三島由紀夫の豊饒の海を読んでいると、色々考えさせられるよね。最初の巻は『春の雪』なんだけど、浪漫派の愛というのは、この世では成就しない。それだけに、余韻は何時までも尾を引き、切なさがこみ上げてくるよね。一度は男が拒否しておきながら、相手の女性の結婚が本決まりになると、一挙に火がついて、肉体的にも結ばれてしまう。それでも、許されない愛として、つかの間の情事に耽るしかないんだよね。片方は病死し、もう一方は仏門に入るというんだから、美しい物語ではないですか。根本には仏教の唯識の思想があり、どこまでも壮大なスケールの小説だよ。昭和40年代までは、日本人の美意識はとぎすまされていた。なぜかというと、戦後四半世紀しかまだ経っていなかったから。つまり、20歳で兵隊にとられた人も、40代の働き盛りだったわけで、死んでいった戦友の思いを、無下にはできなかったじゃないかな。死者の眼差しを確認しながら、日本人は謙虚に生きていたんだよ。平成の世になって、徐々にそれが忘れられたから、日本の政治は溶解し、国を思う人が少数派となり、民主党のようなわけのわからない政権が生まれてしまったんだよね。それにしても、三島が民主党政権の誕生を知ったらば、ガッカリしたろうな。無責任、無節操は三島が一番嫌ったから。そして、先の戦争への悔しい思いは一々倍強かったから。三島精神を引き継ぐためにも、今こそ生きているぼくたちが頑張らないと。
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