石破外交は日米関係に亀裂を生じさせる危険な暴走ですが、それはあらかじめ予想されたことでした。サミュエル・ハンチントンは、今から20年以上も前に『引き裂かれる世界』(山本暎子訳)今日の日本の姿を予言していたからです。石破内閣の登場は、まさしくその通りになっただけです。
東アジアにおける中国の台頭を想定して、我が国の選択肢として①日本は中国の言うことを聞くべきか②日本は、中国の力とバランスをとり牽制するための連合の要として、日米同盟に新たな意味と活力を与え得ることを考えるべきか③日本は、中国の軍事力の対抗するために自前の軍事力開発に着手すべきか、といった三つを示しました。
石破内閣は①を行おうとしています。政界、財界、マスコミの多くは中国の影響力が強まっているからです。普通であれば②を選択しますが、トランプの登場でそれも危うくなってきました。そうなると③しかないことになります。
その決断ができなければ、石破内閣の外交方針が今後も受け継がれることになるはずです。それは日本が中国の属国になることを意味します。今問われていることは、③を決断する勇気があるかどうかです。それしか自由と民主主義を守ることができないからです。現実から目を背けてはならないのです。