(3月12日付「帰ってきました」という記事から始まる旅記録の続きです)
先にインドネシアの記録をダーッとアップしましたが、実際に先に行ったのはタイの方でした。1月末にタイ・バンコクに入り、夜行バスでタイ南部のクラビー・タウンに行き、町外れを流れるクラビー川河口沿いにあるゲストハウス(安ホテル)に宿泊し、そしてそこを拠点として河口のマングローブ樹林帯やクラビ沖の多島海をフィールドリサーチしました。
そもそもこの旅では、秘境探索的な意味合いというより、いつかアイランドストリーム絡みで東南アジアでのシーカヤックツアーを催行してみたいというところからのフィールドリサーチも兼ねていましたが、そういった観点からもこの周辺のフィールドはかなり面白いと感じました。
マングローブ探検(超広大なエリア)、美しい無人島めぐり(物凄く美しい)、奇岩・巨岩・断崖・洞窟(世界的に有名)探索、その他色々なカヤッキングスタイルが可能だし、カヤック以外にもロッククライミング、サファリツアー、天然温泉めぐりなどなどさまざまなアクティヴィティが可能です。クラビータウンはプーケットのように観光ズレしているわけでもなく、かといってド田舎というわけでもなく、ちょうどいい感じの大きさと開け具合の町です。ここを拠点としてあちこち足を運ぶことのできる、ある意味アウトドアにとって理想のロケーションだと強く感じました。またクラビー川河口沿いに夜に立ち並ぶ屋台のメシが非常においしく、ゆるーいタイ音楽が流れる中、海風がそよいでくるその雰囲気も抜群で、ぼくは毎日足を運んでいました。
クラビーは素晴らしいです。こういう場所を探していました。滞在中、この地で旅行会社を営む、現地在住の日本人の方と親しくなり、近いうちに必ずカヤック絡みのツアーを企画しようという話などで盛り上がりました。東南アジアの人は一緒に仕事をするとなるといかんせんチャランポランで信頼しずらいのですが、やはり日本人は安心できるものがあります。またインドネシアよりもタイのほうが、旅しやすいと言えます。
まずクラビ川の河口に広がるマングローブ林の写真です。
マングローブジャングルの中は風も波もさえぎられていて非常に穏やかで、あまり奥の水路まで深追いしない限り、どんな初心者でも楽勝で漕げます。気分は大冒険、実は安全、というやつです。
マングローブジャングルの中の水路は幾重にも枝分かれしていて、迷路のようになっているので、あんまり深追いすると本当に迷ってしまう。この両サイドには猿がいたり木にヘビが巻きついていたり、オオトカゲがいたりしてなかなか野性味に溢れている。最初、オオトカゲを「ワニ」かなと思っていましたが、東南アジア全域に生息する体長1mにもなる結構大きなトカゲがこのあたりには多くいて、結局そいつが正体のようでした。なおそのオオトカゲはコモドオオトカゲとはまた別のものです。
2004年の津波の被害は、クラビー川河口付近ではほとんどなかったようだが、それはこのマングローブが防波堤になったからだと思われる。
手足を泥状の水底に突っ込んでいる。ここらは汽水域で水をなめてみるとしょっぱい。流れは通常ほとんどないが、干満の差が結構大きく、時間によってサーっと川のように流れることもある。
マングローブ林の中をカヤックで進むのは、秘境探検めいた風情がある。
いったいどこまでマングローブジャングルが続くのか、何時間も漕ぎ続けたが果てしなく、気が付くとどこにいるのはさっぱりわからなくなっていた。で ちょうどその時にうまい具合に出くわしたシジミ漁の一家。