ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2023.4.11 今日も大忙し、治療前日の過ごし方

2023-04-11 21:10:11 | 日記
 昨夜はブログアップ後に入浴し、その後息子の話を聞きながらあれこれ片付けていたら、結局日付が変わってしまった。久しぶりにマントラCDをセットし、ボリュームを絞って聴いていたのに、なぜかいきなり大音量になって、夫から消すように言われた。どうしたことか。CDプレイヤーがもう寿命なのかもしれない。
 その後眠りに落ちるまでに結構時間がかかった。

 今朝は2人とも出勤。息子の方が夫より早く出かける。なんとか無事2人を送り出して、私もいざ、出かける支度である。生協の注文書等を急いで記入したり、毬藻の水を替えたり、あれやこれやとバタバタ。
 息子が駅務研修を行うのは明日の泊まり勤務を含め、明後日の朝まで。夫は仕事だし、母はとても都心まで連れていけない。その姿を家族名代として見て、様子を報告するというのが午前中のミッションだ。
 今日は夏日になるという予報だ。日中は半袖でもよいでしょうと天気予報士のコメントがあった。いよいよ晴雨兼用日傘も解禁だ。

 体力を消耗しないようにライナーを予約して出かける。かつて月1回の出張の時に乗っていたライナーは満席だ。窓からの日差しが眩しい。
 車内のお供は一木けいさんの「全部ゆるせたらいいのに」(新潮文庫)。
 初めましての作家さんだけれど、帯には「彩瀬まる氏、角田光代氏、桜木紫乃氏 激賞!『1ミリの後悔もない、はずがない』著者による切実な家族の愛の物語。」とあり、手に取った。読み始めて、いきなり吸い込まれる。ヒリヒリとする思いとともに頁を繰り続けた。あっという間に下車する駅に到着。ライナーに乗って途中駅で乗り換えるのは初めてだ。

 色々思い出がある線に乗り換える。時間もあるので混雑を避けて各駅停車に乗ったら、座ることが出来た。
 息子が先輩と一緒にホームに立つと聞いていた時間より15分ほど前に到着した。お手洗いに行って時間調整をしようと思ったら清掃中。とりあえず改札を出る。
 まだどこも開いていないしどうしたものかと思ったら、以前Sさんのクラスの時に良くお世話になった駅ビルの1階が早くもオープンしていた。それまではお洒落なカフェやファッション雑貨等のフロアだったのに、なんと1フロア全部が100均ショップになっていた。これもコロナ禍故か。
 パウダールーム等は当時のままだったので、なんだか周囲の雰囲気にちょっと似つかわしくないほどラグジュアリー。少し時間潰しをして、再び改札を入ってホームに上がると、先輩職員と息子の姿が見えた。

 遠くから目立たないようにスマホで写真を撮る。あれ?と思うと、聞き慣れた息子の声がホームに響いている。見ればマイクを持って到着と発車のアナウンス等を行っていた。チビの頃からこういう駅員さんの物マネはお手の物だったけれど、研修業務とはいえ本当にやらせて頂けるとは鉄ちゃん冥利に尽きるというもの。制服はぴったりでなかなか似合っていたし、前職場で経験済みのアナウンスも堂に入っていた(ハイ、親バカの極みです。)。
 あまり長居をするのも迷惑なので早めに切り上げて、正味10分ほどの滞在で再び電車に乗って戻ってきた。あいにく乗継ぎがとても悪く、帰路は思いのほか時間がかかってしまったけれど、本は読み進めることが出来た。

 自宅最寄り駅に降りると汗ばむほどだ。ブラウススーツに裏地なしのジャケットを羽織り、薄いストールを巻いたけれど、着過ぎだった。ストールには昨日高瀬川のほとりを、葉桜を見ながら歩いた時に付いたのか、桜の花びらが落ちた萼の姿が。なんだか取ってしまうのが可哀想で、そのままにしていた。
 
 自宅最寄り駅近辺では早くもハナミズキが満開だ。いつも花開くのはGWが始まった頃ではなかったか。ちょっと見ないうちにカツラ並木の葉っぱの赤ちゃんも随分大きくなった。帰宅すると、昨日の夜大量に干した洗濯物は無事乾き、大車輪で畳んで収納する。朝仕掛けていった食洗器もこれまた大車輪で食器棚に収める。

 今日の前泊等の用意はほぼ済ませて出かけたが、念のためもろもろチェックをして、再び母とのランチの約束のため、家を出る。また当分の間、通えなくなるヨガスタジオにも行きたかったが、当然のことながら諦める。

 予定した電車に乗り、母といつも行くホテルのロビーラウンジで落ち合い、春のアフタヌーンティータイムである。ホテル最寄駅前のデジタル温度計は26℃を示している。
 窓際の席に案内される。3月、4月のメニューは桜のドリンクや桜の花びらがあしらわれたスコーン等淡いピンク色が可愛らしくお皿の上で映えている。
 入店時にキープしておいたケーキ(母はバスクチーズケーキを、私はさくらのロールケーキを)を締めに頂き、ポットのハ−ブティや紅茶を何度もお代わりしながら母のお喋りに付き合い、昨日までの旅のお土産を渡し、報告とともに孫の仕事姿を披露する。

