みていて楽しい、孫崎享さん。
孫崎享さん関連愚記事;
① ■吉田ドクトリンは永遠なり 2009
② 孫崎 岡崎さんならば、アメリカは、日本にも、こういうインテリがいるのかと大事にしてきたと思う。しかし岡崎さんの目から見て、日本の官庁で安全保障を担当している人びとがイギリスのレベルに達していると思うか?
おいらは、みていないが、聞いている。
毎週、木曜日の朝の民放ラジオは、元外交官の日である。
6時からの文化放送では、孫崎享、7時からのニッポン放送では、佐藤優がコメンテーターだ。
おいらは、両者とも尊敬しないが、おもしろいから、聴いている。 暇なのだ。
最近の両者に共通する点は、ポツダム宣言には逆らうな!ということだ。
戦後日本の外交官の基本らしい。教祖はもちろん「ハンディキャップ国家」理論の小和田さまである。
孫崎享は積極的「逆らうな!」派だ。
佐藤優は消極的「逆らうな!」である。 佐藤優は「戦後何十周年なんて年は、敗戦国にとっては天中殺みたいもんだから、静かにしておれ!=安倍談話とかやめとけ」という趣旨。
さて、現在の新安保法制に反対の論客でがんばっているのが、外務省出身で防衛大学校でも教官をしていた、孫崎享さんである。
孫崎享さんは安倍政権が嫌いで、新安保法制にも反対だ。
その孫崎享さんは今日の下記ニュースでのコメント。 まずは、そのニュースとは、
米南部テキサス州にある国立太平洋戦争博物館に対し、在米中国公館の関係者を名乗る複数の人物が、展示物の記述を書き換えるよう圧力をかけていたことが分 かった。博物館関係者が明らかにした。戦後70年を利用し、組織的に活発化させている反日宣伝の一環であるとともに、中国共産党支配の正統性を国内外にア ピールする狙いもあるとみられる。(中略)
今年4月ごろ、テキサス州の在ヒューストン中国領事館員を名乗る男が博物館に電話をかけ、展示物の記述を書き換えるよう求めてきた。
対象部分は、「中国共産党の前身である八路軍と名乗る集団が日本軍との交戦を避けてゲリラ活動を続けながら山岳地帯に逃れた」という説明部分だ。
これを、「中国共産党軍は日本に宣戦布告をして戦い、勝利した。日本国天皇は領土拡大の野心をもって中国大陸に迫り、尖閣諸島などを含めた中国領土を侵略した」-などと書き換えるよう、再三要求しているという。 (ソース [1])
このニュースに対し、孫崎享さんは、「日本国天皇は領土拡大の野心をもって中国大陸に迫り」というのは事実ではないので、上記の中国による抗議は無効である、と主張している。
さて、話は、新安保法案の話に戻って、孫崎享さんは新安保法案に反対する最大の理由は専門家である憲法学者の95%が違憲といっているということを挙げている。
でも、これは理屈にならない。なぜなら、95%ではないにせよ、戦後ずーっと専門家である憲法学者の大多数は自衛隊は憲法違反といっている。防衛大学校の教官であった孫崎享さんは違憲行為をしていたのだ。
さて、孫崎享さんは、おいらはその認識を採らないが、かの村山談話の定義に従うならば、孫崎享さんの御尊父は「侵略と植民地支配」にいそしんでいたらしい。そして、孫崎享さん自身が「侵略と植民地支配」の賜物として、「侵略と植民地支配」の精華である満州国で、ご誕生あそばされたのだ(wiki:1943年、満州国の奉天省鞍山市にて生まれた[1]。日本の特殊会社たる南満州鉄道が設立した鞍山製鉄所(のちの昭和製鋼所)に父が勤務していたため、満州国にて暮らす)。
いうまでもなく、孫崎享さんは、村山談話が大好きである。
そして、孫崎享さんの主張はこうではないだろうか?; ポツダム宣言に侵略戦争は軍部(無責任な軍国主義者)がやったのだ。戦後、日本政府はそれを認めた。だから、「史実」は侵略戦争は軍部がやったのだ。天皇や国民には責任がないのだ! 全部、軍部が悪いのだ!
実際はこうなのに; 恐慌で放浪した庶民が求めたものが、「植民地支配」と「侵略」である。政府・軍部はその「庶民」の「願い」に応えたのだ。(愚記事)
でも、"無責任な軍国主義が日本の人々をだまし、間違った方向に導いた"という考えを孫崎享さんが持っていることを仮定すると、彼の日ごろの言動の説明がつく。こういう考えだ;
「侵略戦争をやった戦前の軍部は戦後我々民主主義者のおかげで駆除されてきた。でも、最近は、侵略戦争をやった戦前の軍部の残滓が復活しようとしているのだ!それが安倍政権だ!これには、闘いわなければいけない! ファイト! 闘うもののうたを、闘わないものが、嗤うだろう! ファイト!」
でも、おいらには、こうみえる。
侵略戦争をやった戦前の軍部の亡霊をつくっては、それと闘って、自分は戦争や侵略に対し闘っていることにする。そして、それを以って、自分が本当の「侵略と植民地支配」の当事者であったことをごまかしているのだ。
孫崎享さんに限らず、安保法制に常軌を逸して反対している人たちである澤地久枝さんや瀬戸内寂聴さんを見よ! みんな、「侵略と植民地支配」の当事者ではないか!(愚記事:日本政府の公式見解たる村山談話の精神に則った言葉遣いで彼女を称すると、瀬戸内寂聴さんは日帝侵略者 or 植民地支配者なんじゃないか!)
「侵略と植民地支配」の当事者なら世間の隅っこで、恥を知って、ひっそりしていればいいのにね。
なぜ、安倍ちゃんばかり、ファシスト/軍国主義者/戦争屋よばわりされのか?
もちろん、話は簡単で、孫崎享さんや澤地久枝さんや瀬戸内寂聴さんはポツダム宣言の精神に従い、闘っているのだ。
ポツダム宣言第6項にこうある;
6.日本の人々をだまし、間違った方向に導き、世界征服に誘った影響勢力や権威・権力は、排除されなければならない。無責任な軍国主義が世界からなくなるまでは、平和、安全、正義の新秩序は実現不可能である。
孫崎享さんや澤地久枝さんや瀬戸内寂聴さんにとっては、日本の人々をだまし、間違った方向に導くのが、安倍ちゃんなのだ。
そして、「侵略と植民地支配」に乗じ、あるいは先頭に経って、生業としてきた自分たちの親や自分自身の「悪行」を度外視するのだ。
このポツダム宣言の精神に従い闘う孫崎享さんや澤地久枝さんや瀬戸内寂聴さんら「侵略と植民地支配」の当事者に働く心理的メカニズムも簡単ではないか。戦勝国の論理をあやつることで戦勝国側にもぐりこみ、侵略者を摘発し懲罰する立場をとることに躍起である。そうして、自分が本当の「侵略と植民地支配」の当事者であったことをごまかしているのだ。
● まとめ
やはり、自己処刑をなした林芙美子は偉かったのだ(愚記事: 林芙美子が死ぬ3か月前に書き上げた『浮雲』を読んだ。この作品が林芙美子の「自己処刑」の話だとわかる )。
孫崎享さんや澤地久枝さんや瀬戸内寂聴さんは、「侵略のと植民地支配」であった当時者の親御さんを、文学的にでも、「処刑」できていないのだ。 そして、自分は、自分を"反省したお利口さん"として存続させているのだ。
謝れば済むと思っているのだ。