒 | 筑紫洲 (つくしのしま)

▲ 今週のみけちゃん
▼ 筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第21週

■ 今週のよその猫

■ 今週の筑豊境

■ 今週の陽射し

■ 今週の三昧:三昧

いか三種盛り: やりいか・アカイカ・大葉漬けアカイカ 

■ 今週のスペイン:あふれるレモン感

■ 今週の非倒文字

倒してない(さかさまになっていない)。

倒福(とうふく)とは春節の際に家々に貼られる「福」の字を書いた赤色の紙。福が到(中国語の発音は拼音: dào)るようにという願いを込めて、倒(拼音: dăo)して貼ることが一般的となっている。wiki

google

■ 今週のお魚



あじ。 3割引き

共に、熊本産

■ 今週の半額

「すしあげ」(google)という言葉を初めて知った。


油揚げとすしあげの違いは何ですか?
薄揚げ・すし揚げ(寿司揚げ)とは - クックパッド料理の基本
薄揚げもすし揚げも、いわゆる一般的な油揚げの別称ですが、すし揚げの場合は三角形のいなり寿司を成形しやすいよう、正方形に作られた油揚げを指すこともあります。(ソース)

■ 今週返した本

『村上春樹と小坂修平の1968年』(google)は横浜市立図書館になかった。北九州市立図書館にはあった。借りた。笠井潔と絓秀実の対談本、『対談 1968』(「やっぱり村上春樹も、"68年"の人なんだなあ」(絓秀実))でこの本について言及されていた(愚記事)。それで、おいらは知った。著者のとよだもとゆきは早大文学部で村上春樹のひとつ上の学年らしく、あの紛争の時代に「そこ」にいた。その当時の状況のひとこまが書かれていた;

 六八年頃だったろうか。あるセクトの人間がビラをもって大学の教室に入ってきて、「あと三、四年後に日本に革命が起こるぞ」と自慢気に語っていたことを想いだす。(中略)そのセクトの人間は続けて、なぜか唐突に「革命が起こったら、大江健三郎は人民裁判にかけて死刑だな」と加えた。(とよだ もとゆき、『村上春樹と小坂修平の1968年』、全共闘運動の光と影)

▶ 村上春樹と小坂修平が同時に出る愚記事


筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第20週

2024年08月10日 20時25分56秒 | 筑紫洲 (つくしのしま)

▲ 今週のみけちゃん
▼ 筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第20週

ぶどうを収穫。ジュースにして飲む。このぶどうの木のぶどうをジュースにして飲むのは12年ぶり(毎週、ぶどうの木の画像を撮っています; 70週目)。

■ 今週の筑豊境

■ 今週の月

■ 今週の支那料理

ピータン。皮蛋(ピータン)は、アヒルの卵を強いアルカリ性の条件で熟成させて製造する中国の食品wiki)。

■ 今週の目立ったアクセスページ

昭和の成仏のために:横浜市立稲荷台小学校、元戦災者共同住宅、昭和天皇、戦後巡幸第1日目

■ 今週の「質の低さ」:日本の科学。 イラン以下

文部科学省は9日、日本の研究力を示す「科学技術指標2024」を公表した。注目度の高い論文数の国別順位は、過去最低となった昨年と同じ13位だった。博士課程の入学者数が4年ぶりに増加に転じるなど、反転の基調も見られるという。朝日新聞

ここで「トップ10%論文数」というのは引用された回数が高い論文の数のこと。重要な科学的貢献をした論文がより引用されることに基づく 。いくら論文を書いても、科学的意義が低ければ、見向きされない。他の科学研究の貢献できない。ひとりよがりの研究となる。ところで、日本の公的科学研究費は、エビデンスはないが、あった、下記。イタリア、オーストラリア、カナダ、韓国、スペイン、そしてイラン [1]よりは多いだろう。しかしながら、「トップ10%論文数」は少ないのだ。なぜだろう? 質の低い日本科学 [2]。

報告の要旨によれば: 主要な指標から日本の状況を見ると、日本の産学官を合わせた研究開発費、研究者数は主要国(日米独仏英中韓の 7 か国)中第 3 位、論文数(分数カウント法)は世界第 5 位である。注目度の高い論文を見ると Top10%・Top1%補正論文数で第 13 位・第 12 位である。いずれについても、昨年と同順位である。 ソース)とのこと。研究費、研究者数ともに3位。一方、引用される論文が少ない。やはり、日本科学は質が低いのだ。お金たくさん使って、頭数だけ多い日本研究者。