 今回のセンチメンタルジャーニーではついつい飽食気味だったけれど、毎日平均して15,000歩は歩いた。お腹の調子はあまり良くなかったのに、またしてもお腹の辺りがモタモタしてきた感じだ。薄着になって余計気になるのかもしれない。母は私よりしっかり食べているが、相変わらず体重はそれほど増えていないようだ。

 2時間ほどゆっくりした後、母が帰りのバスに乗るのを見届けてから、JRに乗って病院最寄り駅まで向かう。気温は24℃に下がっていたが、まだまだ明るく暖かい。
 本を読み切り、病院最寄り駅に到着。今回はいつものホテルを取った。6月まで旅行支援プランが再延長されたけれど、3月までに比べて随分価格がアップした。コロナ禍でのホテルの身を切るようなサービス期間は終わったということだろう。

 態勢を整えてから、母に無事到着した旨、報告のMeet 通話。
 遅い時間にたっぷり頂いたので、あまり空腹ではない。明日の朝食のサンドイッチ等を調達するのと同時におにぎりとサラダの夕食も買ってから部屋に戻った。

 明日はいよいよエンハーツ40クール。次回の治療が4週間後のままか5週間後でOKが出るか、ドキドキの治療前夜である。
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2023.4.10 旅は最終日、センチメンタルジャーニーに別れを告げて、無事帰京

2023-04-10 23:36:07 | 
 昨夜も、大浴場はずっと「やや混雑している」の表示が消えなかった。記事をアップした後のふとした隙に「空いている」となり、急いで夫と繰り出した。おかげで無事ゆっくり入浴することが叶った。
 電気を消すことが出来たのは、日付が変わってすぐのこと。さすがに疲れており、あっという間に眠りにつけた。

 そして今朝。息子はいつものターミナル駅ではなく、そこで制服に着替えてから別の駅に出勤という。朝早いとのことだったが、無事起床したとLINEの連絡があった。私は6日連続で朝風呂へ。今日も空いた中でさっと上がった。

 部屋に戻って、夫には昨日に続き浴槽足湯を薦めた。昨日は、夫が浴室から出ようとドアを開けたら、私が運悪くドアの前にいて後頭部をガツンとぶつけるアクシデントがあったが、今日は無事。
 BSと地デジで朝ドラを視て、ほぼパッキングを終えてから階下のレストランに向かった。ちょっと洒落ていて人気だというレストランのバイキングは、朝からカレー等が充実している。ゆったりと広い4人席でスムージーやサラダ等ヘルシーな朝食である。周りを見回すと日本人はほぼ私達だけ。レストランの造作とも相俟って、あたかも海外旅行に行っているような錯覚に陥った。それにしても、英独仏以外の言葉があちこちで聞こえるのは凄いことだ。

 しっかりエネルギーチャージを終えて、荷物をまとめてチェックアウト。大きな荷物は預けて身軽になって、残り半日の散策スタートである。今日もいいお天気。朝は冷え込んでいるが、日中は22度まで上がるという。
 まずはホテルからほど近い因幡薬師へ。ここはがん封じで有名な薬師様である。以前瞑想ヨーガのリアルクラスに、わざわざ大阪から通ってくださっていたNさんから、2度ほどお守りを頂戴したことを思い出す。今日は母と自分の2つのお守りを頂戴し、蝋燭の火を夫と灯してきた。

 特に当てはないが、ぶらぶらと北へ上って歩く。夫の好きな錦市場をぶらぶらと冷やかす。かつてに比べて随分お店が変わっている。コロナの影響もあるのだろうけれど、老舗のお店はなかなかやりにくいだろうな、と思う。
 昨日、十石船の船頭さんの説明で、「ここが高瀬川になります」と聞いた小さな流れを思い出しながら、高瀬川のほとりを歩き、鴨川の遊歩道をぶらぶらと御池方面まで。水の流れが綺麗で、鴨が水面下で足を動かしている様子までよく見える。昔、川床のレストランにも行ったね、と思い出話をしながら歩く。

 何となく歩いていると、本能寺に突き当たる。「能」の字はつくりの「ヒ」二つが「去」の字になっている。建立から5度の火災に見舞われていることから、「ヒ」が続く字を避け「ヒ」が去るようにとこの字を使うようになったと言われているそうだ。本堂正面の日蓮上人の像は本能寺の変以前からあるそうだ。信長公の供養塔等にもお参り。外国人観光客の姿も数多い。

 少し歩くと、まさに三歩歩けば、というか犬も歩けば、というか、色々なお寺に当たる。私達も全く知らないお寺にも外国人観光客が入ってくる。天性寺、矢田地蔵等もお参りしながら、新京極をぶらぶら。
 今は昔、中学の修学旅行で訪れた時にはお土産屋さんばかりが軒を連ねていたけれど、今はファッションのお店やドラッグストアやスマホショップ等、なんだか普通の通りと変わらないようだ。
 和泉式部が初代の住職だったという誠心院にも初お参り。ポスターの、尼さん姿の和泉式部像が何やら新鮮だった。これまたガン封じ等病気平癒で知られる蛸薬師にも立ち寄り、撫で蛸にもしっかり触れてきた。

