尹大統領が追い詰められ韓国の政治情勢が不安定になっているが、敗戦国日本が予想よりも早く独立を回復することができたのは、昭和25年6月、毛沢東やスターリンの支援を受けた北朝鮮が韓国に攻め込み、あっという間にソウルを陥落させ、釜山近くまで攻め込んだからです。つまり、朝鮮戦争が勃発したからなのです。
これに驚愕したマッカーサーは、連合国軍を率いて反撃に転じ、北朝鮮軍を満州の酒井にまで追い払いました。その後は中国軍が介入して、今の38度線で膠着状態となり、そこで休戦協定が結ばれることになったのです。
そうした経過について、渡部昇一が『渡部昇一の少年日本史』で書いています。なぜマッカーサーが危機感を抱いたかというと、そうなってしまえば、ユーラシア大陸の東部は全て共産化してしまうからです。現在はロシアは共産主義を名乗ってはいませんが、共産国家と同盟関係を強化しています。
マッカーサーが恐れたからこそ、日本も再軍備に踏み切ることになったのです。何としてでも、韓国は自由と民主主義の国家を維持してもらわなくてはなりません。対岸の火事と考えてはならないのです。台湾有事は日本有事であるように、韓国有事もまた、日本有事であるのですから。