10年前(【悲報】 質の低い日本科学技術; 特亜並み、いやむしろ中国に抜かれる)より一層質が低下している。

[1] おいらは、イランを侮っているわけではない。ペルシアには、日本よりよほど古い、科学の伝統がある。でも、今、お坊さんの国なんだけどね。

[2] 中国自国研究引用主義:周知のことと思うが、トップ10%論文数で中国が第1位である理由のひとつが、中国人研究者は引用論文として自国中国の研究者の論文を挙げる。これはやや異常で、引用文献のほとんどを中国論文という中国論文はよく目にする。これは中国以外の論文の貢献を無視、軽視していることである。先行研究無視という知的誠実性というか倫理性を疑う行為がしばしば認められると、おいらは思う。

■ 今週の明徴化:ジェノサイド許容国家群、あるいは、長崎の「ユダヤ」人

 長崎の「ユダヤ」人

興味深い展開となった。長崎市長はイスラエル大使を招待しなかった理由を「イスラエルが無辜を不要に殺害しているから」だとは云っていない。おそらく推定するに、まず2年前からロシアを招待していない。これはロシアが侵略戦争を始めたからだ。そして、ハマスによるイスラエルへの攻撃。自衛権行使として過剰なガザ攻撃。結果、国際司法裁判所からもイスラエル首相が起訴される事態。こういうイスラエルを長崎には呼べないだろう。さもなくば、ロシアとイスラエルに適用基準が異なるから。でも、駐日米国大使は反発した。政治力を発揮し米国の同盟国も一緒にボイコットすることにした。邪推だが、駐日米国大使は東京で同盟国に相当圧力をかけた。しかも、本国の指示ではなく、自分でやった。剛腕で事項力があった。これはLGBT法案の時と同じだ。ニュースではG7の6か国と強調され報道されるが、オーストラリアも入っているとの報道もあった。つまり、英米加豪である。これら諸国が長崎の原爆平和式典をボイコットしたことについて、「日本よりイスラエルを取った」という感想がみられた。そういう視点もあるが、英米加豪がイスラエルを保護、支援しなければいけない理由は思想にある。自分たちの存在の根拠の思想だ。米加豪は「シオニズム」国家である。つまり、先行して居住していた人々を駆逐、虐殺してヨーロッパから来た白人たちが建てた国だ。現在、イスラエルが旧住人のパレスチナ人を駆逐して国を建てたことと同じだ。そして、今回のハマスからの攻撃を機に自衛と称し、パレスチナ人を虐殺にかかっている。さらに、独仏。独仏もイスラエルを保護、支援しなければならない。ドイツはいうまでもない。ユダヤ人を大量殺害したからだ。そしてフランスは国内のユダヤ人をドイツに引き渡した。これらの行為で現在もユダヤ人から相当詰められている。英米加豪独仏は、自衛権を逸脱したイスラエルによるパレスチナ人虐殺を容認している。その合理化の論理も単調でありなものだ。「ロシアは侵略国で、イスラエルは侵略されている国だ」と米国駐日大使。確かにそうだ。侵略された国は自衛権を行使して当然だ。ただし、自衛権行使において何でもしてよいものではないだろう。自衛というには、現在のイスラエルは無辜を殺しすぎだ [1]。ガザという都市を破壊している。長崎の平和式典は原爆被害と都市破壊への都市としての平和祈願だ。その主旨からみて、ガザを破壊しているイスラエルの招待は無理だ。

ところで、「シオニズム」国家であるイスラエルの建国は、国際法における先占の法理により合法なものとされている。

パレスチナ問題 - イスラエルは、イギリスがイギリス委任統治領パレスチナの委任統治を放棄し、アラブ側がパレスチナ分割決議を拒否した時点で無主地になったと主張し、占領では無く先占を主張している。wiki

先占の法理は、近世初頭における地理上の大発見以来、ヨーロッパの列強による植民地獲得競争の法的基準として作用したので、米加豪の建国根拠は先占の法理となる。<野蛮人>は殺す。

イスラエルは自分の戦いは野蛮との闘いといっているので(「文明同士の衝突ではなく、野蛮と文明の衝突だ」[愚記事])。

[1] 『 肉1ポンドならいいが、「血は一滴も、流してはならぬ」』というのは、事実上自衛権行使を牽制するものであり、 新手の  使い古された<ユダヤ人>差別であると、団体から抗議が来るかな?