 そろそろお昼。けれど朝食をしっかり頂きすぎて、あまり空腹を感じない。最初は、まだ息子が小学生だった頃、両親とも一緒に入ったかにのお店にでも、と考えたがまだお腹に入りそうになく、そのまま先斗町まで歩く。夫はお肉が食べたいだろうな、と思うがなかなか付き合えそうにない。結局、担々麺のお店に入った。私たちが一番乗りの客だったが、続いて外国人観光客が4人、日本人観光客が2人入ってきてあっという間にお店は一杯になった。昨日に続いて私は白で、夫は黒の担々麺はなかなか美味しかった。ちょうどいい具合にお腹が一杯になる。外は大分気温が高くなっており、コートは不要になる。

 再び歩き始めると、昨日は寺田屋で出会った龍馬のギャラリーがあった。こんな所にも縁の地があったとは。時間がなかったので入館することは叶わず、そのままホテル近くの停留所に泊まるバスに乗って、ホテルまで戻った。預けていた荷物を受け取り、地下鉄で京都駅まで。

 予約している新幹線まで1時間弱。急いで夫の職場のお土産等を買い求めた。無事ゲットし、まだ30分以上あったので、西陣散策の折、入る時間がなかった和菓子屋さんのエキナカ支店に入って、お抹茶と上生菓子のセットを頂く。チューリップ、山吹、花筏と3種類から迷ったが、花筏をチョイス。夫は大好きな季節のあんみつにニンマリしていた。

 息子が夕食が要ると連絡があったので、夫と同じ牛飯弁当を、私は京寿司を買って新幹線に乗り込んだ。
 車内のお供は井上荒野さん、恩田陸さん他3人の女性作家の小説と糸井重里さん、小山薫堂さんの随想の「Seven Stories 星が流れた夜の車窓から」(文春文庫)。
 帯には「あなたなら、この度に誰と出かけますか-?豪華寝台列車『ななつ星』をテーマに7人の人気作家が紡ぐ『旅と人生』」とある。女性作家の面々を見れば、間違いなく面白い筈、である。
 「すれ違う夫婦、かけがえのない旧友、母と娘、旅の途中だからこそ吐露される、心に秘めた言葉たちが胸を打つアンソロジー」と裏表紙にある通り、いいお話だった。途中どうしょうもなく眠かったけれど、少しウトウトした後、夫の爆睡を横目にしっかり読み切った。

 無事在来線に乗継ぎ、途中で2人とも席を確保して私鉄乗換駅まで戻ってきた。若干遅れて最寄り駅につき、タクシー乗り場を見ると、いつになく並んでいる。どうも葬儀場に行く面々が沢山だ。珍しく15分近く並んで帰宅した。

 さて、1週間あけた家は息子一人でどんな状況か、と若干不安だったが、なんとか無事だった。
 今月1回目のお花が届いている。白、濃淡のピンク、オレンジ、黄色、赤のガーベラ、ピンクと黄色のアルストロメリア、カスミソウが1本ずつ。花言葉は「希望」、「親切」、「未来への憬れ」だそう。すっかり春爛漫の投げ入れになった。
 そして荷物も片付け、大洗濯である。昨日送ったキャリーケースが時間通りに届いて、洗濯機を廻す。夫が味噌汁を作ってくれるという。ほどなくして息子が帰宅する。
 3人でお弁当を美味しく頂いた後は、出来上がった洗濯物を干す。夫と息子がスーパーに果物を買いに出かけた間にもう一度洗濯機を廻す。

 一段落したところで、家族揃って大好きな赤福でお茶。息子は初任駅の勤務でかなりお疲れの様子。先にお風呂に入れて早く寝てもらうことにした。
 本日の万歩計は14,000歩超え。
 明日は都心のターミナル駅での勤務の様子をこっそり見に行く予定である。
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2023.4.9 旅も6日目 最後の晩餐は難行苦行

2023-04-09 22:25:46 | 
 昨夜は女性風呂の混雑表示が「やや混雑」からなかなか変わらず。ずっと「空いている」だったので、「やや混雑」がどの程度なのかわからない。少し様子を見ていたが諦めて向かった。男性はずっと「空いている」だったけれど。
 結果、9つある洗い場がほぼ一杯で、湯舟にも数人がいた感じだった。それにしても外国人客が多い。
 とはいえ、洗い場が使えず立って待ったというわけではないので贅沢は言えないだろう。なんといっても昨日は土曜日だったのだから。

 眠れたのは日付が変わってから。朝4時半過ぎにお手洗いに起きたら、また眠れなくなった。夫は相変わらず良く眠っている。大浴場は6時からだから、それまで息を殺して待つ。暗い中で支度をしてそっと部屋を出る。
 今朝もほぼ貸し切り。私が出る時にお一人入ってきたのと、既に上がる方がお二人いた程度で、湯舟も洗い場も一人だけだった。

