いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

2010年回顧

2010年12月30日 08時31分29秒 | プロフィール
■2010年回顧 

―総論―

65年目の敗残国での日々。ロシアとアメリカに行った。冷戦終了20年、ヤルタ・ポツダム体制がヤルタ・ポツダム・ペキン体制になったことを悟る2010年;

―地下生活者もお土産屋―
 

ロシアに観光に行った。その時サンクトぺテルブルクで見た"ドストエフスキー"という名のお土産屋。地下にある。冷戦が終了して20年。ロシアはすっかり穏健になって外国人観光客向けに、自らの貧しい?文化遺産を用いて商売をやっているのかと思いきや、ボルシェビキ・赤旗が復活し再帝国化の兆しを見せていた。



而して、その政治的象徴は対ファシスト戦争勝利65年周年記念式典である。ご丁寧に中国の胡錦濤国家主席をロシアに招き、共同で祝祭。認識はドイツ同様日本はファシスト集団であり、撃滅したことが現在の中露の国家的存立意義ということだ。

プーチン氏は「われわれ両国は、大戦での(ドイツの)ファシズムと日本の軍国主義に対する勝利に大きく貢献した」とし、胡主席が9日の対ドイツ戦勝記念日行事に出席すること自体が、中ロの緊密な関係の証しだと謝意を表した。ポスターは多種類あるから、どれも見逃さないように!

果たして、秋には尖閣諸島事件で北京政府は尖閣(・魚釣)諸島は中国民族固有のものと宣言。さらには中国"在野"では琉球も中国領という主張。一方、ロシアはメドベーチェフ大統領自らが北方領土の土を踏んだ。彼らは戦勝国として当然だと思っているのだろう。これらに対し、日本は65年も経っているのだから、"敗戦"国とか戦勝国であるとかいうことは、世界政治を動かす理念としては重要であることなど気にもとめていないようだ。

そして、残された唯一の道が 対米すがりつき しかない現実に、この65年日本政府は現(うつつ)をぬかしてきたことを改めて知る。

この1年の愚記事群を読みなおして、民主党政権への言及はほとんどない。これは、金星探査機・あかつき、つまり金星の軌道投入に失敗した探査機を謗らないことと同じ動機に基づく。すなわち、あまりにも哀れで、<ねたみ>の対象には程遠い。<ねたみ・そねみ・ひがみ>を駆動力としている本ブログにはそぐわないのである。

でも、日本瓦解の駒が進んでいるので、わくわく・どきどきの胸のときめきは隠せない。21世紀の琵琶法師として、壇ノ浦まで付いていけるようがんばりたい。そして、見届けて、ぬっぽん衰亡紀をうたうのだ。まずは、今のおいらの衰亡紀・「いか@ 筑波山麓 『看猫録』」をがんばっている。

―各論― (小さい画像はクリックで拡大されるでしょう)

【1-3月】
解体前のフランス大使館旧庁舎を訪れる唯一のチャンスに便乗。


男性の地球でない
昔はここで、ひそひそ話し
昔はここで、像を現していた

■death valley稼業;実験室建設・装置設置進む。

夭折に関する取り決め

【4-6月】
■ロシアに観光旅行に行った。


猫たちが食い尽された街へ;サンクトペテルブルグ参拝

■ギリシアに行きそこねる。
ギリシアに行きそこねた; 2010年の思い出I

■東京都庭園美術館で催された『―ロシア構成主義のまなざし―』、ロトチェンコ&ステパーノワ展に行く。

アール・デコの館でロシア構成主義


■毛唐さん饗応役に出仕

毛唐さん饗応役に出仕; 2010年の思い出II

■ハイデガー熱出る。ハイデガー熱が出た背景はR.E. ルーベンスタインの『中世の覚醒』を読んだこと(・ R.E. ルーベンスタイン、 『中世の覚醒』、小沢千重子 訳 )。ヨーロッパがギリシアの正嫡と自称する例の問題について考えたから。ハイデガーこそ、ギリシアの正嫡意識が高いんだろうなぁと考えたから。そして、ヨーロッパ=毛唐文明の"精華"に違いないファシズムの問題。ハイデガーはどのようにファシストであったのかという問題。ここ20年の間に刊行された伝記を集めてみてみた。

