ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2023.5.27 エンハーツ41クール目 さらに減量37回目投与後10日目のこと 7年ぶり南の島で命の洗濯旅スタート

2023-05-27 21:31:21 | 
 昨夜、ヘロヘロになりながら旅支度と断捨離を何とか終えた時に、予期せぬアクシデントが起こった。
 夫が「マイナンバーカード返したよね」と言う。重要備品としてパスポート等と一緒に管理しているが、夫から返して貰った記憶がない。???
 一昨日、ワクチン接種に行った時に、本人確認用として持参したのだ。受付で確認してもらった後、返してもらった記憶がすっぽりないという。さて、困った。
 財布や着ていたブルゾンのポケットや、バッグの中などを探しているが見つからないという。
 私が色々訊くとだんだん不機嫌になってくる。こちらもかなり疲労困憊しているので、黙る。

 「これはまずい、どこにもない。ダメだ。交番に紛失届を出しに行ってくる。」と言い出したのは11時近くになってからのこと。
 ところが、私が何気なく夫が探したのとは別のバッグを見たら、あるではないか。
 「これは何でしょう?」「・・・。」
 救いはちゃんとファスナーのついたポケットに入れていたことだ。なぜ無意識にあちこちに入れるのか。   
 自分で何のバッグを持って行ったかも覚えていない、困った忘れ物大王である。

 ここで、1日断捨離をした疲労がぐっと上乗せされて顎が出る。既に眠い。とはいえ、頭が興奮していたのかなかなか眠れず。マントラCDのBGMが終わって眠りにつけたのはまた1時を優に回ってしまった。

 そして今朝。あと1時間眠れるところだったのに、5時前にお手洗いで目が覚める。そこからなんとなくグズグズして、夫の鼾を聞きながらちょっとトロリとしたら目覚ましが鳴った。夫はまだ眠っている。
 朝食の支度のタイミングで夫が起きてくる。毬藻の水替えをし、花の水切りをし、ごみをまとめる。
 今日もお腹は快調だ。最終的にキャリーケースの蓋を閉じて、タクシーを呼んで駅に向かう。リムジンバスでは渋滞が心配だし、今日は普段とは違う電車の経路が一番早いようだと夫が言うので、その経路で空港に向かった。

 車内と機上のお供は、小野寺史宜さんの「今日も町の隅で」(角川文庫)。
 初めましての作家さんによる10つの短編集だ。帯には「このまちは、ひとを優しく包み込んでくれる 本屋大賞2019年第二位、『ひと』の著者、初の短編集。あなたの背中をそっと押してくれる10の物語」とある。
 書店員の沢田史郎さんが解説で「昨日できなかったら、今日頑張ればよい。だからこそ”今日は”ではなく”今日も”町の隅で、なのだろう。」と書いておられるが、敗北にへこたれず、立ち上がろうとする誰かに声援を送る物語、11歳から42歳までの主人公の、どれもほっこりと元気になるお話しだった。読みやすくどれも良くできていてスイスイと読み切った。

 乗り換え案内の予定通り、フライトの1時間前に空港駅に到着する。JRから私鉄の乗り換えでは、目の前で急行に行かれてしまったが、それがなければもうちょっと余裕があっただろう。初めての駅の乗り換えでちょっと勝手がわからなかった。お腹は快調なので、お手洗いに寄りつつ、なので結果オーライだったのだけれど。

 さて、まずはチェックイン。夫の持つ大きなキャリーケースを預けて身軽になる。空路3時間の間にランチを摂らねばならない。昨夜のマイナンバーカード紛失事件のお詫び、且つお礼として豪華空弁をご馳走してくれる、というので有難く。ベーカリーで好みのランチボックスやデザートを買い込んでから、空弁としては一番高価だった有名料理人プロデュース、二段重の季節のお弁当を所望した。

 乗りこんだ飛行機は人気の、ブルーのジンベエジェットだ。夫はしっかり窓際席を陣取ってスマホを構えている。前の席の、外国人と日本人女性の両親とハーフのちびちゃんが賑やかだ。満席でもなく隣が空席だったので、らくちんだった。
 定刻通りのテイクオフ。すぐに江の島や芦ノ湖がクッキリと見えるのを夫がしっかり撮影。さらに雪をかぶった富士山の勇姿が文字通り“頭を雲の上に出し♪”で素晴らしかったこと。思わず母や断捨離トレーナーのMさんに写真を送る。

 スープを頂き、本をほぼ読み終わったところでランチタイム。ちょっとずつ色々の懐石風お弁当と、サンドイッチやデニッシュをシェアしながら満足いくランチになった。食後の珈琲も可愛らしいジンベエカップで提供される。