 今日は、嘗て夫が息子と二人で訪れたことのある所を何か所か回ることに。まずは大きなキャリーケースをフロントで宅配便に出す。
 今日はいいお天気だが、外に出ると、かなり冷え込んでいる。ホテルからほど近い珈琲店でモーニングセットを頂いてから(久しぶりに厚切りトーストが美味しかった。)、地下鉄乗り入れの私鉄に乗ること30分ほどで目的地、中書島に到着した。

 伏見と言えばこれまで伏見稲荷は訪れたことがあるが、今日はかつて「伏水」とも書かれた良質の水に恵まれた街で十石舟に乗るという。ネット予約では満席だったようだが、乗船場に行くと、10分ほど待って乗ることが出来た。昨年9月に訪れた佐原に街の雰囲気が似ている。
 川べりの芽吹いた柳の緑と酒蔵の黒のコントラストが美しい。

 20人ほどがバランスよく左右に分かれて乗りこむ。乗船時間は往復で50分ほど。豊臣秀吉の伏見城築城の際に造営されたという宇治川派流を辿り、途中、三栖閘門に立ち寄り、資料館や閘門近辺の見学が組み込まれている。
 桜がもう散ってしまっていたのがちょっと残念だったが、タンポポの黄色い花が公園一杯に広がっている。帰りは乗ってきたのとは別の船で同じ水路を戻ってくる。船頭さんの案内を聞きながら、船は水面を滑るように進んでいく。相変わらずお腹の調子がいまいちでお手洗いを心配しつつ、なかなか難儀である。

 無事下船し、次は長建寺に向かう。ご本尊は弁財天で、山門には赤いのぼりが立ち並び賑やかである。仏様に備える「閼伽水」は伏見の良質の地下水と同じ水脈だそう。お庭も樹々のお花がとても美しい。濃いピンクの八重桜やお酒の名前にもなった淡黄緑色の黄桜(鬱金桜)が満開だった。

 続いて、寺田屋へ。薩摩藩の定宿として指定され、かの坂本龍馬が、後に妻になるお龍の機転で、命からがら脱出したという寺田屋事件の現場である。ミシミシと音がする急な階段を上り、銃弾の痕やら刀の痕等が柱に刻まれている和室を拝見。鴨居が低くて頭をぶつけそうである。
 龍馬が愛用した梅の間以外は今も泊まれるということにびっくりした。龍馬ファンならたまらない場所だろう。1階に訪問帳があったので、せっかくだから、と夫と記してきた。

 そろそろお昼、ということで、地元の酒造が経営する食事処へ。資料館も見学し、少し待ったけれど、広々とした店内でゆっくりとリーズナブルに龍馬御膳等が頂けた。
 地ビールや生酒等のショットサービスもあったけれど、下戸だとこういう時につまらない。ちょっぴりお土産を買い求め、商店街では、十石船のチケットを提示すると出来る、お愉しみガラガラ抽選(夫も私も参加賞だった)にも参加して、降りた駅の隣の駅から再び私鉄に乗った。

 次なる目的地は国宝・石清水八幡宮である。私鉄駅前から参道ケーブルを利用すると7分ほどで頂上に到着。そこからまた坂道を上がり、階段を上りながら、膝の調子も悪くちょっと顎が出る。
 ここでまた期せずしてラッキーなイベントに遭遇した。「鳥羽太夫道中、葵太夫奉仕」との看板が出ている。太夫道中とは、神社仏閣の神職や高僧のお練りを様式化したもの。

 太夫が前に禿(かむろ)、そして引舟、後ろに傘持ちを従え「内八文字」という特殊な歩き方でゆっくりと練り歩く。衣裳は十二単を簡略化したもので、襟を返し、裏の緋色を見せるのは太夫の証明で、この緋色は正五位の位の色だそう。これを見せることが、御所へ上がるためのパスポートのようなものだという。
 昨日太夫の絵が描かれた大型バスに乗ったのも何かのご縁だろう。お参りも済ませ、茶処で桜の花のジェラートと厄除けぜんざいを頂き、ほっと一息つく。少し元気になって、また坂道を下り、ケーブルカーに乗って駅前まで戻ってきた。

 夫が息子と訪れた時は、既に夕方で、門が閉まっていたという頓宮にも参拝し、門前の走井餅老舗で夫の好きな餅菓子を買い求める。
 良く歩いて疲れているし、お腹はいい具合に満ちているし、眠くてたまらない。再び京都の中心まで戻ってくるのに30分ちょっとの車内では爆睡だった。

 祇園四条で降り、一昨日のリベンジを果たすため、ラーメン屋さんに様子伺いに。
 開店時間まで1時間ちょっとあるが、店員さんに、今日も整理券配布は17時からかどうか確認する。いわく17時と決まっているわけではないが、客が店の前に集まり出して配るのが17時から17時15分頃になるとのこと。それならば、と近くのカフェで様子見をしながら待つことにした。

 17時少し前にカフェを出ると、既に40名以上が並んでいる。なんということか。最後尾につくとどんどん列が長くなる。開店10分前に20名近くが店内に呼び込まれ、注文も聴かれている様子。
 私達は17時半過ぎになって、18時に店前に来るようにと整理券を手に入れた。いやはや。
 30分しかないので、それほど遠くにも行けず、近くの商店街で時間潰し。5分ほど前に戻ったら整理券を持った客が10名以上、店の前に並んでいた。それから中に入れるまでに1時間近く待つ。

