ネットの力はすごい。森ゆうこが「ワインを出せ」とか言っていないと、フジテレビの平井文夫に噛みついた。原口一博もその尻馬に乗って「イタリアでは、災害時、避難所における生活の質にも配慮が行き届いている。その一例としてストレスを和らげることができるようにワインまで出すことを紹介したのです」と加勢しているが、早速、宮脇睦が反論のツィートをした▼宮脇の指摘によって、参議院予算委員会で森が「イタリアにできて日本に」と述べていたことが明らかになった。文脈から見れば、平井の指摘は間違っていないというのだ。普通であれば、誤解を招いたというので、森が一言謝ればすむ問題である。青筋をたてて怒るというのは、感情的になっているからだ▼台風19号が直撃しているにもかかわらず、役人が家に帰れなかったのも、森の質問通告の内容が分からなかったからである。同じように居直り、逆に内部告発した役人を特定することを要求している▼こんな国会議員をのさばらせてきたのは、マスコミが今の野党を甘やかしてきたからだ。朝日新聞にいたっては、安倍政権をこきおろすのであれば、誰でもよいのである。国会での論戦というのは、公開の場でお互いの主張をたたかわし、一致点を見い出す努力をすることである。声を荒げて騒ぎ立てることではないのだ。森の質問は嫌がらせのレベルであり、日本の政治の劣化は深刻なのである。
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それはさておき、以前にも取り上げたソフトバンクグループ(以下SBG)だが、「財務省は、SBGが用いたM&A(合併・買収)に絡んだ節税策を防止する方針を固めた」そうである。
「同一グループ内の資本取引で実態に変化がないにもかかわらず巨額の赤字を意図的につくり出して、ほかの部門の黒字と相殺して法人税を減らす手法を認めない。予期せぬ大規模な節税につながった制度の抜け穴をふさぐ。財務省が問題視しているのは、子会社などが中核事業を放出して企業価値が落ちた状態にしてから売却し、簿価と売却額の差だけ赤字を発生させる仕組みだ。このため、子会社の中核事業を手放す際には簿価も目減りさせるルールを軸に検討する。子会社を売却しても簿価と売却額の間に差がなくなり、意図的に赤字をつくれなくなる。
与党の税制調査会での議論も踏まえて、2020年度の税制改正大綱に関連法令の見直し方針を盛り込みたい考えだ。
SBGは買収したアーム・ホールディングス(HD)と、その中核事業を担う子会社の「アーム・リミテッド」に関する資本取引で大規模な節税を実施した。開示資料などによると、SBGは18年3月にリミテッド株の4分の3をアームHDから配当という形で吸い上げた。 これにより、アームHDの実質的な価値は大きく目減りした。
SBGは買収時より価値が大幅に落ちたアームHD株の8割弱を同じく傘下にあるソフトバンク・ビジョン・ファンドなどに売却して赤字を発生させた。
この赤字をほかの事業で生じた黒字と相殺し、SBGの法人税負担はゼロになった(引用者注:SBGの純利益は1兆4千億円)。中核事業のアーム・リミテッドは親会社が変わったが、SBGの傘下にあることに変わりない。
一つ一つの取引には違法性はなく、制度の抜け穴となっていた。国税庁からの相談を受け、財務省は今夏ごろから対策の検討を始めていた。財務省は意図的に赤字をつくりだすことを問題視している
一部有識者の間では、包括的に税逃れを制限する規定をつくるべきだという意見もあった。こうした規定は一般的租税回避防止規定(GAAR)と呼ばれ、英国やインドなども導入している。ただ発動の判断が難しいこともあり、各国当局もまだGAARを使いこなせていない。
企業側からは、税務当局の出方が読みづらくなり、予期しない追徴課税を受ける可能性も高まるとして慎重な声も多い。財務省は現段階でGAARの検討に踏み込まず、個別の節税策を封じることにした。」(2019/10/20 日本経済新聞)
孫 正義は、トランプ大統領、サウジ皇太子、韓国サムスン御曹司などとの絡みにみられるように政商的な行動が得意である。
節税封じの「花火」は上がったが、さて上空で開くかどうか? 「パスッ」と音だけに終わるかどうか見届けよう。