やはり、ハイデガーはナチスに巻き込まれたというものではなく、ある種の社会・文明を企てようとした。それが理念としてナチズムと同一であったというわけでもないが、ある種の強烈な社会・文明思想だったらしい。

こういうこの哲学者の世俗での行動のことはハイデガーの哲学の論理そのものとは一線を画するものという考えがある。哲学は哲学として扱えるし、扱うべきであるという立場。でも、ハイデガーの思想は、キリスト教の神学が信仰という実践の前提がなければそもそも無意味であるのと同様に、ハイデガーの思想はファシストととしての実践がないと理解も運用もできないものであるとは考えないのだろうか?



吸血の後で
デリー化する東京で、松丸本舗参拝
ハイデガーのルサンチマン、あるいは、ハイデガーは"理系"だった!

そうしたら、日本経済新聞の"私の履歴書"にハイデガー屋さんの木田元さんの自伝を発見; 日帝海軍最年少の復員兵、あるいは日帝廃棄物; 木田元さん私の履歴書

木田元さんは1983年の時点で"嘘"はついていないが、海軍兵学校に在籍したことを"隠蔽"し、あるいはあえて言わず、読み手に対する"情報操作"を行っていたことを指摘した。

【7-9月】
■くろさん死去。ブログ開設以来最大の不幸。

■シャガール展に行く。

屠(ほふ)られる獣(けもの)の声を聞くシャガール、あるいは、Daseinは獣も含みうる


【10-12月】
■米国特許の通知が来る。バイト先は特許の本状が現場に来る。現場で管理しなければいけないのだ。以前のバイト先では特許部が管理していたのだろう。初めて、US特許の本状を見る。過剰包装にびっくり。ノーベル賞かと思った(おもわねーよ)。この米国特許は闘争5年?くらい。長かった。2-3回審査官とのやりとりがあった。やっと、通った。審査官の名前がインド系だった。米国の特許業界事情の一端を覗いた気がした。たぶん、日系とかコリアン系、そして中国系の特許審査官は少ないのではないのではないだろうか?インド人に英語と科学のバックグラウンドがあることが理由なのだろう。



■米国出張。
アメリカ勘定旅行

■甲種危険物試験受験。
バイト先から甲種危険物取扱者の資格取得命令。約20年ぶりくらいで受験勉強。落ちると恥なので、結構びびった。



暗記と論理という観点で、法学と数学を比べた(ヨタ)話をどっかで読んだ。すなわち、数学は論理の学問とされているが実は事例の記憶が重要であること、一方、法律というのは暗記(記憶)の学問と思われているが実は一貫した論理があることが指摘されていた。今回、危険物の法令の勉強で、確かにそうだべな、と思った。法令はバカ暗記で切り抜ける人がほとんどだと思うが、法令の理由や根拠って結構論理的一貫性がある。そしてその論理的一貫性を成し遂げようとする"思想"が透けて見える。よい経験でした。

■われらが有馬朗人センセが、文化勲章。祝! 「ゆとり教育」、「ポスドク一万人計画」や「国立大学独法化」で日本の文化状況の革新に重大な貢献をしました。一将功成りて万骨枯る。草場の陰から"消えたポスドク"もお祝いしていることでしょう。それにしても"ノーベル賞を目指せ!"と、はしたない言葉で日本科学者を励ましてきた有馬センセ。文化勲章伝授式には、急遽受賞が決まったノーベル賞組の二人が。ノーベル賞を取れば、文化勲章は自動的についてくるからだ。日本国文化勲章はノルウエー王国のノーベル賞の"おしゃれ小鉢"なのである。どんな心境で有馬センセは同席されたのでしょうか?やっぱり、"ノーベル賞を目指せ!"だったのでしょうか。それにしても有馬朗人センセの大臣在任中に、巷の工場(こうば)でバケツで作業してたら"青い光"がでたんですよね。もう、昔のことだ、みんなは忘れちゃったかな。世も末で、博士が大臣だ。