 腰が痛くなるし、ラーメンのためになぜここまで、とだんだん不機嫌になってくる(私はそもそもそれほど食べ物に執着がないことに最近になって気が付いた。)。前にいる外国人家族は、おむつのとれないちびちゃん連れ。店の前でおむつ替えまでしているし、皆マスクもせずによく喋る。どう見ても客の半分以上は外国人客で、客裁きの女性店員はずっと英語で応対している。ラーメンが、多くの国の人々に受け入れられていることに驚くばかりだ。

 やっとカウンター席に案内され、夫と違う出汁の色のラーメンを頂く。なるほど確かにとても美味だったけれど、15分ほどで食べ終わるものを頂くのに都合3時間近く待ったとは。うーん、ラーメン道の修業とはこのことか。
 まあ、リピートするなら私は抜きで息子と来てね、と夫に言いつつ、ホテルへの帰路についた。

 15分ほど歩いてホテルに戻り、母にMeet通話を済ませて、私は今日も一人でブログ書き。夫も草臥れたと見えて、早速ベッドで転寝している。

 6泊7日のセンチメンタルジャーニーも最後の夜になった。本日の万歩計は14,000歩超え。
 明日はホテルのレストランでゆっくり朝食ブッフェを頂いてから近隣を散策の上、午後には新幹線に乗る予定である。

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2023.4.8 旅は5日目、比叡山は今日も寒かった・・・

2023-04-08 22:11:31 | 
 昨夜は記事をアップしてから大浴場へ。金髪碧眼の方が数名入ってこられた。入浴後はそのまま部屋に戻ると、夫がアイスクリームを買ってくれていたのでちょっぴりお相伴し、コロリと眠った。
 あまりに早く眠りについたせいか3時にお手洗いで目が覚める。それからがダメだった。またしても中途覚醒。夫の鼾で眠れない。1時間が過ぎ、2時間が過ぎ、今度は夫がお手洗いに。何時かと訊くと6時過ぎとのこと。
 まだ眠れる、と夫はすんなり二度寝していた。そして目覚ましが鳴る。はあ。結局、4時間半ほど眠れたのかどうか。

 今日は定期観光バスを予約済みだ。夫が行きたいという「大原三千院と世界遺産比叡山延暦寺」の7時間コースである。
 ひとまず朝湯で身体と目を強引に覚ます。私が上がるときにお一人入っていらしたけれど、正真正銘貸し切りだった。
 部屋に戻って、昨日調達したパン等で簡単な朝食を済ませる。夫は今季の朝ドラの1週間振り返りを視ながら、お母さんが亡くなるシーンに涙をぽろぽろ流していた。歳を重ねて涙もろくなっているなぁと思う。

 地下鉄で京都駅に向かう。予定したより1台早く乗れて余裕で到着し、予約ナンバーを告げてチケットを購入。出発5分前までに戻ってくるようにと言われ、お手洗いを済ませる。それなりの時間バスに揺られると思うと、お腹の調子が心配だから、結構ストレスだ。

 乗り込んだのはボディに“太夫”の絵が描かれた綺麗なバスだ。御一行様は27名。バスの席は余裕があるので後ろの空席はご自由に、とのガイドさんの案内で、夫も私も1人2席キープ出来てゆったり。
 眼下に壮大な琵琶湖を見ながら比叡山ドライブウェイを上る。山の上でも桜は盛りを過ぎている。八重桜はまだ咲き始めか。
 まずは比叡山延暦寺東塔・根本中堂へ向かう。1時間弱で到着である。途中で雨が降り出し、黒雲が立ち込める。風も強い。いきなり体感温度が下がる。うーん、雨の予報ではなかったので、吹けば飛びそうな貧弱な折り畳み傘しか持っていない。だが、さすが京都定期観光バス。ちゃんと貸し出し用の大きな雨傘をほぼ人数分載せてくれている。有難いことだ。

 京の都の北東に聳える比叡山は海抜848m。さすがに寒い。それなりに着込んで来た筈だけれど、もっと厚着をしてくればよかった、と後悔する。
 今を遡る40年近く前、新規採用2年目の年、先輩と一緒に出張した帰りに訪れて以来の比叡山だ。その時は3月初めだったか、しっかりライナー付きのコートを着ていたが、山頂では雪がちらつき、それはそれは寒かった。結果お腹を壊して、夜中は何度お手洗いを往復したかしれない、という悲しい記憶がある。

 今回も、雨なのか霙なのか雪なのかわからないものが空からチラホラ落ちてきた。まずはお手洗いを済ませてから団体で本堂に移動するとのこと、念のため、とお手洗いから戻ってくると、夫が、「丁度今、偉いお坊さんたちが入堂する行列が通ったんだよ」と写真を見せてくれる。見損なって残念。現天台座主は258世で御年99歳という。車から降りて、車椅子で本堂に入られるところだけ目にすることが出来た。

