竹早高校の先輩「緒形拳氏」
緒形拳氏は、東京都立竹早高校では私の七年先輩にあたる方です。国語の時間に国広教諭から緒形拳氏についてのエピソードをたくさん聞いておりました。秋の文化祭を迎えるころになると授業を抜け出して出演する演劇の稽古に熱中していた。
憧れの新国劇に入団するとNHKの大河ドラマの「太閤記」の主演に抜擢されて名声を得るとともに人気俳優となった。国広教諭の話に影響されて緒形拳先輩の所属する新国劇をよく観劇するようになりました。
劇団若獅子(新国劇の継承劇団)の「国定忠治」公演に客演として出演をしていた緒形拳先輩に打ち上げパーティーで一緒になったときに、「緒形拳先輩、母校である竹早高校同窓会(篁会)の会長になってくれませんか?」と話をすると、緒形拳先輩はにっこりと笑いながら「俳優を引退した時に考えてみるか」との回答でした。
後からよく考えてみると俳優には引退はなく、緒形拳先輩も最後まで映画やドラマに出演をしていて亡くなってしまいました。相手を気遣う見事な返事であったことを後から認識しました。
緒形拳氏は、日本の男優の中では5本の指に数え上げられる名優であると思っております。(2000.11.25)