あきれて言葉もないのが今の民主党である。共産党や社民党などと一緒になって、安保関連法案の廃止法案を来週中にも提出するのだという。それですら心もとないのに、白紙にもどすなどというのは、まさしく言語道断である。もしかして日本が武装解除すれは、平和が保たれるとでも思っているのだろうか▼日本近海での中共の軍艦による挑発行為は連日のように報道されている。尖閣諸島ばかりでなく、日本全体が危機にさらされているのである。北朝鮮のミサイルの開発は着々と進んでいる。アメリカですらも安全保障上の対応を迫られているのである▼民主党は一体何をしたいのだろう。アメリカとの同盟関係を強化して、事前に手を打たなければ、かえって戦争を誘発するのは目に見えている。国家の最優先課題は国民の生命と財産を守ることである。国会で自民党の汚職やスキャンダルを暴くこともいいだろうが、それ以上に目を向けなくてはならないのは、日本の国防なのである。それをなおざりにするかのような法案の提出は、国民を愚弄することにほかならない▼国家の最低限度の目的は「外よりの脅威、侵略等に対する国民の安全の保障、国家の独立の保持」であることは、高山岩男が『教育哲学』で書いている通りである。ナショナル・インタレストの観点からも、安全保障に関しては、与野党を問わず一致点を見出す努力をすべきなのである。それを放棄するかのような民主党の動きを、国民は絶対に許さないだろう。
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