■サンクチュアリーにしてもらった愚ブログ;いか@ 筑波山麓 『看猫録』。 惑星探査機・はやぶさに批判的記事を書いた。そうしたら、あるツイッターに"突撃禁止"と保護されて言及された(@SubaruTakeshimaさん)。

 ←クリックで全文見えます。

試料採取目的惑星探査機『はやぶさ』の残念について

八木雄二、『天使はなぜ堕落するのか』

2010年12月28日 14時17分53秒 | 欧州紀行、事情
―たしかにスコトゥスの哲学を知っている研究者は欧米でもきわめて珍しい。―
八木雄二、『天使はなぜ堕落するのか』;第III部 中世哲学の成熟と終焉、 第16章 「中世」の終わり。



■今年6月、拙記事;R.E. ルーベンスタイン、 『中世の覚醒』、小沢千重子 訳 に書いた;

『中世の覚醒』を読みとおす。理由は、『Amazon; 天使はなぜ堕落するのか―中世哲学の興亡 』が欲しくなった。でも、まだ『中世の覚醒』を読んでない。この上に『天使はなぜ堕落するのか』を買って、積ん読にしておくと無駄遣いに切りがないしなぁ。それでは、『中世の覚醒』を読んだら、そして、その証としてブログに読書メモを載せたら、『天使はなぜ堕落するのか』を買っていいこととした。

『中世の覚醒』の読後メモを書いたので、あの後、『天使はなぜ堕落するのか』を買った。ここ半年パラパラ読んでいた。そしてこの年末、今日がブログ記事ラスト2なので(ラストは"2010年回顧"と決まっている)、記事作成のために通読。西洋中世の思想事情を書いた本。著者、八木雄二の専門は中世哲学、それも、ドゥンス・スコトゥス。上記のごとく、ドゥンス・スコトゥスの研究者は少ないとのこと。このドゥンス・スコトゥスについて多くが書かれている。この点がこの本を立ち読みした時気づいて、買おうと思ったひとつの理由。なぜなら、ハイデガーの教授資格論文は『ドゥンス・スコトゥスの範疇論および意味論』であって、ドゥンス・スコトゥスの思想って何だべ?という興味があったから。ちなみに、この『天使はなぜ堕落するのか』にはハイデガーは全く言及されていない。でも、八木によればハイデガーは"スコトゥスの哲学を知っている欧米でもきわめて珍しい研究者"ということになる。今でも少ないらしい;

事実、著者の研究分野は、ヨハネス・ドゥンス・スコトゥス(一二六五~一三〇八)の哲学であるが、おそらく読者には信じられないだろうが、世界で専門に研究している人間はごく少数であり、その数わずか六、七名でしかない。関連して興味をもつ研究者の数でも数十名でしかない(ただし、この数は増加中である)。

■鳥瞰としては、キリスト教の信仰と哲学の相克・協調・切磋琢磨。そして、アリストテレス。ヨーロッパ文明が古代ギリシアから直接継承した哲学・テキストはアウグスティヌス、ボエティウスが扱ったもののみ。これらの"乏しい"哲学的素養でアンセルムスは考えた。でもその頃、12世紀にイスラムからアリストテレスの翻訳がヨーロッパに流入。一大哲学興隆、しかも、都市の大学を舞台とした若者たちの学問修業。それまで修道院が学問の修行場であったのが、世俗で学問できるようになった。これに対し教会は信仰に若者を引き付けるため、信仰の哲学による合理化を図った。神学の形成。そして、その神学は世俗の大学に13世紀の初めに取り入れられ始める。

この相克の、学問的英雄であった若者がアベラール。八木雄二は「若者の活躍」を本書で鍵現象として何度も強調する。教会、大学とも「有為の人物」の確保が死活問題であると。それがヨーロッパ文明の核らしい。



■例えば、イスラム経由のヨーロッパへのアリストテレス哲学の導入が具体的に書かれている;第II部 中世哲学の誕生と発展、第9章 イスラム哲学。イスラム教発祥の経緯とイスラム教の特徴。つまり、イスラムは哲学文明ではなく、第一の学問は法学。医学も盛ん。イスラムの下記哲学は医者であったり法学者だった。古代ギリシアの哲学をペルシア人のアヴィセンナ[980-1037]やアラブ系で今のスペインのコルドバのアヴェロエス[1126-1198]についての説明。