■ 今週の restration・修復 (art, monarchy )、あるいは、「これで3回目」、スペイン美術の運命

 

スペインの教会の天使像、修復失敗で残念な顔(google

過去にもあった;

■ 今週の訃報

1970年代のウーマンリブ(女性解放)運動の中心的存在として知られる田中美津(たなか・みつ)さんが7日、多臓器不全で死去した。81歳だった。朝日新聞

田中美津関連愚記事

田中美津と我らが「極右」の長谷川三千子(関連愚記事)との対談というのがあった。2016年。当時、田中美津の主宰web siteに会の様子が報告されていた。今、探したが、すぐには見当たらなかった。情報を探すと2,3あった。

長谷川さんと言えば、フェミ嫌いな人、という印象が強い。80年代の男女雇用機会均等法のときも、90年代の男女共同参画社会基本法のときも、女性の社会進出を推進するフェミを批判してきた。(中略)そんな長谷川さんと、日本のウーマンリブの先駆者である美津さんの対論だ 北原みのり「フェミ嫌いの長谷川三千子さん」

長谷川三千子氏との対話。氏は日本は米国の属国・占領状態にあると考えていて、TPPや原発にも辺野古移設にも批判的。要は安倍首相の政策の多くに批判的だ。にもかかわらずなぜ支持するのか。「安倍さんの本心は真逆だと思うから」が一つの答えだったんだが、これが僕には理解できなかった。(想田和弘)引用元:「不思議!なぜアベ政権を支持するの?対論長谷川三千子VS想田和弘」の文字起こし


筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第19週

2024年08月03日 18時00分00秒 | 筑紫洲 (つくしのしま)

▲ 今週のみけちゃん
▼ 筑紫洲 (つくしのしま) でもぶどう記録;第19週

■ 今週の筑豊境

■  今週の新旧

JRのコンテナで、ヤマト運輸のものの新旧をみた。

■ 今週の定食:アジフライ定食

■ 今週の無名毛唐少女、or an anonymous caucasian girl

 チロルチョコ、アップルパイ(web site

東アジア圏のお菓子やパンのキャラクターで、なぜかしら、毛唐の少女が使われている。


左:マレーシアのグローバル菓子メーカー、ジューリーズ(Julie's)、リニューアルロゴ
右:御存知、ヤマザキパン (愚記事より)

チロルチョコ、アップルパイの毛唐の少女には、ヤマザキパン同様、名前がないようだ。

■ 今週の無名毛唐少年、or an anonymous caucasian boy

 

アベイ abbaye ノルマンディー バタークッキー (ヨドバシカメラ)  [google]

■ 今週の「正義の実施」(法の裁きが下された/''Justice has been done'')、あるいは、お尋ね者、お尋ね者を殺害、はたまた、主権侵害、なにより米国の思想・作法に倣うイスラエル

⇒殺害⇒ 
↑ 進行中の「シオニスト」 
↓ 成功した「シオニスト」
⇒殺害⇒  

イスラム組織ハマスは31日、最高幹部イスマイル・ハニヤ政治局長(62)がイランの首都テヘランで、イスラエルによる攻撃で殺害されたと発表した。

イランのメディアによると、ハニヤ氏はテヘラン市内の退役軍人関連の建物に滞在していた。午前2時ごろに攻撃があった。滞在中の住宅がミサイルで攻撃され、ハニヤ氏と護衛が死亡したとの情報もある。ソースgoogle

イスラエルは自分の戦いは野蛮との闘いといっているので(「文明同士の衝突ではなく、野蛮と文明の衝突だ」[愚記事])、ハマスはもちろん、イランも野蛮としての敵として戦っていくのだ。

なぜ、殺害現場がイランのテヘランかというと、イランの新大統領、ペゼシュキアンの就任宣誓式に出席のためテヘランにいたのだ。イスラエルにとってイランは不倶戴天の敵。イランはイスラエルの国家の存立正統性を認めていない。この暗殺で、イスラエルはハマスはもちろんイランとも闘いを続ける意思を示したことになる。


30日会談したイランの最高指導者ハメネイ師(右)とハマスの政治指導者ハニヤ氏(テヘラン) ソース

▼ 舞台、あるいは、主権侵害

 