 夫は、息子が大学入学してまもない頃にケーブルカーで訪れて以来とのことで、辺りの記憶が鮮明だ。東塔・西塔・横川エリアの3つに分かれている境内は山全体に及んでいるが、今日は東塔エリアのみの散策。
国宝・根本中堂は三代将軍家光公により再建され、現在、平成28年から10年がかりで60年ぶりの平成の大改修中。足場を含めた大きな囲いがされている。靴を脱いで、中に入ると足に触れる床が冷たい。厚地のタイツを履いてこなかったことをこれまた後悔する。

 中陣に座って、定期観光バスの客向けにお坊様から15分ほどお話し頂く。ご本尊は薬師瑠璃光如来様で絶対秘仏。右の薬指を折り曲げ、左手には薬壺を持っておられる。ご本尊を照らす内陣には、開創以来消えたことのない灯り「不滅の法灯」がある。毎日欠かさず僧侶達が菜種油を差し続けているとのこと。油断という言葉はここからきているそうな。

 お話の途中から、毎年4月4日から7日間続くという御修法(みしほ)が始まり、沢山の高僧による祈祷の声がダブった。こんなタイミングで訪れることが出来たのはやはりご縁なのだろう。しっかり薬が効きますように、とお願いしてきた。

 中堂の囲いの内側には、修繕の様子を見ることが出来るよう階段が設置されており、屋根の高さまで上がることが出来た。外観は見られなかったけれど、工事期間ならではの体験が出来たのもラッキーだろう。
 当病平癒のお守りとお札を頂戴してから根本中堂を出、途中にあった開運の鐘を夫と2人でつき、大講堂を一周してバスに戻る。
 再びバスに乗り込み奥比叡ドライブウェイを降り、次なる目的地の大原方面に向かう。途中で雨が強くなり、空は灰色。風も強くなってくる。うーん、この荒天はどうしたことか、晴れ女が乗っている筈なのだけれど。

 バスを降りて、傘を差し大原女の小径を歩く。夫は「いい雰囲気だね~」と言う。永六輔さんの「京都~大原~三千院♪」詩の石碑まである。私は高校時代に一度訪れたことがあったのだけれど、記憶が大分怪しくなっている。
 呂川沿いの緩い坂道を上っていく。桜の花びらは川面に浮いて、早くも青紅葉が美しい。実光院、勝林院、宝泉院に向かう途中の律川と合わせ、酔っぱらって呂律が回らない、という言葉はここが発祥だそう。

 お待ちかねのランチは、山菜料理がメインの料亭で三千草弁当を頂く。27名のグループで大きな広間が貸し切りだったが、おひとり様参加の方が3分の1ほどおられる。可愛らしい三段の重箱に入っているお弁当はヘルシーで山菜やお野菜たっぷりの精進料理を思わせるもの。お肉大好きの夫にはちょっと物足りなかっただろう。
 食後はそのまま自由散策タイム。たっぷり2時間ほどある。お店を出ると、日が差して青空になっている。なんとも猫の目のように変わりやすいお天気だ。日が差すと暖かく傘は荷物になるのだけれど、曇るといきなり寒くなり、あっという間に雨が落ちてくる。やはり傘は手放せない。

 高い石垣に囲まれた玄関口の御殿門から入る。枝垂桜が美しく、皆記念撮影に余念がない。客殿の庭園、池泉鑑賞的庭園の聚碧園を見ながら、縁側の緋毛氈でお抹茶も頂ける。宸殿の庭園・有清園を眺めつつ、往生極楽院へ。
 おりしも今日は4月8日、お釈迦様のお誕生日である。小さなお釈迦様像に甘茶をかけてお参りすることも出来てこれまたラッキー。写経をする時間まではなかったので残念だったけれど、お庭を歩くとシャクナゲやヤマブキが満開、一面の苔も美しく、愛でることが出来た。

 金色不動堂では、転職したばかりの息子に仕事守りを頂いたが、会計で御朱印帳を3枚ずつ書いて頂く方が多くて、並んでいる時間がかなり長かった。
 境内はかなり広く、石畳の階段やら坂やらで、痛めている膝にはかなりきつい造りだ。苔むした可愛らしいわらべ地蔵を見つけるのが大変だったりして、結局他の3つのお寺にまではとても足を延ばせずじまい。まあ、3つのお寺を見るためにメインの三千院をさらっと拝見するのは本末転倒だろうけれど。

 帰路は坂道を下りながら、春ならではの蕗みそや京たけのこのお漬物を買い求めた。コロナ禍中に、タモリさんの取材があったようで、ソーシャルディスタンスを取った記念写真が飾ってあるのを夫が見つけ、その写真を掲げたご主人とツーショットの記念写真も撮ってきた。

 無事迷子になることなく出発時間5分前にバスに乗り込み、ガイドさんと綺麗なバスをバックに記念撮影。
 途中出町柳で下車を希望する方を降ろし、川端通を一路京都駅へ下る。川べりではジョギングする人、お散歩する人たちで賑わっている土曜日の午後だ。車内に暖かい日差しが入るのと、寝不足なのとでバスの中ではこっくりこっくりと舟を漕いだ。予定より30分ほど早く順調に駅バス発着所まで帰還。

