これが前原誠司にとっての最後のチャンスだろう。民主党の保守派は脱党して改憲勢力に加わるべきだ。岡田克也のような民主党内の容共勢力に加担したり、民主党の別当隊の維新の党と新党を立ち上げるべきではない。前原はそれこそ京都大学で高坂正堯の弟子であったわけで、現実的な政治感覚を信条としてきはたずだ。もともとが保守派であり、自らの信念に従って決断するのが筋だろう。高坂は戦後民主主義の虚妄を鋭く指摘した。丸山真男などの進歩的な文化人とは違って、保守派の代表的な論客であった。前原は保守派として日本の政治をリードする責任がある。保守二党論はもはや破綻したのである。日本が自立した国家として生まれ変わるためには、やはり憲法の改正なのである。高坂は『豊かさの試練』において、日本人の特徴として三つのSを指摘している。サイレンス、スマイル、スリーピングである。軟弱、ニヤニヤ、居眠りでは、国際社会の表舞台に立てないのである。しかし、ここにきて通商経済政策上の保護を今の日本は止めようとしている。さらに、民主主義国家とは本当の意味での友達になろうとしている。安倍首相が先鞭を付けたのである。前原がその道を歩む気があるかどうかである。集団的自衛権についても、前原は独自の主張を持っていたはずだ。もはやこれが前原の最後のチャンスである。小選挙区制のために、保守の旗を掲げられなかった者たちの、今こそ先頭に立つべきだろう。党派を超えた改憲の流れをつくるためにも。
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