■虫瞰。
第I部 中世とは何か
第1章 ヨーロッパ中世世界


中世哲学、つまりスコラ哲学は近代では評判が悪い。曲学の代名詞のごとく使われる。もっとも、おいらは、ハイデガーの伝記を読んで最近気付いたのだが、ドイツでは20世紀になってもスコラ哲学の教授というのは普通にいたのだ。戻って、スコラ哲学を無効化したとされるのがデカルト。でも、デカルトは終生フリーランスだった。本書ではデカルトら近代哲学者のスコラ哲学への恨みと書いている。つまりデカルトら近代主義者は大学で職を見つけられなかったのだ。近代哲学者で最初に大学教授になったのはカントだと書いてある。ということはやはりスコラ哲学教授は中世という過去のものではなかったのだ。



第2章 天使と秩序世界

おいらどものダーチャ; Наша дача (ナーシャ・ダーチャ)

2010年12月26日 17時59分19秒 | 筑波山麓
おいらは畑を借りている。自分の餌を獲得しようとがんばっているのだ。賃料は、年間1万4千円だ。



最近の収穫物はカブやニンジンだ。ニンジンは赤いのと黒いのを植えた。



■ダーチャとはロシア語で、モスクワなどの大都市郊外の都市住民向けの耕作地。ピョートル大帝の時代に始まったとされる(wiki)。貴族の郊外・田園の別荘。でも、今モスクワ郊外で広まっているのは、ソ連時代にできた制度のものだろう。つまり、庭付き一戸建てがないモスクワでは、街には畑などない。一方、ソ連時代に共産主義体制では、日常の食料品の生産がうまくいかなかったことから、共産党はモスクワなどの大都市住民に郊外の土地を与え、自分たちの食料を作らせた。郊外の農地=ダーチャ。もちろん、モスクワなどの大都市住民は日常はソ連のための"奴隷労働"に従事しなくてはいけなかった。なので、週末に郊外のこのダーチャに通って農作業を行った。このダーチャの危うさは"私有財産制"に結びつく可能性があったこと。ただ、いまから思うに、その割り当てられた農地を割り当てられた家族だけが耕作できるという規則があったのだろう。土地を広げて企業化などもちろん不可能。かりそめにも、土地を広げて企業化したいならば、労働力商品を購入しなければならず=人を雇わなければならず=労働者を搾取しねければならず、ソ連の原理原則に抵触する。

さて、今年ロシアにパックツアーで行ったとき、モスクワ住民が各々のダーチャに行く渋滞に巻き込まれた。バスから乗用車を見下ろすに、みんなうれしそうに郊外に向かっていた。そして、見た風景;



郊外へ向かう幹線道路の道端で、労働力商品を売る立ちんぼさんと、交渉するモスクワ住民。ガイドさんが説明するには、労働力商品を売る立ちんぼさんたちはソ連崩壊でモスクワで流入した旧"ソ連帝国"の旧"臣民"。特に中央アジア。ムスリム系。仕事がないので、ダーチャに向かうモスクワ住民に日雇いで雇ってもらって、ダーチャでの農作業をするのだ。ソ連時代にはなかったはずの風景に違いない。



バスから見たダーチャ。耕地に小屋を建て、週末は泊って、農作業をするらしい。しばしば、全焼している小屋を見た。

毎週、コーンサラダの画像を撮っています; 12週目

2010年12月25日 08時16分08秒 | 筑波山麓




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先日の拙記事、悪魔の甘えたボンボン代弁者 で述べた日本の大学院の人材供給の劣化問題;

つまりろくな選抜も行っていなければ、まともな教育も行っていないらしいのだ。

について、同じことが報道されていた。ただし下記西村氏もニュースソースが伝聞である。さらに、おいらの指摘したいのは大学院生の知的能力低下だけでなく、大学教員の基礎学力が本当にあるのか?という問題。特に工学系。応用系の研究者は基礎物理、基礎化学ができてないんじゃないのかぁ (もちろん、おいらもできないので、がんばっている)。