ラディンが殺害された場所はパキスタン。ハニヤはイラン。共に「第三国」だ。両国は主権を侵害されたことになる。今回、イスラエルが「第三国」での暗殺を「安心」して実行できたのは米国の先例があるからだろう。

お尋ね者のネタニアフとハニヤは、それぞれ、ケツモチの米国とイランに出かけ、イスラエル側がハマスのカシラのクビを獲ったということだ。

なお、パキスタンもイランもイスラム教を国教とする神聖国家(宗教国家)だ。

★ そして、俺たち

イスラエルのネタニエフは2023年10年7日のハマスによる襲撃を、2001年の米国に対する9.11テロと同一視している。さらには、1945年の我らが日帝の真珠湾攻撃とも同一視している。これをテロとしている。そして、テロを行う<野蛮>には、その実行者ばかりでなく周囲の無辜にも何をしてもよいと判断している。もっとも、彼らにとってテロの実行者の周囲に居ることが<野蛮>なのだ。当然、イスラエルのネタニエフ内閣は周囲の無辜の殺害を認め、ネタニヤフ首相率いる内閣の大臣はガザへの核攻撃を主張した。当然この思想では真珠湾にテロ攻撃した日本は無辜でも核攻撃で死んで当然ということになる。文明同士の衝突ではなく、野蛮と文明の衝突だ!
 9.11事件はウサマ・ビンラディンの殺害で区切りを迎えた。オバマ大統領が殺害命令を出した。なお、この時、この殺害の合法性を理論化することが行われた。ウサマ・ビンラディンは山本五十六と同じだ!

ウサーマ・ビン・ラーディンの前例

「真珠湾攻撃の立案者であり、ミッドウェーの戦いにおける敵部隊の指揮官を米軍機が撃墜したことは合法的な作戦であり、もしそれが今日実行されたとしても同じである。」(ハロルド・コー国務省法律顧問)

「(アルカイダの上級作戦指導者を標的とすることは完全に合法であり、)このことは前例なき発想ではない。実際、第二次大戦間に米国は、真珠湾攻撃及びミッドウェーの戦いにおける日本軍の司令官である山本五十六提督機を探知し、彼が搭乗していたことから撃墜した。私が上院司法委員会で、オサマ・ビン・ラディン殺害作戦について説明したように、その同じ戦例は今日にも適用される。」(ホルダー司法長官)ソース

イスラエル人、米国人のえすたぶりっしゅけんとの脳内の世界像では、アルカイーダ、ハマス、大日本帝国は同じ引き出しに入っているのだ。

ある晴れた朝、何千人もの米国人が奇襲で殺され、世界規模の戦争へと駆り立てられた。その敵は自由を嫌い、米国や西欧諸国への怒りを心に抱き、大量殺人を生み出す自爆攻撃に走った。愚記事

■ 今週のアクセス

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■ 今週の基地外米兵

青森県三沢市3人死傷事故 運転手は19歳アメリカ空軍兵と判明 遺体からは「アルコール」酒気帯び運転以上の値 警察が被疑者死亡で書類送検の方針「危険運転致死傷の疑い」を視野に捜査 google

■ 今週の基地外米兵@勤務中、あるいは、NAF


ソース

3日午前、神奈川県海老名市の田んぼにアメリカ軍のヘリコプターが不時着しました。けが人はおらずヘリコプターは1時間40分ほどあとに離陸して現場を離れ、警察などが引き続き詳しい状況を調べています。

消防によりますと、ヘリコプターはアメリカ軍の厚木基地から山口県にある岩国基地に向かって飛行する途中だったということです。

NAF所属のヘリらしい。NAFとは;

よく見ると、「Close to NAF」とある。CMが英語なので、何か<やつら>関連かと思う。事実、店はSagaminoにあるという。では、NAFは何の略だろうかと考える。AFはair forceか?ではNはnational? National Air Force ?。航空自衛隊? でも、それならなぜCMが英語。ググるもすぐわからなかった。理由は略語としてのNAFは多数だからだ。さらに調べて、わかった。NAFは、Naval Air Facilityなのだという。

なんのことはない、「厚木」にいる米軍だ。 (愚記事

お参りした時の愚記事:神奈川県散歩:大和駅⇒ 「厚木」基地⇒ さがみ野駅

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