 蝋燭の形の京都タワーが青空に映える。雲の動きは早いが、いいお天気だ。街中は雨が降ったり雪が舞ったりということはなかったのだろう。ただし風が強いのは同じようだ。
 息子へのお土産を探すのに駅前をかなり無駄にウロウロして、疲れて顎が出る。既に万歩計は14,000歩を超えている。結局、最初にチェックした駅直結の百貨店で最初に見つけたものを買い求めた。
 インスタ映えしそうなブティックのカフェで夫がお茶をご馳走してくれて、人心地付く。地下鉄でホテルに戻ってきた。

 私はこうしていつもながら休みなくブログを書いているが、夫はあっという間に転寝。これで疲労回復出来るので羨ましい。まあ、それが嫌ならばブログなんて止めてしまえということなのだけれど、旅の記録は、溜めて翌日に持ち越したら決して書けないのがわかっているので必死である。
 母にご機嫌伺いのMeet通話。「寒いわねぇ」が第一声。こちらと同じだったようだ。毎日の寒暖差が激しく、どうも風邪気味みたいというので、ちゃんと食べて暖かくして、と言ったのだけれど。

 夕食は、ずっと気になっていたホテル近くのレモン料理専門の食堂に入った。ちょうど外国人2人連れが出たので予約なしで待たずに入れた。店内は12席ほどの小さなお店だったが、外国人観光客も入って満員御礼。アラカルトで好きなものを摂って(夫は念願のステーキを)無事、ホテルに戻ってきた。

 今日も16,000歩超え。既にかなり眠い。
 明日朝、不要な荷物を一足先に送れば、私達が帰京するのと同じ日に到着してすぐに洗濯機を廻せるということでどんどんパッキング。

 ということで、6泊の長旅も残すところあと2泊。明日はまた郊外に繰り出す予定だ。
 明後日が帰京日、そして翌日は水曜日の通院日のため前泊。自分で設定したもののかなりのハードスケジュールである。
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2023.4.7 旅は折り返し4日目、遅く起きた雨の金曜日はどう過ごす?

2023-04-07 21:14:44 | 

 昨夜も記事をアップしてから大浴場へ。部屋で混雑状況を確認すると「空いている」だったが、5人ほど湯舟に浸かっていた。初日、2日目と連続で私の方が早く部屋に戻ったのだが、昨夜は夫が早かった。それでも日付は変わったものの何とか夫より先に眠れたようだった。
 
 今朝は5時前にお手洗いで目が覚めるも、そのまま二度寝。LINEをチェックしたら、息子はちゃんと6時に起きたようだった。そのままいつものスマホアラームが鳴るまで二度寝してしまう。  
 夫もNHKニュースをつけたまま、眠っていた。BSと地デジで朝ドラを視てから、のろのろ大浴場へ朝風呂に向かう。夫はまだ眠っているので、そーっと部屋を出る。
 外は本降りの雨。夜まで一日降り続くという予報だ。最初は貸し切りでルンルンしていたが、後から数人入ってこられた。

 部屋に戻ると夫がお目覚め。今日は地下鉄で移動して、何度か訪れたことのある珈琲店本店に朝食を摂りに行くことになっている。
 10時過ぎに到着すると、店の前には傘の花が沢山咲いている。うーん、こんなに並んでいるのか。ウェイティングリストに名前を書くのかと訊くと、すんなり案内された。旧館を選んで窓側の席に陣取る。
 京の朝食セットに夫はアラビアの真珠珈琲を、私はカフェオレをチョイス。部屋食から解放されて贅沢な時間を過ごす。

 ひっきりなしに客が入店し、旧館は満席だ。カフェオレもアツアツのクロワッサンもとても美味しいし、付け合わせの野菜がたっぷりでこれも変わらぬ美味しさで、嬉しい。小一時間ゆっくり過ごし、お土産に珈琲を買って店を出る。今では駅構内にも支店があるけれど、やはり本店の雰囲気は一味違う。

 外に出ると、相変わらず土砂降りの雨である。こんな日に外を歩き続けるのはしんどい。室内で過ごすのが得策である、ということで近くの京都文化博物館別館に入る。洋風の素敵な建物は、京都アニメーションの映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」で主人公が働く郵便社のモデルにもなったものだそう。
 学芸員の方から、窓口と窓の開閉の仕組みについて説明を受ける。なるほどうまく出来ている。さらに漆喰がはがれたことで錘とのバランスが崩れ、空きっぱなしになってしまう窓まで見せて頂く。代表的近代洋風建築として重文指定されている別館は旧日銀の京都支店だ。設計は辰野金吾氏。
 古い銀行の建物がどこも似ている造りなのは、皆辰野氏やそのお弟子さんたちが関わっているから、とのこと。
 かつて営業室だったというホールは、戦時中金属供出で撤去されていたシャンデリアが復元され、今では展覧会や音楽会等の催事に利用されているという。