【正論】京都大学経済研究所特任教授・西村和雄 国際学力V字回復へ3つの提言

 「日本の大学出の技術者ではなく中国の大学を卒業した技術者を主に雇っている」。2000年ごろ、日本を代表する輸出企業の会長が私にそう言ったことがある。最近も、日本人技術者を中心に採用し続けている、やはり日本の代表的な輸出企業の技術系取締役から、日本の大学で修士号や博士号を取得した日本人技術者の採用試験の成績は非常に低く、採用後の教育にいくら力を入れても追いつかないという嘆きを耳にした。

A sketch in my death valley;  スペースならある

2010年12月23日 19時15分03秒 | 筑波山麓

- 不十分なスペースしか与えられない場合には、辞任の覚悟をすること - J.D. ワトソン、『DNAのワトソン先生、大いに語る』(Amazon



"アーランディー(R&D)はバイトまかせ"の会社で働いているおいらの帰宅は面倒くさい。なぜなら、多くの実験室のカギを閉めて、管理部に返して帰らなければならないからだ。

バイトだけど、管理しなくちゃいけない実験室は少なくとも7つ。これらはラボスケールの仕事のためのスペース。これらの実験室のひとつひとつは普通の大学でいうところの2スパン分の広さ。

あと、実用のためのアップスケールの実験室は共用のバカでかいホール実験室にある。こちらは、最後の退出者にならないように"逃げる"。また、別途分析機器をルーチンで使っているが、そちらはその管理者にお任せ。

十分すぎるスペースが与えられているのは、ブルジョアさまの利益実現のために他ならない。しかし、そう簡単ではないので、予算編成確定のこの時期、またまた、解散風が噴いている。明確な達成目標と"納期"がブルジョアさまから先日通告された。達成できないと、解散ですよという恫喝に他ならない。

いやはや、どうなることやら。

スペースならある、そして、ないものはおいらの未来である。

Across a Death Valley with Distillated Resentment!

■今日のユーレカ! おいらは魚類!

今日は天長節。尊皇@よい子のおいらもいつの日かすめろぎ様から「いか@様」と呼ばれる日を夢見てがんばっている。

いか@、であるおいらは魚類なのではないだろうか?だって、魚屋さんで会える。少なくとも、亜魚類。生物学に無知なおいらには確信がもてないのだが。漢字文明圏ではwhalesは魚類である。なぜなら、鯨と魚類にカテゴライズされているからだ。その点、いか@はダメだ。烏賊だからだ。賊って、国賊の賊だっちゃ。そして、烏。鳥類かいな! (サーヤ系にすがれという啓示だろうか?)

今のすめろぎさんはおさかな屋さんとのこと。おいらだって、お魚屋さんの品物台の上でがんばっている。そして、新手のいか@や100年前に消えたいか@だって、いつか見つけたいと日々精進している。

"さかなクン"博士は呼び捨てにされた。でも、おいら、いか@、はぜひ敬称を付けてほしい。さもなければ、いか@さま、になれないからだ。


今日の収穫;野菜とお祈りメール

2010年12月21日 20時43分13秒 | 草花野菜
■野菜@エンゲル係数に未算入;


最近の畑からの収穫;金時人参、赤カブ、白カブ。

■お祈りメール;


思わぬ局面で、お祈りメール。

もしかして、"お祈りメール"って知らない人のために。

使用例;「重役面接までいったあのA社、お祈りされちゃった」
意味=「採用試験で重役面接までいったのに、不採用となり、通知が来た」。

⇒はてなキーワードお祈りメール

▼おいらが、30過ぎて少なからず"就活"したおよそ10年前には、「今後ますますのご健康とご活躍をお祈り申し上げます。」は常套句ではなかった。

結局、運命によって、掴まされたdeath valley行きの切符にこそ、「ご生存をお祈り申し上げます」と口添えがあってしかるべきであったのに。

Across a Death Valley with Distillated Resentment !