 定刻通りに着陸する。眼下に広がる海の色が美しい。全長3,540mの伊良部大橋も広がる。
 7年前、結婚記念日旅行で初めてこの島を訪れたのは冬だった。お天気がいまいちで、雨模様だった。その時にガイドさんに「宮古の海はこんなではない、是非次回は東洋一綺麗な本当の宮古の海を見て頂きたい」と言われたのを思い出す。それでも十分綺麗だったので、一体本当の宮古の海とはどれほど美しいのだろうと楽しみにしてきた。

 外気温は27度。ムシっとしている。ああ、忘れていた南国の空気である。荷物がすぐに出てきてお手洗いを済ませ、ホテルのシャトルバスのお迎えにピックアップして頂く。私達ともう一組のご夫婦、女性1人の5人でホテルに向かう。

 入道雲に青い空、サトウキビ畑の中をバスは走り、15分ほどでホテルに到着した。エントランスから既に、東南アジアのリゾートホテルにやってきた雰囲気だ。シーサーやハイビスカス、ブーゲンビレアの花たちが迎えてくれる。
 チェックインを済ませ、8階の部屋に案内される。これまで空梅雨だったが、今日は初めて雨模様なのだそう。なるほど、この湿度は雨の前触れか。大きな窓からコーラルブルーの海と青空が広がる。ベランダに出ると、プールで泳いでいる人たち、白い砂浜を散策している人たちの姿が沢山。
 ホテルの部屋くらいまで、とは言わずとも、戻ったらまた自宅の空間をより快適なものにするために断捨離頑張りたいです、とMさんに宣言。他人様に我が家の恥部を晒したことで、もう後には引けない、という自分を追い込む儀式が必要だったなと改めて思う。

 荷ほどきをし、お茶を淹れてほっと一息。寝不足で眠い。そして何より耳鳴りが酷い。疲れると左耳の調子が悪くなるのだが、これは子どもの頃に中耳炎をこじらせた後遺症のようだ。昨夜からずーっとズズズズと鳴り続けている。鬱陶しいことこの上ない。
 飛蚊症だったり、耳鳴りだったり、加齢のせいもあるのだろうけれど、断捨離を頑張りすぎたか。それが機中の人となり、気圧の変化があったせいか少し緩和されていたのだけれど、降りたらまた始まった。うーん、困った。

 空の色、海の色が刻々と変わる。あれ、灰色の雲が・・・、と見ればスコールである。実に東南アジアである。夕食の予約方々ホテル内探検に出かける。色とりどりの花が咲くプールサイドには、クロアゲハが群をなして飛んでいる。南国である。
 プールサイドにいる人たちもデッキチェアに身を委ねてリラックスしている。老いも若きも楽しそうな笑顔だが、果たして水温はどうかと触ってみると、それほど冷たくない。

 そんな中、突然雨が降ってくる。急いでフロントまで雨宿りに戻る。近くには飲食店らしきものはないし、車という足がない私達はホテルで食事を摂るしかなさそうだ。明日は夫がバスで市場方面に行ってみようと言っている。なるほど4泊ずっとホテルご飯というのも芸がない。

 4泊して31日に帰京する予定だが、レストランを予約したインフォメーションセンターで「台風の進路によっては飛行機が飛ばなくなる恐れもありますので、チェックしていてくださいね」と脅かされる。
 自称晴れ女の私だが、帰京翌日、翌々日とも予定が入っているので、なんとか逃げ切らないと、である。
 一方、夫は「大丈夫、俺は週末も休めるから」なんて宣う。何よりホテル延泊と帰りの便を押さえるのが大変なことになりそうだ。祈るしかないのだけれど。

 ホテル内のコンビニでおやつを買って部屋に戻り、小腹を満たしたら、夫はお疲れのご様子で、気持ちよさそうにお昼寝である。
 夕食前には母にMeet通話で、部屋からの美しい海の景色を写してお裾分けする。

 夕食はホテルの和食レストランで、ホテルからのウエルカムドリンク-夫はワイン、私はマンゴージュース-でまずは乾杯。琉球食豊かなミミガーやらグルクンやら地産地消の食材豊富な和食懐石を頂いて大満足。眼も舌も楽しんだ後は、島唄のライブで歌姫も登場し、耳も楽しませて頂いた。
 食後はお腹ごなしに朧の半月を頭上に見ながら(星は残念ながら雲が厚いようであまり見えず)お庭をお散歩。バーベキューテラスや他のレストランをチェック。さらにお天気が良ければ星が降る空をデッキチェアで横になって眺められるという最上階のスターダストバルコニーを下見してから部屋に戻ってきた。

 珈琲で一服し、ブラウスのボタンが外れかけていたのに気づき、ソーイングセットをお借りして苦手なお裁縫をすることに。指先がしびれて針に糸が通せないとぼやいていたら、夫が一発で通してくれた。とほほ。

 お風呂は大きな洗い場がついていて、アロマの香りのバスフレグランス付きだ。ゆっくり旅の疲れを癒して早めに休み、明日からに備えたい。
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