 旧館からそのまま本館に向かい、明後日迄で終了する特別展示「知の大冒険―東洋文庫 名品の煌めきー」に入ることに。
 東洋文庫は文京区にあるアジア最大級の研究図書館。100万冊の蔵書の中から国宝、重文等の120件が展示されていた。教科書で見たことがある「目には目を歯には歯を」のハンムラビ法典から、マルコ・ポーロの東方見聞録、ヨーガを学んでいると出てくるサンスクリット語のリグ・ヴェーダ、ラーマーヤナ、さらには解体新書等の有名な書物、メルカトール地図やら絵画も沢山。
 マリー・アントワネットが持っていたというアヤメの模様が刻印された革張りの本も素敵だった。ショップで迷った末、またしてもクリアファイルを買ってしまう。
 今日もなんとなくお腹の調子が悪く、見学最中も腹痛でお手洗いを気にしてばかり。
 
 エスカレーターで3階に降りて総合展示「原派、ここに在りー京の典雅ー」へ。京を飾るもう一人の絵師というもので、江戸時代中期初代の原在中が創始である。この展示を見るまで恥ずかしながら全く知らなかった。
 最後は2階の総合展示室へ。京都の歴史・文化を多彩に紹介している。ずっとご無沙汰で錆びついていた日本史の知識を総動員しつつ興味深く見学する。平安から江戸までの4つの時代の絵巻回廊が大画面に映し出されているが、かなり草臥れて、何度も座って休憩。

 1階に降りると、江戸時代末期の京の町家の表構えを復元した和食処やレストラン・ショップが軒を連ねている。さすがにブランチを摂ってまだそれほど時間が経っていないのでお腹は空いていない。紙の専門店でまたしても和紙のレターセットを買い求めてしまう。

 外の雨は止む気配がない。結局、2時間半ほど滞在し、地下鉄の駅まで歩いて、夫が行ってみたいという商店街を目指して市役所前でバスに乗り継ぐ。出町枡形商店街はいかにも夫の好きそうな風情だ。それほど長い通りではなかったが、なんとなく昔懐かしい雰囲気が漂うというか、ゴチャゴチャしている感じ。
 それほど空腹ではないもののかなり草臥れていて、休みたい。既に万歩計は6,000歩超え。商店街の突き当たりまで行ってから戻って、何軒か見つけたお店の中から、ジャズが流れるカフェ風レストランを選んで入る。お客さんは外国人男性が2人。

 ランチのホットサンドプレートをシェアし、ラテ・アートが施されたカフェ・ラテを頂いて人心地付く。斜め向かいには、なぜか定番の京都土産である阿闍梨餅を売る食料品店がある。本店が近いそうだが、駅ではいつも長蛇の列で売り切れの看板が出ていることも多いのに、ここでは誰も並んでいる様子がなく、穴場だという。バラ買いも出来たので、おやつ用に2個買い求めて、再びバス停まで戻る。

 地下鉄駅のバスセンターで降りて、隣接するショッピングセンターで明日の朝食等を調達し、再び地下鉄でホテル最寄り駅まで戻ってきた。
 雨が降っているので歩きたくない、とバス路線図と首っ引きの夫に従ってバスに乗ったら、間違えてしまい(番号は同じだったが、ルートが違うものもあるということを隣の女性が教えてくれたが、時すでに遅し。)、一つ先の停留所で降りて、結局歩く羽目になった。少し雨脚が弱まっていたのが、せめても。

 ホテルで借りた大きな傘をお返しして、部屋に戻って小休止である。夫は相変わらずベッドに横になるとすぐに寝息が鼾に変わる。幸せな人である。

 母にMeet通話でご機嫌伺いを済ませる。強風で飛ばされそうで、一歩も外出できなかったという。
 こちらは雨が止んだら、ラーメンフリーク息子一押しのラーメン屋さんに歩いて行くことに。ようやく小降りになったので、15分ほど歩く。並んでいる人たちの列が見える。
 夫は息子と7,8年前に一度訪れたことがあり、是非また食べたいとのことだったが、列の最後尾には看板が立っていて、並ぼうとすると「本日は整理券配布を終了しました。」とのこと。
 店員さんに確認すると17時に配布開始して30分で終了だったそうな。整理券を持っていないと、並んでも無駄。そういうシステムになっていたとは・・・。諦め悪く、系列の別店舗の方にも行ってみたが、こちらも「本日販売終了」とのこと。整理券制度ではないけれど、スープがおしまいだそうで。ご縁がないことに終わったが、明日明後日でリベンジが叶うだろうか。

 仕方なく、途中にある仏光寺でライトアップされた夜桜を暫し愛でつつ、ホテルにほど近いちゃんぽん屋さんに入った。こちらはなんとか2人並んで座ることが叶ったが、店内の半分以上は外国人観光客。もはや京都は日本人よりも外国人の方が多いのか。外にも沢山の外国人観光客が並んでいた。

 息子はなんとか今週の研修勤務を終えて、好みのラーメンを夕食にしたようだった。週明け月曜日はまた別の都心駅で勤務するそうだ。水曜日は唯一の泊まり勤務で、木曜日に駅務終了とのこと。

 明日は定期観光バスを予約しているので、のんびり寝坊してはいられない。今日は早めに入浴して休まなければ・・・。
 万歩計は13,000歩。今回の旅で一番少ない4日目である。
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