今すぐに取り掛かるべきは憲法の改正である。自民党、大阪維新の会、次世代の党はそれに向かって団結しなくてはならない。そこに民主党内の保守派を加えることもためらってはならない。しかし、それはあくまでも日本の国柄を取り戻すことであって、国家の破壊であってはならない。
中澤信彦は『イギリス保守主義の政治経済学』において、エドモンド・バークにとって「名誉革命は過去との連続性を断ち切って全く新しい国制を創出したのではなく、古来の国制を再建・復興したにすぎない」と書いている。今後行われるべき日本の改革も、それが念頭に置かれなくてはならない。さらに、中澤はバークが重視する「時効」について「もともとは世襲財産権を基礎付ける物権法上の用語だが、彼はその適用を統治権力や政治的諸制度にまで広げて、それらに権威や正当性を与えるのは歴史の風雪に耐えてきたという事実だ」と解説している。それは人間の抽象的権利を主張するフランス革命の「人権宣言」とは見解を異にする。
私たち保守派は過去から教訓を学ばなくてはならない。ただ壊せばいいというのではない。その点では大日本帝国憲法の方が現憲法よりすぐれていることは明らかであり、そこに立ち返るべきだとの議論もあるほどだ。当面は今の憲法を改正するという一点でまとまればいい。徐々に煮詰めていけばいいのである。ただし、統治機構を改めるにしても、それは日本人本来の良さに目を向けるためでなくてはならない。人気取りであってはならないのである。橋下徹前大阪市長が率いる大阪維新の会への危惧も、その立場を明確にすることで払拭されるはずだ。
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