先日5月24日に行った南紀・田辺湾/神島(かしま)でのゴミ調査&クリーンアップ活動の
データ集計ですが、バタバタしていて遅くなりましたが、やっとまとめました。
日本で最初にエコロジー概念を唱えた博物学者の南方熊楠の尽力により、
天然記念物に指定された神島。通常は立入り禁止となっていますが、
田辺市教育委員会の特別許可を得て上陸させて頂きました。
シーカヤックで渡り、ゴミの種類を調査し、集めたゴミを袋ごとカヤックに乗せて、
再び漕ぎ戻りました。
(詳しい活動の主旨、内容はこちらをご覧下さい)
日本列島の4倍もの面積に及ぶ「太平洋ゴミベルト」に代表されるように、
海ゴミ問題は地球環境問題の一大トピックとなっています。
その解決は途方もなく長い道のりになりますが、解決策の一つとして、
まずゴミの発生源を突き止め、源を絶つという方法があります。
今回のこの活動もそういう主旨のものなんですね。
データ解析して、ゴミ発生源を知るという手法。
世界統一フォームのデータカードに則り、
どんなゴミがどれくらいあるかを調べ、
その結果を全国クリーンアップ事務局に提出するわけですが、
まずデータカードの品目の中から多かったゴミ・トップテンを
記します。
1:プラスチックシートや袋の破片 474個
2:食品の包装、袋 214個
3:発泡スチロール破片 191個
4:硬質プラスチック破片 190個
5:その他プラスチック袋(生活用) 132個
6:飲料用プラボトル(ペットボトル) 90個
7:食品容器(プラスチック) 81個
8:食品容器(発泡スチロール) 59個
9:生活雑貨(歯ブラシ・文具など) 51個
10:カップ 皿(プラスチック) 44個
とまあこんな感じですが総重量は45.45kgとなりました。
なお、この島での活動は今回で4回目となりましたが、
ここのゴミの傾向は、はっきり、見抜けましたね。
生活ゴミが多いのですが、どこのスーパーの生活圏内からのゴミかというのも
だいたい分かっています。
プラス、釣り人が出すゴミですね。
いずれにせよ、石油製品系のゴミが圧倒的に多いです。
で、今回は16名での活動。
カヤッカーから、研究者、環境省の方までご参加いただきました。
また、いつもながら田辺市教育委員会の方にも立ち会って頂き、
ご協力頂きました。皆さん本当にありがとうございました。
なお、当日の参加者の感想を下記に記しておきます。
これを読めばだいたいのイメージはつかめるかと思います。
●「神の島という神島にでもゴミがあるという・・・。
致し方ないですが、思っていたよりは少なかったです。
ゴミ問題は永遠のテーマですが、今回こうして参加し、
実際にきれいにすることはとても大事だなと思いました。
今後もゴミを極力作らない、出さない生活を心がけたいと思います。
今回、この機会をいただき、ありがとうございます。
それと、街で落ちているようなお菓子のごみも目につきました
。ごみを作らない生活を心がけると共に、街に落ちているゴミも拾っていきたいですね。
もしかしてそのゴミが雨で流され、川へ流れ、そして海へ・・・、かも。」
●「プラスチック類が多くあり、たばこの吸い殻やたき火したと思われる廃材があり、
禁足地であるが、明らかに人が入っていると推定される。
南方熊楠が守ろうとした思いが伝わっていないことが残念でならない。
自然を回復するには壊すことの何百倍もの努力が必要である。
自然、国を愛し、畏敬する教育が望まれる。
また、発泡スチロールと貝類が共生しているものを見て、
人間よりも生物の方が自然に対して共存している仕組みがあることに驚いた。」
●「漂着ゴミはほぼ想像していたゴミの種類でした。
ペットボトル、ビニール(特に食品のプラスティックゴミ)。
意外だったのが、ホームセンターでよく見る苗木のビニールカップ。
空き缶は案外少ないように感じました。全て、身近にある軽いもの。
まあ重いものは海に沈んでしまうのでしょうけれど。
身近な生活用品、石油製品が多いのを改めて実感した次第です。」
●「初めて島渡りしましたが、波も穏やかで心地よく、
シーカヤックの良さを満喫できました。風が本当に気持ちよかったです。
普段は陸から眺めている景色が新鮮で、特別感がありました。