●おっと、3年前に「貴殿を雇用することが出来なくなりました」の時も"お祈り"されていないや、と気付く。

▼まさか、アマゾンで古本を買ったら、お祈りされるとは思わなんだ。


大泉光一、『伊達政宗の密使』、あるいは、王と坊主の同床異夢の野望の果てに

2010年12月19日 17時25分01秒 | 仙台・竹雀・政宗


-政宗が演説したとされる、サンファンバウティスタ号(復元)の内部-

■プロローグ

「この船は、私の領国内の神の掟を弘め、宣教師たちを招く目的のためだけに建造され、派遣されるのであり、よい旅行ができるように祈願することと、成功するように神を信じ、すべての面においてフライ・ルイス・ソテロ神父の命に従うことである。宣教師たちが私の領国に戻った暁には教会の建造を命じるであろう。そして私たちは皆キリスト教徒になりましょう。

政宗が鷹狩りのついでにサンファンバウティスタ号にやってきて、宣教師や工事に携わっている信徒に演説をしたそうだ。『伊達政宗の遣欧使節記』というイタリア人の歴史家シビネーオ・アマーティに書かれているらしい。でもこのアマーティはマドリードから遣欧使節やソテロと同行した文筆家であり、内容はソテロからの伝聞に違いない。この政宗の言動の確実な信憑性は担保されない。


■先日、本屋に行ったら、大泉光一、『伊達政宗の密使』という本を見つけた (Amazon)。今年の夏の小林千草・『伊達政宗、最期の日々』に続く、2冊目の政宗本。この新書『伊達政宗の密使』は大泉光一さんの一連の支倉六右衛門・慶長遣欧使節団に関する専門書のダイジェストものらしい。"ライバル"は『支倉常長―武士、ローマを行進す (ミネルヴァ日本評伝選)』であり、間違いを、暗に明に、指摘している。



大泉光一さんはスペイン語・ポルトガル語、しかも古語の専門家で古文書の歴史文書の読解で、慶長遣欧使節団の研究に貢献しているらしい。特に、この新書で強調されているのは、イエズス会の神父・アンジェリスが政宗やソテロの動向をローマのイエズス会本部に報告した文書の読解、日本語訳を大泉光一さんがしたこと。この資料で慶長遣欧使節団の意味を考えるというのが主旨。

結論は、伊達政宗はキリスト教に入信する考えなどないのに、「キリシタン帝国」を作り、キリスト王となるつもりがあると「嘘」の計画をスペイン王とローマ教皇を欺いて、スペインの軍事援助を受けて倒幕し、将軍になる、つまりは、天下人になる謀略だった、というもの。

この政宗の野望、すなわちスペインと組んで徳川にとってかわる野望があったという推定は昔からなされている。娘婿で家康の息子の松平忠輝がキリスト教シンパであったこと、そして大久保長安事件のこともありよく流布された説である。なにより、歴史小説のネタには絶好である。

■慶長遣欧使節団とは徳川家と伊達家が合同でメキシコに派遣した外交使節。メキシコは当時の世界帝国であったスペインの太平洋へ出る要の植民地であった。家康の目的のひとつはあずかっているメキシコ(スペイン)の外交団をメキシコに送り返すこと。彼らは海難で船を失い帰りそびれていた。徳川家と伊達家が合同のプロジェクトだけど船、サンファンバウティスタ号は伊達政宗が準備した。家康はメキシコまでの派遣にしか用はなかった。

一方、政宗はメキシコからその"奥"の大西洋を渡ったスペイン、ローマまで使節を派遣したかった。理由は神父ソテロに口説かれたからである。神父ソテロは「東日本の司教になるためにはどうしてもローマまで行って教皇に謁見する必要があった」。しかも、サンファンバウティスタ号を作り始めるまではメキシコに行く話しかソテロは政宗にしていなかったのに、サンファンバウティスタ号が完成し出発を待つだけという状況で、スペイン・ローマ行きを政宗に提言、了承された。貴族の息子で神父のソテロは、坊主のくせに、いや坊主だからこそか、

功名 いささか また みずから ひそかに 期す (功名聊復自私期)のであったのだ。

これでは政宗と肝胆相照らさないはずがない。"奥州キリスト王"と"東日本の司教"を目指した、王と坊主の野望! 

