白浜からの帰り、37年間通った通勤電車に乗った。ああ、僕もつい最近までここにいたんだなあ。みんな一日の疲労を背負い、話し声も聞こえてこない。不意に平凡なサラリーマンという言葉が頭に浮かんだ。「僕は平凡なサラリーマンにはなりたくなかった」。タレントが言っている。「夢のある仕事をやりたい」。それはそれでよい。でもサラリーマンを例えに出すのは止めて欲しい。みんなが好きな仕事をやっているのではない。嫌な上司の下で、嫌いな仕事をしている人も多いと思う。でも、生活のためなんだ。生きていくためなんだ。家族のためなんだ。僕はそれは尊いことだと思う
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