5年前に購入した伊丹由宇の「東京居酒屋はしご酒」を見て気になる店があった。蒲田の鰻居酒屋の「寿々喜」だ。肝焼きが絶品だというので一度は食べてみたいものだと思っていた。3年前に勤め先が代わり京浜東北沿線になったためチャンスがあればと思っていた。
横浜からのナニワのドクタアとの帰り道、満席かと心配しながら6時近くに蒲田で降りる。東急線沿いのアーケード街の一本裏道の飲み屋通りに昔ながらの鰻屋が目に付く。暖簾を分けてガラス戸をあけると地元の常連さんらしいお年寄りが一人酒で数人。なかなかに落ち着いた雰囲気に忽ちに同化する。席に着くなりうな肝焼きを2本づつ注文するが1人1本までとのこと。残念だがその他の旨そうな肴も多い。燗酒に合わせて鳥さし、柳川鍋を肴に注文。うな肝焼きは黒々として肝が5つばかり串刺しにされよく焼かれている。口に含むと苦味とタレの甘みが絶妙バランスで思わずうなってしまうぐらいだ。ワサビ菜が乗って出されてきた鳥刺しも。うな肝焼きに負けず劣らず美味である。ワサビ菜も合わせるものよっては大変に活きる。
横浜での震災技術展が年を追う毎に傾向が、備蓄的から技術的になってきたとの話を肴に2合くらい飲んだ頃、蒲田の街をもっと知りたくなったので河岸を変えることにした。同じ通りの駅側に歩くと角に賑やかに繁盛している店がある。店名は新橋「やきとん」、店内は若い連中で一杯で背の高いテーブル席、ホッピーがメインで「紅とん」に店の作りはそっくりだ。経営は違うそうだ。
ホッピーとホルモン、そして野菜不足にキャベツの味噌を注文する。翌日は病院での検査と夜は会食が予定されているのでホッピーの中の追加をしてお仕舞い。