草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

早期のトマホーク導入の意義

2023年03月23日 | 自衛隊
 今の国会で議論されるべきは、我が国の安全保障をめぐってであるはずなのに、くだらない小西文書に終始しているのは、特定野党が、日本の安全保障上の危機を話題にすることを避けたいからだろう。
 反撃能力という点で注目されるのは、巡行ミサイルトマホークの導入である。コストパフォーマンスの面からも、我が国にとってもっともふさわしい武器ではないだろうか。政府は今年度にもミサイル本体を一括契約する方針だが、実際の運用開始は2026年度になるとみられる。
 北村淳氏の『巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くはない』を一読して、なおさらその思いを新たにした。
 政府は当面の導入を500基としているが、その数だと海上自衛隊の護衛艦と潜水艦への配備を最優先させるはずだ。地上の基地をそのために増設する必要はなく、反対運動を起こされて立ち往生するということもない。さらに、先制攻撃の対象になりにくいメリットもある。
 海自の護衛艦はアメリカ海軍と互換性のあるMK-41垂直発車装置が装備され、海自の潜水艦の魚雷発射装置はアメリカの攻撃型原潜と互換性があることで、コントロールシステムを追加するだけで、トマホークを第一線に配備することができる。
 北村氏によると、海自の現有艦艇で約800基のトマホークを発射する能力を有しており、500基というのは、その辺を念頭に置いたのではないだろうか。
 ただ、今後の課題は、北朝鮮に対しては一定の抑止力が働くとしても、中国への対処ということになると、最低でもその何倍ものトマホークが必要となってくる。国産の12式地対艦誘導弾の向上型を開発することで補うと思われるが、刻々と変化する安全保障環境のなかで、我が国はどうすべきかといった、国民的な議論が今こそ起きるべきなのである。
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