そして、そのプロジェクトに支倉六右衛門が選ばれた。

これは、政宗が騙されたわけでもないだろう。肝胆相照らしていたに違いないのだ。スペイン・ローマ行きはソテロが企画・主導・実行したものであるが、政宗は面白いと思って、"馬券を買ったのだ"。政宗は「スペインの軍事援助を受けて倒幕し、将軍になり而して天下人となる」ための一つの"賭け札"くらいと考えていたのだろう。ただ、出費は高くついたのだろうけど。

政宗のこの慶長遣欧使節団の"陰謀"は同様で別の事例から視ればいい。例えば、和賀忠親事件; 慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いで、領地拡大の野望を燃やす政宗の密命を受けて、旧領を回復しようとした。そして政宗の援助を受けて和賀郡を支配していた南部利直の領地に攻め込み、花巻城(鳥屋ヶ崎城)を急襲したが、北信愛と利直の反撃を受けて失敗する。そして関ヶ原の後、政宗により仙台領、陸奥国分寺にて暗殺された (wiki)。政宗はこんなことばっかりやっていたのだ。

「そして私たちは皆キリスト教徒になりましょう。」

梟雄(きゅうゆう)の嘘吼(きょこう)である。

■そして、大泉さんがいうには、田中英道、『支倉常長―武士、ローマを行進す』で書かれいる"あの絵"は支倉六右衛門の像ではないとのこと。この絵の人物はローマで洗礼を受けた「小平外記」であるというのだ。もしそうであるなら、田中英道さんは面目丸つぶれである。


今、ネット調べたら、詳細があった;
 ・ブログ・「久安つれづれ日誌」様、「捏造された慶長遣欧使節記」(大泉光一著 雄山閣)を読みました。
 ・ブログ・「新版Kizurizm」様、大泉光一『捏造された慶長遣欧使節記』

■エピローグ
確かに、支倉六右衛門はスペイン王(フェリペ3世)とローマ教皇(パウロ5世)に会って、その人格の高潔さは印象ずけたが、政治目標の達成はできなかった。つまり、政宗にスペインカードを手中にさせることに失敗した。失敗の確定を以って政宗は、家光の意向にそって、耶蘇信徒を弾圧、仙台領から耶蘇信徒は消えた。

二百数十年後。仙台伊達家解散。明治になって宮城県ではロシア正教を中心にキリスト教が広まった。信徒は没落した武士階層を中心としたものとされている。明治の仙台武士は二重の敗残者であった。武士としては戊辰戦争での敗北。朝敵大名の家臣。そして何より新政府で武士身分そのものがなくなった。すがる精神的支柱がなくなったのだ。それで、すくなからずがキリスト教徒になったとされている。内村鑑三、新渡戸稲造ら旧武士層がキリスト信徒になったのと同じ社会的、文化的背景である。

「そして私たちは、敗残し全てを失い、キリスト教徒になったのです、武士のエートスのために」


毎週、コーンサラダの画像を撮っています; 11週目

2010年12月18日 08時40分21秒 | 筑波山麓


↓キンカン;


↓枯れた巻き髭


↓寒干し大根の製作;



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今日の看猫 20101216

2010年12月16日 20時29分27秒 | ねこ


子にゃんの頃生き別れた兄弟かにゃー、と情報誌の表紙を見つめるうめちゃん; その2.

heuristic results: ヒ素・バクテリアばなし;

NASA「ヒ素を摂取し生命維持できるバクテリア発見」と発表*1

その昔、自分の論文で自分の実験データについてheuristic resultsと書いたら、"まぁ、はしたない"と顰蹙を買ったものだ。バカだった 若かった、あの頃。"はしたなさを露呈しあう世の中"の魁(さきがけ)だったにちがいない。

さて、NASA。事前予告をしての記者会見は"ためにするもの"に違いなかったのだ。つまり、NASAの予算獲得のためのプロパガンダに他ならない。それにしても、なぜ、「特異な生物⇒宇宙にも生物がいるに違いない」という"物語"になるのか?

