散日拾遺

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ダグ・ハマーショルド

2019-01-24 11:01:39 | 日記

2019年1月24日(木)

 「われわれが人格神を信じなくなった日に神が死ぬ、などということはない。むしろ、いっさいの理性を超えたところに源を発する、たえず更新してやまぬ奇跡の放つ光に照らされて、われわれの生が変容を遂げるということが絶えてなくなった日に、われわれのほうが死ぬのである。」

『道しるべ』ダグ・ハマーショルド/鵜飼信成(訳)みすず書房 P.61(一部改変)

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 ダーグ・ヤルマル・アグネ・カール・ハンマルフェルド(Dag Hjalmar Agne Carl Hammarskjöld; 1905 - 1961)、スウェーデンの外交官。第2代国連事務総長(任期:1953年4月 - 1961年9月)。在任中に死去した唯一の国連事務総長。コンゴ動乱の調停に赴く途次、搭乗機がローデシア(現ザンビア)で墜落した。当然ながら謀殺が疑われ、いったん否定されたが、潘基文事務総長時代に設置された国連調査委員会は「外部からの攻撃・脅威」の可能性を示唆する報告書を2017年10月25日に公表した。たぐっていけばJFKとよく似たところにたどり着くものと、個人的には考えている。

 幼年期のハマーショルドが、スウェーデン首相であった父と交わした会話について、小学生の頃に聞いた覚えがある。第一次世界大戦中の1915年、ドイツが潜水艦による無差別攻撃を開始し、スウェーデンの艦船にも被害が出た。対独参戦の世論が高まる中、父ハマーショルドは中立の立場を崩さず、疑問をもった息子は「一国民として」父に存念を問うたという。

 そこで父もまた、スウェーデン首相として答えた。いかにもドイツの所業は非道であるけれども、参戦すれば現状とは比較にならない夥しいスウェーデン人の命が失われるであろう、それは首相として自分の選ぶところではない、と。

 男子の本懐。

 そういえば、彼は『野いちご』を見ただろうか?

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/ダグ・ハマーショルド

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