多くの人にもっと体験してもらいたいです。ゴミはプラゴミが多かったです。
マイクロプラスチックも問題になっているので心配です。
データ分析でゴミの発生源へアプローチするというやり方は明快ですね。」
●「自然の中で楽しみ、自然を守る活動もでき、とても良い取り組みでした。
上陸禁止の島にも関わらず、いろんなゴミがたくさん出てきたので驚きでした。
神島だけでなく、多くの島や海岸にもゴミが流れついたり、捨てる人がいるので、
シーカヤックなどのアクティヴィティを通して、
多くの人にこの自然の大切さや魅力に気づいていただき、ゴミがなくなるように、
環境省としても個人としても努めていきたいです。」
●「神島でのゴミ調査ではたくさんのゴミがあり、生活ごみや食品プラゴミが多かった。
自然に還らないゴミが大半以上で、そういうものが海を汚しているのだと、
改めて実感しました。体験そのものは楽しく、海や神島を感じることができ、
充実した時間を過ごすことができてよかったです。」
●「プラゴミがとてもたくさんあり、その中でやはり、
風によく飛ぶスーパーなどの買い物袋の多さに、納得というか、予想通りというか、
なんとも言えない気持ちになりました。小さな小さな島でこんなにゴミがあるのだから、
大きな大きな海の底にはどれだけのゴミがあるのか・・・・。
できるだけこういう企画には参加して、
いろいろな場所を回ってみたい思いに駆られました。」
●「・プラスチック片が最も多く、主に食品系の包装、容器が多かった。
・家庭ごみというより、お弁当、カップラーメン、飲料など、
行楽の際に海に捨てられたもののようだった。
・材木など人工的に加工された木材も大量に打ち上げられており、
これらは持ち帰ったゴミに含まれていない。
・他にハブラシ、苗ポットなど」
●「今日は貴重な経験をありがとうございました。
10日ほど前に友が島にゴミ拾いをしてきたのですが、
ゴミの量は予想していたよりも少なかったと感じました。
しかし漂流ゴミの内容が全く異なり、今回は和歌山のゴミと思われるものや、
キャンプをしたと思えるような吸い殻の跡などが多かったのが印象的でした。
大きなゴミも目につきましたが、細かいゴミもたくさんあり、今回取り切れませんでした。
細かいゴミは生態系に悪影響を与えてしまうので、
時間をかけてゆっくり掃除できる機会があればまた参加したいと思います。
このような活動が必要なくなるのが理想ですが、
まだまだ時間がかかると思いますので、今後もお手伝いしていきたいと思います。」
●「穏やかな天候の中、みな黙々とゴミを分別・収集・記録をしていき、
午前・午後の2回に分けて、2つの浜を調査・収集しました。
とても良い一日でしたが、疲れました。ぐったり。」
●「初めて海のゴミ拾いをしました。外海から流れ着いたものよりも、
釣り人が捨てたと思われるものが多く、海でのマナーを守ることが必要だと思いました。
他の海岸ではどのようになっているのかも気になりました。
定期的な掃除も必要になるかもしれないですね。」
●「本日は参加させて頂けたことにお礼申し上げます。
海のゴミ問題は以前より、もう既に地球規模で問題となっているので、
私的にはとても関心がありました。神島の決して広くはない砂浜ですら、
こんなにゴミが漂着していることに驚きました。
ビニールやプラスチック類は自然には戻らない人工物ですし、
ウミガメやイルカたちが誤って食べてしまう恐れもあるので、
決して捨ててはいけないものとして、
もっと人々に周知徹底することが今後の課題と感じました。
それとは別にシーカヤックはとても気持ちがよかったので、
またこれからも機会があれば、ツアーなどに参加させていただきたいと思いました。」
●「私が思ったほどゴミが少なかった。日本海と違い、
外国のゴミが少なかった。釣り人の出したと思われるゴミが多い。
もっとマナーを守ってほしいものです。」
●「世の中、モノにあふれかえっていて、その分、ゴミもたくさん出ます。
できるだけモノを持たない、モノに執着しない生活をしてゴミを出さない
ようにしていきたいと思います。また捨てる人より拾う人の方が多くな
ればゴミも減っていきます。拾う人になっていこうと思いました。」