なによりも、この"特異な生物⇒宇宙にも生物がいるに違いない"へのストーリー展開への、世間からの、つっこみは見ていない。

extraordinary life ⇒ extra terrestrial life、ってこともなかろう。

むしろ、この地球の環境の多様性と生物の多様性を示しているのではないだろうか。ヒ素が濃集(#1)している環境は水なしでは考えられないのであろうから、むしろ地球ならではという生物なのではないか。

Watch your step!

ヒ素バクテリアのメッセージを、おいらは、こう聞いた。

#1;絶対量としてヒ素が濃い、というのではなく、他の環境に比べヒ素が相対的に濃集していること。

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*1
NASA「ヒ素を摂取し生命維持できるバクテリア発見」と発表
2010.12.3 04:43
このニュースのトピックス:◇学術・カルチャー
カリフォルニアの湖で発見されたヒ素を摂取するバクテリア=NASA発表(ロイター)カリフォルニアの湖で発見されたヒ素を摂取するバクテリア=NASA発表(ロイター)

 【ワシントン=犬塚陽介】米航空宇宙局(NASA)は2日(日本時間3日未明)、ワシントン市内で記者会見し、普通の生物にとって有毒なヒ素を摂取して生命を維持できるバクテリアを発見したと発表した。これまでの生物の概念を広げる発見で、同様の過酷な環境の中で存在する可能性もある地球外生命の探索にも大きな影響を与えそうだ。

 このバクテリアは、水質がアルカリ性で塩分濃度が高く、人間などには極めて有毒なヒ素も多く含まれる米カリフォルニア州東部のモノ湖で発見された。

 研究チームは採取したバクテリアを培養したところ、これまで生物の生命活動に不可欠と考えられてきたリンがなくても、ヒ素を取り込んで利用することで生命を維持していることが確認された。

 NASAは声明で、新たなバクテリアの発見で「生命の定義を広がった」との認識を示した上で、「太陽系内で生命が存在する兆候を探索する際にも、より広く、より多様に、われわれの知らない形の生命についても考慮しなければならない」と語った。

戸山公園参拝

2010年12月14日 19時52分02秒 | 東京・横浜


数年に一度の割合で行く、戸山公園参拝。ここ今年は数回行った(・愚記事;現世を忘れぬ、 ・印度旗翩翻)。

実は愚ブログでの戸山公園出現は早い。2004年;愚記事;東京チャンバラ。 戸山公園はいつ行ってもホームレスとがきんちょがいる。この風景をみると、なぜだか、~♪~現世を忘れぬ~久遠の理想~♪~と脳内で響く。いいか、がきんちょどもよ! 若い時、うつつを抜かしていると、長じて、漂流するぞ!と教え諭しているのだ。


5年前のホームレスとがきんちょはメンバーが変わっているはずだ。やっぱり、~♪~集まり散じて人は変われど ~♪~仰ぐは同じき~♪~戸山公園なのだ。恐るべし、戸山公園。

↓冬仕様;ズキンになっている。
ジャングルの中の日本兵ではない。


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ノルウエーの森

映画『ノルウエーの森』が公開になるそうなので、画像がネットに出回っている。拾った。たぶん、このシーンは、"「この鱸(すずき)うまいですよ」と取り繕うも、何が!システムよ!!! と切れた○○さんの怒りに取り付く島がなかった"というあの場面へと続く前段の場面なのではないだろうか?たぶん。



おいらが、幸運だったのは、あるいは不運だったのは、村上春樹を初めて読んだのが、『ノルウエーの森』が刊行される前年だったことだ。その時、『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』を読んで、びっくりした。そして読んだ『羊をめぐる冒険』は何度も読み、さらには去年、四半世紀ぶりにたくさん書いた。

もし、最初に『ノルウエーの森』を読んでいたら、村上春樹を嫌悪していたと思う。二度と読んでない。なぜ、おいらが『ノルウエーの森』の後味が悪かったかは、分析すべき課題ではある。でも、今日上記の画像を見て、「この鱸(すずき)うまいですよ」と聞こえてきたのだ。

過去の歌を聴け!